“押退”の読み方と例文
読み方割合
おしの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
モン長 おゝ、おのれ不所存者ふしょぞんものめが! ちゝ押退おしのけてさきはかはひらうとは、なんといふ作法知さはふしらずぢゃ、おのれ
きつぱり跳ねつけるやうにきつく手をふつたが、それでもこの船がこの儘天国の港に船がかりするのだつたら、老人は皆を押退おしのけて、誰よりも先に埠頭はとばの土を踏んだに相違なかつた。
痩法師やせほうしが杖にすがって、珠数までみながら、ずッと寄ると——ついと退く。……端折はしょった白脛しらはぎを、卯の花に、はらはらと消し、真白まっしろい手を、って押退おしのけるようにしたのです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)