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白脛
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しらはぎ
ふりがな文庫
“
白脛
(
しらはぎ
)” の例文
もし枝葉に置く霜の影に透したらんに、細い
腕
(
かいな
)
に袖
絡
(
から
)
み、乳乱れ、
褄
(
つま
)
流れて、
白脛
(
しらはぎ
)
はその
二片
(
ふたひら
)
の布を
流
(
ながれ
)
に
掻絞
(
かきしぼ
)
られていたかも知れない。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そればかりでなく、衣紋が滅茶々々に崩れて、紅の裾も踏みしだいたまゝ、
白脛
(
しらはぎ
)
が苦惱に揉れて、淺ましい取亂しやうは、猛獸の惡戯にしても念が入り過ぎます。
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
綿かと思う
柔
(
やわらか
)
な背を見物へ
背後
(
うしろ
)
むきに、その
擬
(
こしら
)
えし姿見に向って、筵に坐ると、しなった、細い線を、左の
白脛
(
しらはぎ
)
に引いて片膝を立てた。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
後
(
うしろ
)
へ
反
(
そ
)
り前へ
俯
(
ふ
)
し、
悶
(
もだ
)
え苦しみのりあがり、
紅
(
くれない
)
蹴返す
白脛
(
しらはぎ
)
はたわけき心を乱すになむ、高田駄平は酔えるがごとく、酒打ち飲みていたりけり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お山の
草叢
(
くさむら
)
から、黄腹、赤背の
山鱗
(
やまうろこ
)
どもを、
綯交
(
なえま
)
ぜに、三筋の処を走らせ、あの踊りの足許へ、茄子畑から、にょっにょっと、蹴出す
白脛
(
しらはぎ
)
へ
搦
(
から
)
ましょう。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
あわや台座に留まろうとして、
術
(
わざ
)
の施す隙なき
状
(
さま
)
に、そのまま
仰向
(
あおむ
)
けに
黄昏
(
たそがれ
)
の地に吸われたが、
白脛
(
しらはぎ
)
を空に土を
蹴
(
け
)
て、
褄
(
つま
)
をかくして
俯向
(
うつむ
)
けになって倒れた。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
暮れかかった山の色は、その
滑
(
なめら
)
かな土に、お君の
白脛
(
しらはぎ
)
とかつ、
緋
(
ひ
)
の
裳
(
もすそ
)
を映した。二人は額堂を出たのである。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
船の中でも人目を
厭
(
いと
)
って、紺がすりのその
単衣
(
ひとえ
)
で、肩から深く包んでいる。浦子の
蹴出
(
けだ
)
しは海の色、
巌端
(
いわばな
)
に
蒼澄
(
あおず
)
みて、
白脛
(
しらはぎ
)
も水に透くよう、倒れた風情に休らえる。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親まさりの爪尖尋常に
白脛
(
しらはぎ
)
を
搦
(
から
)
んだまま
衝
(
つ
)
と横に投出した、
肩肱
(
かたひじ
)
の
処々
(
ところどころ
)
、黒土に汚れたるに、車夫等が乱暴のあとが見えて、鈴かと見える目は
清
(
すず
)
しく、胸のあたりに
張
(
はり
)
はあるが
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
痩法師
(
やせほうし
)
が杖に
縋
(
すが
)
って、珠数まで
揉
(
も
)
みながら、ずッと寄ると——ついと
退
(
の
)
く。……
端折
(
はしょ
)
った
白脛
(
しらはぎ
)
を、卯の花に、はらはらと消し、
真白
(
まっしろ
)
い手を、
衝
(
つ
)
と
掉
(
ふ
)
って
押退
(
おしの
)
けるようにしたのです。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
促して、急いで脱放しの駒下駄を
捜
(
さぐ
)
る時、
白脛
(
しらはぎ
)
に
緋
(
ひ
)
が散った。お千も
慌
(
あわただ
)
しかったと見えて、宗吉の
穿物
(
はきもの
)
までは心着かず、
可恐
(
おそろ
)
しい処を
遁
(
に
)
げるばかりに、息せいて手を引いたのである。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦
(
おんな
)
が、
這搦
(
はいから
)
まるか、
白脛
(
しらはぎ
)
高く裾を払い、立って
縋
(
すが
)
るか、はらはらと両袖を振った
煽
(
あおり
)
に、ばっと舞扇に火が移ると、
真暗
(
まっくら
)
な裏山から、
颯
(
さっ
)
と
木
(
こ
)
の葉おろしするとともに、火を
搦
(
から
)
めたまま
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
玉
(
たま
)
にて
縫
(
ぬ
)
へる
白銀
(
しろがね
)
の
蓑
(
みの
)
の如く、
腕
(
かいな
)
の雪、
白脛
(
しらはぎ
)
もあらはに長く、斧を片手に、
掌
(
てのひら
)
にその月を捧げて立てる姿は、
潟
(
かた
)
も川も
爪
(
つま
)
さきに
捌
(
さば
)
く、銀河に
紫陽花
(
あじさい
)
の
花籠
(
はなかご
)
を、かざして立てる
女神
(
じょしん
)
であつた。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれ、」と
遁
(
に
)
げにかかる、
小腕
(
こがいな
)
をむずと取られた。
形
(
なり
)
も、
振
(
ふり
)
も、
紅
(
くれない
)
、
白脛
(
しらはぎ
)
。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、
白脛
(
しらはぎ
)
か、前脚か、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
を
蹴
(
け
)
て、高飛びに追かけたお転婆な若いのが
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
早朝上野の
不忍
(
しのばず
)
の池の
蓮見
(
はすみ
)
に
歩行
(
ある
)
いて、草の露のいと繁きに
片褄
(
かたづま
)
を取り上げた
白脛
(
しらはぎ
)
を
背後
(
うしろ
)
から見て、既に成女の肉附であるのに一驚を喫した書生がある、その時分から今も相変らず、美しい
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やや
蓮葉
(
はすは
)
に
白脛
(
しらはぎ
)
のこぼるるさえ、道きよめの雪の影を散らして、
膚
(
はだ
)
を守護する位が備わり、包ましやかなお
面
(
おもて
)
より、一層世の
塵
(
ちり
)
に遠ざかって、好色の河童の
痴
(
たわ
)
けた目にも、女の肉とは映るまい。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒格子を
仄
(
ほのか
)
に、端が
靡
(
なび
)
いて、
婦人
(
おんな
)
は、頬のかかり
頸脚
(
えりあし
)
の白く透通る、黒髪のうしろ向きに、ずり落ちた
褄
(
つま
)
を薄く引き、ほとんど
白脛
(
しらはぎ
)
に消ゆるに近い薄紅の
蹴出
(
けだ
)
しを、ただなよなよと
捌
(
さば
)
きながら
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はらはらと
白脛
(
しらはぎ
)
も透いて
重
(
かさな
)
って
正屋
(
おもや
)
へ隠れた、その
後
(
あと
)
の事なんですが。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
袂
(
たもと
)
を、はつと
亂
(
みだ
)
すと、お
納戸
(
なんど
)
の
其
(
そ
)
の
扱帶
(
しごき
)
で
留
(
と
)
めた、
前褄
(
まへづま
)
を
絞
(
しぼ
)
るばかり、
淺葱縮緬
(
あさぎちりめん
)
の
蹴出
(
けだし
)
が
搦
(
から
)
んで、
踏出
(
ふみだ
)
す
白脛
(
しらはぎ
)
を、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
の
尖
(
さき
)
で
危
(
あやふ
)
く
留
(
と
)
めて……と、
吹倒
(
ふきたふ
)
されさうに
撓々
(
たわ/\
)
と
成
(
な
)
つて、
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らしながら
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト
無慙
(
むざん
)
や、行燈の前に、
仰向
(
あおむ
)
けに、
一個
(
ひとつ
)
が
頭
(
つむり
)
を、
一個
(
ひとつ
)
が
白脛
(
しらはぎ
)
を取って、宙に釣ると、
綰
(
わが
)
ねの緩んだ
扱帯
(
しごき
)
が抜けて、
紅裏
(
もみうら
)
が肩を
辷
(
すべ
)
った……雪女は
細
(
ほっそ
)
りとあからさまになったと思うと、すらりと落した
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ああ、
白脛
(
しらはぎ
)
が、と目に映る、ともう暗い処へ入った。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
脛
漢検1級
部首:⾁
11画
“白”で始まる語句
白
白粉
白髪
白痴
白洲
白眼
白衣
白刃
白銀
白々