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幽
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ゆう
ふりがな文庫
“
幽
(
ゆう
)” の例文
風琴
(
ふうきん
)
楽を和して
幽
(
ゆう
)
なる処のみ神の教会ならざるを知れり、孝子家計の貧を補わんがために寒夜に物を
鬻
(
ひさ
)
ぐ処これ神の教会ならずや
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
転じて大阪(中の島)の監獄に
幽
(
ゆう
)
せらるるや、国事犯者として、普通の罪人よりも優待せられ、未決中は、
伝告者
(
でんこくしゃ
)
即ち女監の頭領となりて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
そんな
面倒
(
めんどう
)
な
手続
(
てつづき
)
を
踏
(
ふ
)
んであってさえも、
幽
(
ゆう
)
から
顕
(
けん
)
に、
肉体
(
にくたい
)
のないものから
肉体
(
にくたい
)
のあるものに、
移
(
うつ
)
り
変
(
かわ
)
るには、
実
(
じつ
)
に
容易
(
ようい
)
ならざる
御苦心
(
ごくしん
)
と
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
木像、
神
(
しん
)
あるなり。神なけれども霊あって来り
憑
(
よ
)
る。山深く、里
幽
(
ゆう
)
に、堂宇
廃頽
(
はいたい
)
して、いよいよ活けるがごとくしかるなり。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一つ 親王の
御罰
(
ぎょばつ
)
は、ひとえに宮の
驕
(
おご
)
りをこらす
聖衷
(
せいちゅう
)
に存するを、
私怨
(
しえん
)
をふくんで、これを
囹圄
(
れいご
)
に
幽
(
ゆう
)
す。罪の七。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
山茶花はすこし
幽
(
ゆう
)
にさびしすぎますが、白の大輪で八重なのが、ありしお姿をしのばせるかとも思います。
大塚楠緒子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
幕府方には尊王攘夷説の根源を断つために京都の主上を
幽
(
ゆう
)
し奉ろうとする大きな野心がある。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
呼べば
谺
(
こだま
)
は返せども、雲は
幽
(
ゆう
)
にして彼は
応
(
こた
)
へず。
歯咬
(
はがみ
)
を
作
(
な
)
して貫一は後を追ひぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
日蔭
(
ひかげ
)
幽
(
ゆう
)
に笑む白い花もあわれ、曇り日に見る花の
和
(
やわら
)
かに落ちついた色も好いが、真夏の
赫々
(
かくかく
)
たる烈日を存分受けて精一ぱい照りかえす花の色彩の美は何とも云えぬ。彼は色が大好きである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
無礼な挙動を
振舞
(
ふるま
)
って得意がるが、これは表は善で、裏は悪なりという前提に
捉
(
とら
)
われたるより起こる誤解であって、
幽明
(
ゆうめい
)
の区別を論ずる者が、
幽
(
ゆう
)
とか
暗
(
あん
)
とか称すれば、それだけで悪感をいだき
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
うつや
鉦皷
(
しやうこ
)
の
律
(
りつ
)
幽
(
ゆう
)
に
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
現
(
げん
)
と
幽
(
ゆう
)
とに
分
(
わか
)
れて
居
(
お
)
りましても、
人情
(
にんじょう
)
にかわりはなく、
先方
(
せんぽう
)
で
熱心
(
ねっしん
)
ならこちらでもツイその
真心
(
まごころ
)
にほだされるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
丁々坊は熊手をあつかい、
巫女
(
みこ
)
は手綱を
捌
(
さば
)
きつつ——
大空
(
おおぞら
)
に、
笙
(
しょう
)
、
篳篥
(
ひちりき
)
、
幽
(
ゆう
)
なる
楽
(
がく
)
。
奥殿
(
おくでん
)
に再び雪ふる。まきおろして
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ほかの
女御
(
にょご
)
たちの御消息は絶えてない。いずれはみな他家に
幽
(
ゆう
)
せられておわそうが、何とか共にここの
御座
(
ぎょざ
)
に
侍
(
はべ
)
って、お
上
(
うえ
)
の憂さをおなぐさめするようには計ろうてもらえぬか
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木像
(
もくざう
)
、
神
(
しん
)
あるなり。
神
(
しん
)
なけれども
霊
(
れい
)
あつて
来
(
きた
)
り
憑
(
よ
)
る。
山深
(
やまふか
)
く、
里
(
さと
)
幽
(
ゆう
)
に、
堂宇
(
だうう
)
廃頽
(
はいたい
)
して、
愈
(
いよ/\
)
活
(
い
)
けるが
如
(
ごと
)
く
然
(
しか
)
る
也
(
なり
)
。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ
竜神
(
りゅうじん
)
はどこまでもこちらの
世界
(
せかい
)
の
者
(
もの
)
、
人間
(
にんげん
)
は
地
(
ち
)
の
世界
(
せかい
)
の
者
(
もの
)
であるから、
幽
(
ゆう
)
から
顕
(
けん
)
への
移
(
うつ
)
りかわりの
仕事
(
しごと
)
はまことに
困難
(
こんなん
)
で、
長
(
なが
)
い
長
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
を
経
(
へ
)
て
漸
(
ようや
)
くのことでモノになったのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
林泉、
市
(
いち
)
ニ近ク、
幽
(
ゆう
)
、
更
(
さら
)
ニ幽
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
六十
余州
(
よしう
)
往来
(
わうらい
)
する
魔物
(
まもの
)
の
風流
(
ふうりう
)
思
(
おも
)
ふべく、はた
是
(
これ
)
あるがために、
闇川橋
(
やみがはばし
)
のあたり、
山
(
やま
)
聳
(
そび
)
え、
花
(
はな
)
深
(
ふか
)
く、
路
(
みち
)
幽
(
ゆう
)
に、
水
(
みづ
)
疾
(
はや
)
き
風情
(
ふぜい
)
見
(
み
)
るが
如
(
ごと
)
く、
且
(
か
)
つ
能楽
(
のうがく
)
に
於
(
お
)
ける、
前
(
まへ
)
シテと
云
(
い
)
ふ
段取
(
だんどり
)
にも
成
(
な
)
る。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幽
常用漢字
中学
部首:⼳
9画
“幽”を含む語句
幽暗
幽寂
幽閉
幽界
幽邃
幽霊
幽鬱
幽咽
幽冥
探幽
幽明
幽囚
深山幽谷
幽玄
幽霊船
幽鬼
幽魂
幽静
幽遠
幽微
...