なぐさみ)” の例文
それではたねあかしの手品てじな同樣どうやうなぐさみになりません、おねがひまをしましたのはこゝこと御新造樣ごしんぞさまひとうぞなんでもおをしへなさつてつかはさりまし。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
言葉ことばやさしく愛兒あいじ房々ふさ/″\せる頭髮かみのけたまのやうなるほゝをすりせて、餘念よねんもなく物語ものがたる、これが夫人ふじんめには、唯一ゆいいつなぐさみであらう。
これを作りてまづおのれ/\がかどたておく事五月ののぼりのあつかひなり。十五日にいたりてかの場所へもちゆき、左義長にかざして焼捨やきすつるを祝ひとしなぐさみとす。
木村常陸介を以御ことわり申候へば、我山にて、我なぐさみ候に、誰か禁じ候はんや、餘人とは替るべきよとの御返事也。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
左右は双方共四間に過ぎん。今吾輩の云った垣巡りと云う運動はこの垣の上を落ちないように一周するのである。これはやりそこなう事もままあるが、首尾よく行くとおなぐさみになる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
取返とりかえしの附かない、みじめな目に逢わせられている。悪霊どもと、裁判と云うことを敢てする、無情な人間とに身を委ねている。その間君は面白くもないなぐさみを己にさせて、己をぼかしていた。
うむ、おりゃ、近頃博愛主義になってな、同好の士にはみんな見せてやる事にした。あえてこのなぐさみ独擅どくせんにせんのじゃで、いたる処俺が例の観察を
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これを作りてまづおのれ/\がかどたておく事五月ののぼりのあつかひなり。十五日にいたりてかの場所へもちゆき、左義長にかざして焼捨やきすつるを祝ひとしなぐさみとす。
みんながさあ、これからがおなぐさみだと待っている。40
なぐさみにとのたまふにぞ、くるしき御伽おんとぎつとむるとおもひつも、いしみ、すなむる心地こゝちして、珍菜ちんさい佳肴かかうあぢはひく、やう/\に伴食しやうばんすれば、幼君えうくんいたきようたま
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それを歌だ、なぐさみだと云うのでございますからね。
商売にも障ります、こっちゃ何もなぐさみに置くお前じゃあない、お姫様もい加減にしておくが可いや、狂気きちがい
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もまだちない。かたち何處どこか、かげえない。かね氣短きみじかなのはつてる。こと御病氣ごびやうきなにかのおなぐさみらうものを、はやく、とおもふが見當みあたらない。蓑蟲みのむしこひしくまよつた。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おそる/\「御料理おんれうりくださるだん冥加みやうがあまさふらへども、此中このなかにてたまはるは、ひら御免ごめんくだされたし」とわびしげに申上まをしあぐれば、幼君えうくん、「なになぐさみなり、辭退じたいせず、其中そのなかにて相伴しやうばんせよ」とつてのおほせ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一家秘法の銀流ぎんながし、はい、やい、お立合のお方は御遠慮なく、お持合せのお煙管なり、おかんざしなり、これへ出しておためしなさいまし、目の前で銀にしておなぐさみに見せましょう、御遠慮には及びません。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
消えてしまいそうになってる処を、人に高見で見物されて、おもしろがられて、笑われて、なぐさみにされて、嬉しがられて、眼が血走って、髪が動いて、唇が破れた処で、口惜くやしい、口惜しい、口惜しい
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
えてしまいさうになつてるところを、ひと高見たかみ見物けんぶつされて、おもしろがられて、わらはれて、なぐさみにされて、うれしがられて、血走ちばしつて、かみうごいて、くちびるやぶれたところで、口惜くやしい、口惜くやしい、口惜くやしい
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「変ったおなぐさみだね、よくそして見付けますなあ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なに面白かったんだ、面白いといやあなぐさみだ。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)