-
トップ
>
-
町々
>
-
まち/\
お
神樂囃子、
踊屋臺、
町々の
山車の
飾、つくりもの、
人形、いけ
花。
造花は、
櫻、
牡丹、
藤、つゝじ。いけ
花は、あやめ、
姫百合、
青楓。
陸の
方を
見ると、いつしか
我が
船は
港目近に
進んで、
桑港の
町々はつい
鼻の
先に
見える。
我等の
泊るべきフェアモント・ホテルは
高い
丘の
上に
突ツ
立つて
居る。
こんな
噂が、
市中いツぱいに
擴がつて、
町々は
火の
消えたやうに
靜かだ。
八
月廿日は
千束神社のまつりとて、
山車屋臺に
町々の
見得をはりて
土手をのぼりて
廓内までも
入込まんづ
勢ひ、
若者が
氣組み
思ひやるべし、
聞かぢりに
子供とて
由斷のなりがたき
此あたりのなれば
然ればその
頃は、
町々、
辻々を、
彼方からも、いなだ一
枚、
此方からも、いなだ一
枚。
夜が
更けると、
紅の
星の
流るゝやうに、
町々の
行燈、
辻の
萬燈、
横町の
提灯が、
一つ
消え、
二つ
消え、
次第に
暗く
更くるまゝに、やゝ
近き
町、
遠き
辻に、
近きは
低く、
遠きは
高く、
森あれば
森に
渡り
其の
邊の
公園に
廣き
池あり。
時よし、
風よしとて、
町々より
納涼の
人出で
集ふ。
童たち
酸漿提灯かざしもしつ。
水の
灯美しき
夜ありき。
汀に
小き
船を
浮べて、
水茶屋の
小奴莞爾やかに
竹棹を
構へたり。
このあたり
裏道を
掛けて、
松村、
小松、
松賀町——
松賀を
何も、
鶴賀と
横なまるには
及ばないが、
町々の
名もふさはしい、
小揚連中の
住居も
揃ひ、それ、
問屋向の
番頭、
手代、もうそれ
不心得なのが