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押除
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おしの
ふりがな文庫
“
押除
(
おしの
)” の例文
吾輩は、思わずその禿頭を平手で
押除
(
おしの
)
けた……と思ったが、気が付いた時には、楽屋の荒板の上に横たおしにタタキ付けられていた。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わたしはこの重みが
譃
(
うそ
)
であることを知っているから、
押除
(
おしの
)
けると、身体中の汗が出た。しかしどこまでも言ってやる。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
遮二無二
(
しゃにむに
)
に
噛
(
かじ
)
り付いてくる少年の
前額
(
おでこ
)
に
掌
(
て
)
をかけて、力任せに
押除
(
おしの
)
けようと
踠
(
もが
)
いているうちに、浅田の夢は破れて、
蚊帳
(
かや
)
を外した八畳の間にぽっかりと目を
覚
(
さま
)
した。
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
低く叫びながら、伊藤青年が博士を
押除
(
おしの
)
けて中へ跳込んだ。——正にみどり、妹のみどりが、狭い物置部屋の中に椅子へ堅く縛りつけられたうえ、無残に
猿轡
(
さるぐつわ
)
を噛まされていたのである。
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いわゆるニルヤカナヤの信仰が、その変化の前に栄え、オボツカクラの天中心思想は、おくれて入ってきてそれを
押除
(
おしの
)
けるに足らなかったことは、この一点からでも推測し得られるかと思う。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
家内は
取縋
(
とりすが
)
る妹の方をそこへ
押除
(
おしの
)
けるようにした。「あ、房ちゃんが復た
溝
(
どぶ
)
へ
陥落
(
おっこ
)
ちた」と言って顔を
顰
(
しか
)
めていると、お房は近所の娘に連れられながら、着物を泥だらけにして泣いてやって来た。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先生が蒼くなって、両手でお道さんを
押除
(
おしの
)
けながら
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金糸でややこしい刺繍の紋章を
綾取
(
あやど
)
った緋色の
帷帳
(
カーテン
)
がユラユラと動いたと思うとサッと左右に開いた。その中の
翡翠
(
ひすい
)
色の羽根布団を
押除
(
おしの
)
けて一つの驚くべき幻影がムクと起上った。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
押
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
除
常用漢字
小6
部首:⾩
10画
“押”で始まる語句
押
押入
押籠
押込
押立
押被
押付
押戴
押遣
押上