砂糖さとう)” の例文
味は淡白たんぱくであって美味うまくないから、だれも食料として歓迎かんげいしない。しかれども方法をもってすれば、砂糖さとうが製せられるから捨てたものではない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「これは、子供こどもべるものですね。」と、おばあさんはいいながら、って、砂糖さとうってきました。そして、二人ふたりは、めしにかけてべました。
片田舎にあった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
中にはいると、牛乳ぎゅうにゅうだの、お砂糖さとうのかかった、焼きまんじゅうだの、りんごだの、くるみだの、おいしそうなごちそうが、テーブルにならばりました。
食は野菜やさいのみ、魚とては此辺の渓川たにがわにて捕らるるいわなというものの外、なにもなし。飯のそえものに野菜よといえば、砂糖さとうもて来たまいしかと問う。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかもひじょうに悪くって、あれほどきな砂糖さとう入りのぶどう酒すらも受けつけようとはしないのであった。
たっぷり砂糖さとうをほうりこんだ、いコーヒーをうまそうに飲みながら、かたわらの新聞をながめていると
砂糖さとう澱粉でんぷんといふような含水炭素がんすいたんそとよぶ養分ようぶんつくり、それをからえだへ、えだからみきくだつておくつて、木全體きぜんたい發育はついくのための養分ようぶんにし、そののこりはたくはへておきます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
我邦わがくにの菓子はあん砂糖さとうの味だけですから形こそ変っていますけれども味は千変一律せんぺんいちりつです。我邦の菓子にも菓物を応用するようにならなければ決して進歩は出来ません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あのたいそうあまい、しろこな……砂糖さとうとやらもうすものは、もちろん私達わたくしたち時代じだいにはなかったもので、そのころのお菓子かしというのは、おもこめこなかためた打菓子うちがしでございました。
橋本の敬さんが、実弟の世良田せらだぼうを連れて来た。五歳いつつの年四谷よつやに養子に往って、十年前渡米し、今はロスアンゼルスに砂糖さとう大根だいこん八十町、セロリー四十町作って居るそうだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
なに此騷このさわぎのなか好惡よしあしものらうか、おりおりとひながらさきつて砂糖さとうつぼ引寄ひきよすれば、ッかちの母親はゝおやおどろいたかほをして、おまへさんは本當ほんとう商人あきんど出來できなさる
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そうでしょうとも、それですから、ごらんなさい。あの花のさかずきの中からぎらぎら光ってすきとおる蒸気じょうき丁度ちょうど水へ砂糖さとうとかしたときのようにユラユラユラユラ空へのぼって行くでしょう。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ふたりがこやのすぐそばまで行ってみますと、まあこのかわいいこやは、パンでできていて、屋根はお菓子かしでふいてありました。おまけに、窓はぴかぴかするお砂糖さとうでした。
少しばかりの地面を買って古い家を建てたりしたので、やれ地面を買わぬかの、古い天水桶用てんすいおけようかまを買わぬかの、植木の売物があるのと、あり砂糖さとうにつく如くたかってくる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ああ、そうしようか。はちみつをやるといいのだよ。砂糖さとうでもいいかもしれない。」まことさんは、石鹸せっけんはいっていた、ボールばこあなけて、そのなかへかぶとむし玉虫たまむしれておきました。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
智惠無ちゑなしのやつ大鍋おほなべ四邊ぐるりれッくらい無駄むだがついてるではいか、れへまわして砂糖さとうさへあまくすれば十にんまへや二十にんいてよう、何處どこでもみん左樣そうするのだおまへとこばかりではない
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
〇、〇〇〇〇〇〇一六粍 砂糖さとう一種いっしゅ
手紙 三 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのトラックは東京とうきょうから砂糖さとうんで田舎いなかまちへいくところでした。
東京の羽根 (新字新仮名) / 小川未明(著)
砂糖さとうをまぜなければならぬだろう。」と、おじいさんがいいました。
片田舎にあった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)