大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きっと、これには事情があるのだろう。ただ心境の変化、電撃的翻意くらいで、そう易々と片付けられるものではあるまい。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
大事件が人の知らない間に案外易々と仕遂げられた例はこれまでにもしばしばあるので、検視の役人たちもその点にはさのみ疑いを置かなかった。
半七捕物帳:36 冬の金魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ところが、そういう訳だったから、私の小さな軽いボートが易々と安全に波に乗ってゆく有様は驚くべきものだった。
宝島:02 宝島 (新字新仮名) / ロバート・ルイス・スティーブンソン(著)
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ヘラクレスの十二の仕事は、わたしの隣人たちがくわだてているそれらにくらべると易々たるものである。前者は十二だけであって、やがて終わりになる。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン―― (新字新仮名) / ヘンリー・デイビッド・ソロー(著)
醜い家鴨の子 (新字新仮名) / ハンス・クリスチャン・アンデルセン(著)
いずくんぞ知らん、芥川はこの「つまり」を掴みたくて血まなこになって追いかけ追いかけ、はては、看護婦、子守娘にさえ易々とできる毒薬自殺をしてしまった。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。 (新字新仮名) / 太宰治(著)
『商売は儲かる』という人は、売上げから元値を引けば、後はそっくりそのまま利益として残るものとでも見るのであろうが、商売はそんなに易々とは行われていない。
一商人として:――所信と体験―― (新字新仮名) / 相馬愛蔵、相馬黒光(著)
紅い花 (新字新仮名) / フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン(著)
大体京都に都が定められたのは嵯峨天皇の御時であって、もう既に四百余年も経っているのであるから、何か特別の事情の無い限りはそう易々と都を改める等と云う事はあるべからざる事なのである。
易々と門を明けることは、勅命にもそむく事であり、と言って、年来、信仰して居ります山王様に弓矢をひいたとあっては、どのような罰を蒙ります事やら、弓矢の道も捨てねばならぬ次第ともなり
現代語訳 平家物語:01 第一巻 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
成功を信じていたとすれば、山際の無邪気さもいささかナンセンスであるが、しかし何よりフシギなのは、易々と強奪された三人のダンナ方である。
我が人生観:06 (六)日大ギャング (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「そう言えばそうですが、易々と御金蔵へ入るのは、係り役人の外には出来ないはずじゃございませんか」
銭形平次捕物控:096 忍術指南 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)