“干戈:かんか” の例文
“干戈:かんか”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治5
福沢諭吉3
坂口安吾2
島崎藤村2
幸田露伴2
“干戈:かんか”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 倫理学・道徳 > 社会倫理[社会道徳]100.0%
社会科学 > 法律 > 法律12.5%
社会科学 > 教育 > 教育学・教育思想7.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
宗教類似の信仰に夢中になって家族を泣かせるおやじもあれば、あるいは干戈かんかを動かして悔いない王者もあったようである。
コーヒー哲学序説 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これまで合衆国他邦と会盟いたし候儀もこれあり候えども、右は干戈かんかを用い候儀はこれなく、条約をもって相結び候事に御座候。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
国と国との間には干戈かんかを交える真の戦争のほかに、つねに平和の戦争なるものがあって、これにければやはり国は衰える。
教育と迷信 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
津田も前身は旧幕臣で、維新当時は干戈かんかの間に榎本と進退をともにした間柄、いわば生死をともにした莫逆である。
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
そのころはまかり越し候もの売買をいたし、宗門をひろめ、その上、干戈かんかをもって日本を横領する内々の所存にて参りし儀と存じ候。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし聡明な徳川慶喜は、惰弱に慣れた旗本を以て、慓悍な薩長二藩の兵と、干戈かんかを交えるということの、不得策であることを察していた。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また一度、奉天で我軍と、その敗残兵との間に干戈かんかを交えんか、惧るべき市街戦となって、奉天在住の日本人はどんな目に遭うかわからない。
私が張作霖を殺した (新字新仮名) / 河本大作(著)
つぎに人争につきては、これに有形的と無形的との二種ありて、有形的戦争とは、兵器干戈かんかをもって相争うものにして、普通にいわゆる戦争これなり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
その時にはこれを奇貨きかとしてひそかにその人を厚遇こうぐうすれども、干戈かんかすでにおさまりて戦勝の主領が社会の秩序ちつじょを重んじ
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
また、戦国の世にはすべて武人多くして、出家の僧侶にいたるまでも干戈かんかを事としたるは、叡山えいざん三井寺みいでら等の古史に徴して知るべし。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
惟任光秀これとうみつひでを始め、ここは干戈かんかを用うるべからずと、説く者も二、三ある。そちと同意見だが、しかし使いには、余人を向けてもよい」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幻詭猥雑げんきわいざつの談に、干戈かんか弓馬の事をはさみ、慷慨こうがい節義のだんに、神仙縹緲しんせんひょうびょうしゅまじゆ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
政宗が陳弁は此等諸方面との取合いの起った事情を明白に述べて、武門の意気地、弓箭の手前、むに已まれず干戈かんかを執ったことを云立てて屈しなかった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
相互、誓紙をかわし、神文しんもんに誓って、干戈かんかおさめたのだ。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十に余る大国はそれぞれ相結び相闘って干戈かんかの止む時が無い。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
諸王世子せいしをして書を持し燕に勧め、干戈かんかめ、親戚しんせきあつうしたまえ、然らずんば臣おもえらく十年を待たずして必ず噬臍ぜいせいくいあらん
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ほ。左様なお下知を、どうしてお下しになりましたか。永禄の元年、互いに、爾後じご干戈かんかを交えまいと、神文しんもんを交わし、約定を取結んである御両家のあいだがらなるに」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よく聞け。——この護良もりなが還俗げんぞくして、仏手ぶっしゅ干戈かんかを取ったのは、遊戯ではないのだぞ。そのほうらにも、父のきみにも、いっこうわけの分らんところがある」
尾張は織田信雄のぶかつ、三河駿河遠江は家康の所領で、この両名は秀吉と干戈かんかを交へた敵手であり、現在は秀吉の麾下きかに属してゐるが、いつ異心を現すか、天下万人の風説であり、関心だ。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
尾張は織田信雄のぶかつ、三河駿河遠江は家康の所領で、この両名は秀吉と干戈かんかを交へた敵手であり、現在は秀吉の麾下きかに属してゐるが、いつ異心を現すか、天下万人の風説であり、関心だ。
黒田如水 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
干戈かんか満目まんもくこもごもふる
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
春来しゅんらい、国事多端、ついに干戈かんかを動かすにいたり、帷幄いあくの士は内に焦慮し、干役かんえきの兵は外に曝骨ばっこつし、人情にんじょう恟々きょうきょう、ひいて今日にいたる。
中元祝酒の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
日頃懇意の友情こまやかなる中ならば、干戈かんか弓鉄砲の地へ踏込む前に当って、床の間の花、釜の沸音にえおと、物静かなる草堂の中で風流にくつろぎ語るのは、趣も深く味も遠く、何という楽しくも亦嬉しいことであろう。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この兄弟は国を愛すること熱烈で、周の武王が木像を載せて文王と称し、主君のちゅうを討つ時、彼らは父が死んでほうむらぬ間に干戈かんかを起すは孝行でなく、臣が君をしいするは仁でないといって武王をいさめたが用いられなかった。
真の愛国心 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いにしえから観るに、きわまれば乱を生じ、乱きわまるとき治に入ること、申すもおろかでありますが、現代はいかにというに、光武の治より今にいたるまで二百余年、平和をつづけて、近頃ようやく、地に干戈かんかの音、雲に戦鼓せんこの響き
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されど我藩の如きは、聊かも朝廷に対して異心あるのでなく、薩長等がみだりに徳川家を排斥し、横暴を極めると見るのみで、今日でいわば政党の圧轢と何の変りもないのであるが、口頭の宣伝や弁論とちがい干戈かんかを以て互に応ぜねばならぬのだから面倒だ。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
もし支那が外国と干戈かんかを交えた時には軍医として出征し、新しい支那の建設のため骨身を惜しまず働こう、とここに自分の生涯の進路がはじめて具体的に確定せられたわけであったが、ひるがえって、自分の周囲を見渡すと、富士山の形にとがった制帽であり
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
甲斐かいの武田信玄は、小田原の北条氏政にとっては、母の弟にあたるので、この叔父は、天文十六年の冬以来、越後の上杉謙信と干戈かんかを交え始めてから、互いにその領土を侵したり侵されたりしつつ、幾度か川中島に両軍から出張って雌雄を決しようとしたり
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを個人の間において言うも、相互間の親密を増進し、意志の疏通そつうを計るがために、先ず人を殴打するということのあるべき道理は決してない。国際間においても干戈かんかを以て立つということは、既に平和の破壊であって、正義人道とは全く矛盾した行動である。
何故の出兵か (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
百有余歳以前の武士、大名、高家こうけといわるるも、みな干戈かんかを枕とし甲冑かっちゅうを寝巻にし、寒夜も山野に起臥きがし暑日も道路に奔走し、酒肴しゅこうに飽くこともなく朝夕雑飯に糠汁にてくらし、一生身体を労苦し、はては畳の上の死まれなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
さて彼女が夫をれ去らんとするに臨み、侯呼び還して、今後また汝の夫が干戈かんかを執ってわが軍に向わばどう処分すべきやと尋ねると、女大いにせき込んで「眼も鼻も手足もわが夫の物なれば罪相応に取り去られよ、夫の身にありながら妾の専有たる大事の物は必ず残してくだされ」と
しかるに、後に至ってエリザベスの子孫が、この相続権を争ったのがそもそもこの訴訟の始りで、後には法廷の弁論のみではあき足らずして、干戈かんかに訴えるという大騒動となり、一四六九年には、双方各々五百人ばかりの勢をひきいてニブレー・グリーン(Nibley Green)の野に戦った。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
しかるに非徳の自分が京都にあるためその禍根をかもしたとは思わずに、かえって干戈かんかを動かし、自分を敵視するものをつとあっては、ただただそれは宸衷しんちゅうを驚かし奉り万民を困苦せしむる罪を重ぬるのみであって、一つとして義理に当たるものはなく、忠貞の素志もそのためにむなしくなろう。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かつ阿媽港あまこう呂宋ルソンを征せんと欲し、「図南の鵬翼ほうよくいずれの時にか奮わん、久しく待つ扶揺万里の風」と歌いたる独眼政宗も、今は「四十年前少壮の時、功名いささひそかに期する有り。老来らず干戈かんかの事、ただる春風桃李のさかずき」と独語せしむるに到りぬ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかし、外には兵革に敗れ、内には賢臣みな誅せられ、あげくの果て、世嗣せいしの位置をめぐって骨肉たがいに干戈かんかをもてあそび、人民は嘆き、兵は怨嗟えんさを放つの有様、天も憎しみ給うか、昨年来、飢餓蝗害こうがいの災厄も加わって、いまや昔日の金城湯池きんじょうとうちも、帯甲たいこう百万も、秋風に見舞われて、明日も知れぬ暗雲の下におののき慄えているところです。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)