トップ
>
仕出来
>
しでか
ふりがな文庫
“
仕出来
(
しでか
)” の例文
旧字:
仕出來
倅がこんなことを
仕出来
(
しでか
)
す筈がない——という自分の考えに合槌がうってもらいたい——そうした欲求がむらむらっと起って来た。
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
今の話の様子じゃあ、それから又いろいろな面倒が起って、若いおふくろまでがなんぞの間違いでも
仕出来
(
しでか
)
さねえとも限らねえ。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
決して裁判所の威厳や警察の威信に係わるような事は毛頭
仕出来
(
しでか
)
さない。自分が出れば円満にみなが好いように解決を見る考えでいます。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
長い準備時代を終って十日とたゝない中に一生涯の運命を片付けてしまった。問題はもう一人の堀尾君だ。この男が
種々
(
いろいろ
)
のことを
仕出来
(
しでか
)
す。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それに、いくら怪賊にもせよ。何の利害関係もない大使に、御迷惑を及ぼす様なことを
仕出来
(
しでか
)
す気遣いもあるまいではないか
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
もしこの上に進歩して行たならば日本はどんなことを
仕出来
(
しでか
)
すかも知れない。何処の国でも恐らくは日本の将来を恐れて居らぬ者はなからう。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「どうですかね。安心して私に委せておけないような人達ですからね。何を
仕出来
(
しでか
)
すかと思って、
可怕
(
おっかな
)
いでしょう」お島は
可笑
(
おか
)
しそうに笑った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
出入りを差止められるようなことを
仕出来
(
しでか
)
したのも、原因は妙子にあると云う意味を、非常に
婉曲
(
えんきょく
)
にではあったが、だんだん
仄
(
ほの
)
めかすようにした。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
早く妻子に死別れて
独身生活
(
ひとりぐらし
)
をして居た自分の伯父の一人が、窮迫の余り人と共に何か法網に触るる事を
仕出来
(
しでか
)
したとかで、狐森一番戸に転宅した。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
十六の年から思ふ事があつて、生れも賤しい身であつたれど一念に修業して六十にあまるまで
仕出来
(
しでか
)
したる事なく
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「なにしろ頼む」と、宋江はくれぐれ朱貴に
嘱
(
しょく
)
した。「よもやわしとの約束は破るまいが、なにせい、あの
奴
(
やっこ
)
さん、なにを
仕出来
(
しでか
)
すかわからんからな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ兵卒の服を着ているところを見ると、戦線に出てから何か失策を
仕出来
(
しでか
)
したために進級が遅れたものらしい。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何か
仕出来
(
しでか
)
しはしないかと注意していたんです。若し苅田の方に気がついていたら、子爵をお救いする事が出来たでしょうに、……それを思うと残念です
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
或はまた、女に振られた男が失望のあまり
仕出来
(
しでか
)
したことであるかもしれない。よって警察はウォーカーの家に出入した男女の取調べにかかったのである。
恐ろしき贈物
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
いっそあの時死んだら此のような苦労は致すまじきに、皆々様に余計な心配を掛けまして、飛んだことを
仕出来
(
しでか
)
しましたなア、
併
(
しか
)
しこれも男の
役
(
やく
)
か知らんて
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
長い一生を
振
(
ふ
)
り
顧
(
かへ
)
つてみても、何一つ碌な事は
仕出来
(
しでか
)
してゐないので、この頃では
他
(
ひと
)
と話す時には、いつもパアシング将軍の舅を自慢する事に決めてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其れには安達君の
直話
(
じきわ
)
として、
苟
(
いやしく
)
も書を読み
理義
(
りぎ
)
を解する者が、此様な事を
仕出来
(
しでか
)
して、と恥じて話して居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「俺が行って追返してやろう。よし追返されないまでも、惣治の傍に置いてはよくない。ろくなことを
仕出来
(
しでか
)
しゃしない。とにかくどんな様子か見てきてやれ」
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
あんまり
穏和
(
おとな
)
しすぎるので、もうちつと
悪戯
(
いたづら
)
をしてくれればよいと思つてゐる位の栄蔵が、そんな大それたことを
仕出来
(
しでか
)
したといふのは、わけが解らなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
だからわしは行く先々で話の種になるような事を
仕出来
(
しでか
)
したのじゃ。大したこともせなんだが——壁を汚したり、密柑をひっくりかえしたり、窓をこわしたりしましたじゃ。
青玉の十字架
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
老込んだ証拠には、近頃は少し暇だと直ぐ過去を
憶出
(
おもいだ
)
す。いや
憶出
(
おもいだ
)
しても一向
憶出
(
おもいだ
)
し
栄
(
ばえ
)
のせぬ過去で、何一つ
仕出来
(
しでか
)
した事もない、どころじゃない、皆碌でもない事ばかりだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
この節
暇
(
ひま
)
なものですから内職にそんな事をします。百姓が農業の
間
(
あいだ
)
に慣れぬ事をするから、少し浪風があると毎度大きな間違いを
仕出来
(
しでか
)
しますと云うのを
聞
(
きい
)
て、実に怖かった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「道鬼奴、偉いことを
仕出来
(
しでか
)
したな。きゃつの計画の戦車さえ、思う通りに出来上がったら、天下に恐ろしいものはない。謙信ごとき
木葉微塵
(
こっぱみじん
)
だ。どれどれそれでは行って見よう」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
由良という人のそこが堅いところで、いくら可愛い弟子でも、いくらその人間が
仕出来
(
しでか
)
しても、だからといってそれだけのまだ貫禄もないものに決してそんな
依怙
(
えこ
)
の沙汰はしなかった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
唯、親としてのシメシがつかない。
真実
(
ほんとう
)
に吾子の前では一言もないようなことばかり
仕出来
(
しでか
)
したんですからね。旦那も今ではすっかり後悔なすって、ああして
何事
(
なんに
)
も言わずに働いてる。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
さまでの
苦患
(
くげん
)
ではないやうにおもはれては日の暮れつくすまで遊んでしまひ、人力車へと乗せられたのち、はじめて取返しの付かないことでも
仕出来
(
しでか
)
したかのやうに悔恨するのが常であつた。
異版 浅草灯籠
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
お倉は手前の様な亭主に満足する女じゃ無い、今に見ろ何か間違いを
仕出来
(
しでか
)
すからとか其様な事ばかり言て居ました、
爾々
(
そう/\
)
夫ばかりでは有りませんよ昨年も老人とお倉さんと喧嘩をした事が有ます
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
なんで、これがお
詫
(
わび
)
せいでおられましょう。
愚
(
ぐ
)
なおこのが、いらぬことを
仕出来
(
しでか
)
しました
心
(
こころ
)
なさからお
師匠
(
ししょう
)
さんに、このようないやな
思
(
おも
)
いをおさせ
申
(
もう
)
しました。
堺屋
(
さかいや
)
、
穴
(
あな
)
があったら
這入
(
はい
)
りとうおます
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
這奴
(
しゃつ
)
、
窓硝子
(
まどがらす
)
の
小春日
(
こはるび
)
の
日向
(
ひなた
)
にしろじろと、
光沢
(
つや
)
を
漾
(
ただよ
)
わして、怪しく光って、ト構えた
体
(
てい
)
が、何事をか
企謀
(
たくら
)
んでいそうで、その
企謀
(
たくらみ
)
の整うと同時に、
驚破
(
すわ
)
事を、
仕出来
(
しでか
)
しそうでならなかったのである。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われにもない、愚事のかぎりを
仕出来
(
しでか
)
してしまふ。
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
とうとうこんな騒ぎを
仕出来
(
しでか
)
したんですが、だんだん調べてみると、こいつは
女形
(
おんながた
)
で八百屋お七を出し物にしていたんです。
半七捕物帳:06 半鐘の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三年か四年の頃、僕は何か
仕出来
(
しでか
)
して、毎日留め置きを食った。東金君は同情して、家へ帰らない。夕方まで必ず教室の窓下に立って待っていた。
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
然るに京王電鉄は、一方
先棒
(
さきぼう
)
の村内有力者某々等をして頗る猛烈に運動せしむると共に、一方田夫野人何事をか
仕出来
(
しでか
)
さんと
高
(
たか
)
を
括
(
くく
)
って
高圧的
(
こうあつてき
)
手段
(
しゅだん
)
に出た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
支那人に一弗半の持合せがあつたら、屹度天国をでも払ひ下げるやうな素晴しい事を
仕出来
(
しでか
)
すに相違ない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そういう
閃
(
ひら
)
めきと、いや
謀叛人
(
むほんにん
)
はあのきんか頭である。明智ほどな者が、かかることを
仕出来
(
しでか
)
すからには、水も漏らさぬ用意の上であろう。所詮は覚悟のときか。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
精神病者が一たん言い出した以上、その希望をかなえてやらねばどんなことを
仕出来
(
しでか
)
すかわからない。
二重人格者
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
私
(
わたくし
)
は
他事
(
ひとごと
)
とは云いながら、命の恩人の
敵
(
かたき
)
、すぐに飛びかゝろうかと思いましたが、先は剣術
遣
(
つか
)
い、女の
痩腕
(
やせうで
)
でなまじいな事を
仕出来
(
しでか
)
して取逃すような事がありましては
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もちろん
容貌
(
ようぼう
)
と淑徳とは別であったが、過去は過去として、後に葉子が
仕出来
(
しでか
)
したさまざまの事件にぶつかるまでは、庸三の魂もその若い肉体美の発散に全く酔いしれていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
のみならず、その結果スッカリ
憂鬱
(
ゆううつ
)
になってしまった私は、トウトウ皆をビックリさせるような事を
仕出来
(
しでか
)
してしまいました。……つまり何となく石狩川の上流に行ってみたい。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さすがにこいさんはいろいろなことを
仕出来
(
しでか
)
すだけあって、あたしなどには
真似
(
まね
)
の出来ないところがあると、貞之助に云っていたのであるが、あれはたしか七月の中旬のことであった
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
実に自分は
親戚
(
しんせき
)
にも友人にも相談の出来ないような罪の深いことを
仕出来
(
しでか
)
し、
無垢
(
むく
)
な
処女
(
おとめ
)
の一生を過り、そのために自分も
曾
(
かつ
)
て経験したことの無いような深刻な思を経験したと書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何だってあんなことを
仕出来
(
しでか
)
したのか、自分にもまるで合点がゆかぬ。
ピストルの蠱惑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
何か飛んでもない間違いを
仕出来
(
しでか
)
した感じで、ハッとうろたえたけれど、よくよく考えて見れば、
一途
(
いちず
)
に附文だと思い込んだのが彼の誤りで、さっきの若者は、多分スリででもあったのか、そして
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「面目次第もないことを
仕出来
(
しでか
)
しまして」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
仕出来
(
しでか
)
した、さればこそはじめた。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仕出来
(
しでか
)
して、あいつも可哀そうですけれど、奥さんは猶更お可哀そうですよ。奥さんは全くなんにも御存じないんですから。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
菊太郎君も重かったそうだが、これは自分で
仕出来
(
しでか
)
したのだから仕方がない。それから四つの時に
痲疹
(
はしか
)
をやった。これも菊太郎君のが移ったのである。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
例の
黒旋風
(
こくせんぷう
)
李逵
(
りき
)
である。——
李逵
(
りき
)
などは無用な相棒、ヘマは
仕出来
(
しでか
)
しても、ろくな
足
(
た
)
しにはならぬと退けられたのだが——
事件
(
こと
)
の起りは自分が
殷直閣
(
いんちょっかく
)
を殺したことにある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若しや自分との約束にそむいて留置場を逃げ出すようなことを
仕出来
(
しでか
)
しはしなかったか。こう思うと、康雄は何だか不安な心持ちになった。一刻も早く彼女の顔が見たくなった。
好色破邪顕正
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
成金の令嬢か
新造
(
しんぞ
)
の着る様な金目のものを取寄せて、思いきったけばけばしい
身装
(
なり
)
をして、
劈頭
(
のっけ
)
に姉を訪ねたとき、彼女は一調子かわったお島が、何を
仕出来
(
しでか
)
すかと恐れの目を
睜
(
みは
)
った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“仕出”で始まる語句
仕出
仕出屋
仕出來