“水溜:みずたま” の例文
“水溜:みずたま”を含む作品の著者(上位)作品数
原民喜3
吉川英治3
堀辰雄3
永井荷風2
ジュール・ルナール2
“水溜:みずたま”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 評論 エッセイ 随筆14.3%
文学 > フランス文学 > 小説 物語3.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と、彼は口の内でこんな事を云って、水溜みずたまりを飛越えたりして居った。それでもれは愉快な遊戯には相違なかった。
偽刑事 (新字新仮名) / 川田功(著)
ルピック夫人——その水溜みずたまりはなにさ。へっついがびしょびしょじゃないか。これで、綺麗きれいになるこったろう。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
門外の路には水溜みずたまりが出来、れた麦はうつむき、くぬぎならはまだ緑のしずくらして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
やがて、彼の夢想は、砂を混えたか細い流れのように、勾配こうばいがなくなると、水溜みずたまりの形で、止まり、そしてよどむ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
しかし、その瞬間しゅんかん、ぼくがつばをすると、それは落ちてから水溜みずたまりでもあったのでしょう。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
数時間のあいだ、上からはなぐるように降りつけられ、下は湿地と水溜みずたまりをこいで歩くのであった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
まず雌の家鴨が先に立って、両脚でびっこを引きながら、いつもの水溜みずたまりへ泥水を浴びに出かけて行く。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
校長は振り返って私を叱った。窓の外のポンプ井戸の水溜みずたまりで、何かカロカロ……鳴いていた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
いけ名付なづけるほどではないが、一坪余つぼあまりの自然しぜん水溜みずたまりに
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
近道をしようとして、私達があとさきの考えもなく飛び込んでいったところは、あちらこちらに自然に水溜みずたまりが出来ているような湿地にちかいものだった。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
伊織はときどき、そんな恐怖に襲われた。水溜みずたまりを見ると、自分の顔をうつして、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暗い足許あしもとには泥土質の土塊つちくれ水溜みずたまりがあって、歩きにくかったが、奥へ奥へと進んで行くと、向側の入口らしい仄明りが見えて来た。
死のなかの風景 (新字新仮名) / 原民喜(著)
丁度洪水の引いた跡にいつまでもあちこちに水溜みずたまりが残っているように、この村にはまだ何処どこということなしに悲劇的な雰囲気ふんいきが漂っていたのだ。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
その水は階段のすぐ足もとにかなりの大きさの水溜みずたまりを作つて、それから左右に分れて土の上を流れるのでしたが、そこはもう奔流といつてもいいくらゐの勢ひでした。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
幾度となく河床を変え、三日月なりの水溜みずたまりを置き去りにした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
「たしかこの裏だ。君江さん。草履だろう。水溜みずたまりがあるぜ。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そしてその村からの帰りに道路の水溜みずたまりのいびつにゆがんでいる上を、ぽいッと跳び越した瞬間の、その村の明るい春泥の色を、私は祖父の大きな肩の傾きと一緒に今も覚えている。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
自動車は吹き降りの中を、街道に沿ったきたない家々へ水溜みずたまりの水を何度もはねかえしながら、小さな村を通り過ぎ、それから或傾斜地に立った療養所の方へじのぼり出した。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
と、気ははやったが、武蔵がその時、河原の水溜みずたまりを跳びこえ、急にかなたへあゆみ出したため、遠方から声をかけては逃がすおそれがあると、あわてて同じ方角に向って堤の上を歩み出した。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火事場の跡のここは水溜みずたまりなのか。
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)
いたるところに水溜みずたまりがあった。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
たばになって倒れた卒塔婆そとばと共に青苔あおごけ斑点しみおおわれた墓石はかいしは、岸という限界さえくずれてしまった水溜みずたまりのような古池の中へ、幾個いくつとなくのめり込んでいる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それから、彼は庭を手入れして樹木を沢山に植え込み、池を掘って水溜みずたまりをこしらえ、又便所の位置が悪いと云ってそれを西日の当るような方角に向き変えました。これは家の中に蚊とはえとを発生させる手段だったのです。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
縦横たてよこに道は通ったが、段の下は、まだ苗代にならない水溜みずたまりの田と、荒れたはたけだから——農屋漁宿のうおくぎょしゅく、なお言えば商家の町も遠くはないが、ざわめく風の間には、海の音もおどろに寂しく響いている。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真っ白になった顔や手を、そこらの水溜みずたまりでせわしげに洗うと、刃物の付いた短い棒を小脇にして、あたかも風を呼んだ孫悟空が急な用達ようたしにでも出かける時のように、大川端から下谷方面へ、かかとを飛ばして駈け出しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間、私はすぐ目の前の工場の中できいきいと今にも歯の浮きそうな位きしっている機械の音だの、汗みどろになって大きな荷を運んでいる人々だの、ある事務所の入口近くにいつも出来ている水溜みずたまりの中に石油がにじのようにぎらぎら光っているのなどを
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)