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其下
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そのした
貝層は
極めて
淺いが、
其下に
燒土の
層が
有つて、
其中に
少からず
破片がある。
幻翁の
言に
由ると、
香爐形の
出た
層と
同一だといふ。
代助は始めて
洋燈を書斎に入れさして、
其下で、状袋の封を
切つた。手紙は梅子から自分に
宛てた可なり長いものであつた。——
是より一行又
河を
溯り、
日暮れて
河岸に
露泊す、此日や白樺の樹皮を
剥ぎ来りて之を数本の竹上に
挿み、火を
点ずれば其明
宛ながら
電気灯の如し、鹽原君
其下に在りて
さうして
根府川の
一村落は
崖上の
數戸を
殘して、
五百の
村民と
共に
其下に
埋沒されてしまつた。
他の
壁には
春画めいた
人物画の
額がかゝつて、
其下の
花瓶には
黄色の
夏菊がさしてある。
家造りが大抵
歩廊を備へて居るから
其下を歩めば日光や
驟雨が避けられる。
第三の石門には、扉のような大きな
扁平い岩が立て掛けてあって、
其下の裂目から
蝦蟆のように身を
縮めて
潜り込むのである。二人は
兎も
角も
此の石門を這い抜けて、更に暗い
冷い
石室に入った。
そこである人が北海道から
採つて
来たと云つて呉れたリリー、オフ、ゼ、ヷレーの
束を
解いて、それを悉く
水の
中に
浸して、
其下に
寐たのである。
困難の
度は
実に水量と反比例をなし
来る
進むこと一里にして両岸の岩壁
屏風の
如く、河は
激して
瀑布となり、
其下凹みて
深淵をなす、衆佇立
相盻みて
愕然一歩も
進むを得ず
それでは
其棄權した
跡を
讓受けやうとて、
掘り
掛けると、なる
程、
貝層は五六
寸にして
盡きる。が、
其下の
土の
具合が
未だシキとも
見えぬので、
根氣好く
掘下げて
見ると、
又新しき
貝層がある。
石の
自由になる
所だけに、
比較的大きなのが
座敷の
眞正面に
据ゑてあつた。
其下には
涼しさうな
苔がいくらでも
生えた。
彼の
襟の
白かつた
如く、
彼の
洋袴の
裾が
奇麗に
折り
返されてゐた
如く、
其下から
見える
彼の
靴足袋が
模樣入のカシミヤであつた
如く、
彼の
頭は
華奢な
世間向きであつた。
然し
骨董と
名のつく
程のものは、
一つもない
樣であつた。ひとり
何とも
知れぬ
大きな
龜の
甲が、
眞向に
釣るしてあつて、
其下から
長い
黄ばんだ
拂子が
尻尾の
樣に
出てゐた。