“おしの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押除40.0%
押退35.0%
推除5.0%
御凌5.0%
押載5.0%
拒退5.0%
推斥5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしはこの重みがうそであることを知っているから、押除おしのけると、身体中の汗が出た。しかしどこまでも言ってやる。
狂人日記 (新字新仮名) / 魯迅(著)
きつぱり跳ねつけるやうにきつく手をふつたが、それでもこの船がこの儘天国の港に船がかりするのだつたら、老人は皆を押退おしのけて、誰よりも先に埠頭はとばの土を踏んだに相違なかつた。
素鼠縮緬すねずみちりめん頭巾被づきんかぶれる婦人は樺色無地かばいろむじ絹臘虎きぬらつこ膝掛ひざかけ推除おしのけて、めよ、返せともだゆるを、なほ聴かで曳々えいえいき行くうしろより
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
差付けらるるを推除おしのくるはずみに、コップはもろくも蒲田の手をすべれば、莨盆たばこぼん火入ひいれあたりて発矢はつしと割れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
幸ひ小野田が後家の身の上をたのみければ君太夫も大坂者ゆゑ一しほ思ひり夫はさぞ御難儀なるべし片田舍かたゐなかなれども當分御凌おしのぎに淺草今戸の町へ御越おこしあれとて荷物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
伝馬町の獄門台へ豚尾とんびのついた梟首さらしくび押載おしのせてやるから待っておれ……何を魂消たまげたような顔でおれの面を見ている。
「御覧の通りです、他の人では有りません」と答えて無躾に戸に手を掛け引き開けて、殆ど権田を拒退おしのける様にして室の中に入り、「あ掛けさせて呉れ給え」と有り合わす椅子の上に腰を卸した。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
貫一は唯不思議の為体ていたらくあきれ惑ひてことばでず、やうやく泣ゐる彼を推斥おしのけんと為たれど、にかはの附きたるやうに取縋りつつ、益す泣いて泣いて止まず。涙の湿うるほひ単衣ひとへとほして、この難面つれなき人のはだへみぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)