をれ)” の例文
昨夜さくやちらしおきたる苧幹をがら寸断ずた/\をれてあり、これひとさんじてのち諸神しよじんこゝにあつまりてをどり玉ふゆゑ、をがらをふみをり玉ふなりといひつたふ。
水底みづそこ缺擂鉢かけすりばち塵芥ちりあくた襤褸切ぼろぎれくぎをれなどは不殘のこらずかたちして、あをしほ滿々まん/\たゝへた溜池ためいけ小波さゝなみうへなるいへは、掃除さうぢをするでもなしにうつくしい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とり玄關げんくわん敷臺しきだい掃出はきだしながら如何に相手が青年にさいでも日がない故とぼけるにも餘程ほねをれたはへしかし五十兩の仕業しごとだからアノ位なる狂言きやうげんはせにや成舞なるまひと長庵はひとり微笑みつゝ居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大村兵庫はこみ上げて來る激怒に、前後を忘れて弓のをれを振り上げました。
六分強ろくぶづよなる色木いろきの弓のをれつゑにしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昨夜さくやちらしおきたる苧幹をがら寸断ずた/\をれてあり、これひとさんじてのち諸神しよじんこゝにあつまりてをどり玉ふゆゑ、をがらをふみをり玉ふなりといひつたふ。
ひろつてたのは雄鹿をじかつのをれやまふかければ千歳ちとせまつふるとく、伏苓ふくれうふものめいたが、なにべつに……尋常たゞえだをんなかひなぐらゐのほそさで、一尺いつしやく有余いうよなり
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二兩もらつたと云ふが兄の施主役せしゆやくより汝は坊主ばうずだけ佛に付てはほねをれる了源寺の似せ切手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雪につぶされざるため也。庭樹にはきは大小にしたがえだまぐべきはまげて縛束しばりつけ椙丸太すぎまるた又は竹をつゑとなしてえだつよからしむ。雪をれをいとへば也。冬草ふゆくさるゐ菰筵こもむしろを以おほつゝむ。
なぶるな。ひと生死いきしにあひだ彷徨さまよところを、玩弄おもちやにするのは残酷ざんこくだ。貴様きさまたちにもくぎをれほどなさけるなら、一思ひとおもひにころしてしまへ。さあ、引裂ひきさけ、片手かたてげ……」とはたとにらむ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なと力身りきんで見てもびく共せず二人の雲助嘲笑あざわらひイヤ強い旅人じや雲助は旅人にかたかさねば世渡りがならず酒手さかてほしさに手を出して親にも打れぬ胸板むないたをれるばかりにかれては今日から駄賃だちん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
湿気しめりけうしなへば糸をれる事あり。