職人しょくにん)” の例文
陶器師とうきしは、おそって御殿ごてんがりました。それから、その有名ゆうめい陶器師とうきしは、厚手あつでちゃわんをつく普通ふつう職人しょくにんになったということです。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
職人しょくにんはロバをひっぱっていきました。宿屋の主人しゅじんが職人の手からロバをとって、つなごうとしますと、わかい職人はいいました。
シュリオはニヴェルネ運河うんが水門守すいもんもりをしているのだが、知ってのとおり植木職人しょくにんの世話を水門守にしてもらうのは無理むりだからね。
あっしゃァまつろうという、けちな職人しょくにんでげすがね。おまえさんの仕方しかたが、あんまりなさけぎるから、くちをはさましてもらったのさ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ろくな職人しょくにんにゃなれまいと思っていたが、おまえは一生けんめいに仕事をはげんで、今じゃ、親方のわしより、よいうでになってしまった。
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
それから、こういう門が、むかしは、あらゆる種類しゅるい職人しょくにんのいっぱいいる、仕事場しごとばのようなものであったことも、ちゃんと知っていました。
ミシンや裁台たちだいなどの据えつけに、それでもなお足りない分を、お島の顔でやっと工面ができたところで、二人のわた職人しょくにんと小僧とを傭い入れると
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
なるほど、紫紺しこん職人しょくにんはみなんでしまった。生薬屋のおやじもんだと。そうしてみるとさしあたり、紫紺についての先輩せんぱいは、今では山男だけというわけだ。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
盆栽ぼんさいを並べた窓の外の往来には簾越すだれごしに下駄げたの音職人しょくにん鼻唄はなうた人の話声がにぎやかに聞え出す。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
諭吉ゆきち、たらいのたがをなおすのもよいけれど、すこし勉強べんきょうをしたらどうだ。さむらいのが、をならわず、まるで職人しょくにんがやるようなことばかりしているのは、みっともないぞ。」
そこで私は、なめし皮を作る職人しょくにんの中から、りこうそうなのを一人つれて来て、りっぱなくらを作ることを教えました。そして、私もまた、あぶみだの、はくしゃだの、たづなだのを作りました。
貴婦人きふじんたちは、貴婦人たちで、みんなじろじろと、サンドリヨンの着物から、頭のかざりものをしらべてみて、まあ、まあ、あれだけのりっぱな材料ざいりょうと、それをこしらえるりっぱな職人しょくにんとさえあれば
すると明方あけがた、まだうち女主人おんなあるじほう暖炉造だんろつくり職人しょくにんた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
つぎの朝はやく、職人しょくにんはロバをつれてでかけました。もちろん、じぶんでは金貨をうむロバをつれているつもりだったのです。
「そんなら、名前なまえはともかく、どんなおとこなんだか、それをいっとくれ。お武家ぶけか、商人あきんどか、それとも職人しょくにんか。——」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
もうそのころは、ひとかどのりっぱな職人しょくにんになっていたマタンは、さっそくふしのない、まさめのよい木をえらんで、新しい木ぐつをつくりはじめました。
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
ちょうどまにあうねじがあってくれればいいがと、おもっていられたのです。ところが、眼鏡屋めがねや職人しょくにん
小さなねじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでどうしようかとあの人もこまっていると、ほかの職人しょくにんたちもって来て、みんなはおまえを警察けいさつとどけることに相談そうだんを決めた。おまえはいつまでも泣きやまなかった。
職人しょくにんたちは、みんなおもてで仕事をしていました。あるところでは、魚油ぎょゆをにたてていましたし、またあるところでは、皮をなめしていました。またべつのところでは、なわをなっていました。
しかも、そのこんぼうは、職人しょくにんがふくろからひきだすまでっているのではありません。そのすばやいことといったら、お話にならないのです。
「なにをているのだろうか。」と、かれは、はしっていきました。そこには、自転車じてんしゃめた職人しょくにんふうのおとこもいれば、小僧こぞうさんもいました。またちいさなおんなもいました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いや、とんでもない。わしらはみなたび職人しょくにんです。釜師かまし大工だいく錠前屋じょうまえやなどです。」
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「ルミ、おまえがよく考えたら、やはりしょくを見つけることにするだろうよ。もうおまえも一かどの職人しょくにんだ。流浪るろうするよりもそのほうがましだし、だいいち、あれはなまけ者のすることだ」
らないのはまだしものこと、お武家ぶけ商人あきんどか、職人しょくにんか、それさえわけがわからないなんて、馬鹿ばかにするのも大概たいがいにおし。——もうそんなひとにゃようはないから、とっととえてせとくれよ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
それからむすめだの、子供こどもたちだの、職人しょくにんだの、小僧こぞうだの、女中じょちゅうだのをびましたので、みんな往来おうらいて、とりながめました。
「おじいさん、こんなおおきなおたまがあるものかね?」と、職人しょくにんふうのおとこがきいていました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
おそらくそれらの職人しょくにんたち以上に。もし職人のかわりにその仕事をさせてもらえるなら、どんなに子どもたちは手ぎわよく、一つとしてまちがいを起こさないで仕事をやってのけたことだろう。
空気ポンプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
だれがつくりましたかぞんじません。そんなしなは、もない職人しょくにんいたのでございます。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
ときにはどうした風のふきまわしでか職人しょくにんが手つだわせてくれることがある。たとえばふいごをおさせたり、つながったせんべを細かくくだかせたり。そんなときの喜びはまたかくべつである。
空気ポンプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
こういって、憤慨ふんがいした、職人しょくにんふうのおとこもいました。すずめをかわいそうにおもったのは、二人ふたり少年しょうねんだけではありません。ここにってているものが、みんなこころにそうおもったのです。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
だが、子供こどもたちのこえは、むらなかえていってしまいました。草鞋わらじ子供こどもかえってませんでした。むらうえにかかっていたつきが、かがみ職人しょくにんみがいたばかりのかがみのように、ひかりはじめました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「まるで、自動車じどうしゃふえみたいだな。」と、職人しょくにんふうのおとこは、わらいました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、いいかきをやといました。また、たくさんの職人しょくにんやといました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)