“賽銭箱:さいせんばこ” の例文
“賽銭箱:さいせんばこ”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂4
吉川英治3
泉鏡花3
田山花袋2
新美南吉2
“賽銭箱:さいせんばこ”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究4.5%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 民間信仰・迷信[俗信]4.0%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸3.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と云う、提灯の柄が賽銭箱さいせんばこについて、くだんの青狐の像と、しなった背中合せにお町は老人の右へく。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ここに賽銭箱さいせんばこみたいなものが、こいつを動かして、その床下へ隠しこんでおいたら、たれも気がつくものはありはしまい」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無事に一日を過して、念のためにその辺中を探してみると、本堂の賽銭箱さいせんばこの側に、紙に包んだおひねりが一つありました。
それから彼は、賽銭箱さいせんばこの中から破れ靴をだして足につっかけズボンをひとゆすり、ゆすりあげてから、悠々と石段を下りていった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
格子の前の長さ一丈余もある賽銭箱さいせんばこへ、絶間たえまもなくばらばら落ちるお賽銭は雨の降るようです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
賽銭箱さいせんばこを置き、この家へはいり、「火を借用申したし」と言い入るうちに、六十ばかりの老人一人ありて
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
それでも参詣人の石畳を歩く音、賽銭箱さいせんばこに小銭の当る音までが、遠く離れた辺りへ幽かに聞えて来るのも流石さすがに秋らしい。
六日月 (新字新仮名) / 岩本素白(著)
「下手な道中稼ぎなんぞするよりや、棒つ切の先へとりもちをつけの、子供と一しよに賽銭箱さいせんばこのびた銭でもくすねてゐりや好い。」
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
仁三郎は全くの一人者で、金も係累も、人に怨みを買う覚えもなく、その上、賽銭箱さいせんばこが無事で、取られた物といっては、拝殿の鈴だけ。
沢庵は取って、本堂の前へ歩いて行った。そして、賽銭箱さいせんばこの中へほうり込もうとしかけたが、その金をひたいに当てて拝んだ後、
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地蔵じぞうさんもなにもないのに、なんでこんなとこに賽銭箱さいせんばこがあるのじゃろ。」そしておばあさんはってしまいました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
社殿は古びた清素な建築で、賽銭箱さいせんばこの上につるした大きな鈴も黒ずんでいました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
二人は立つて本堂へいつた。和尚をしようさんは御灯みあかしを仏様にあげると、その前の座についた。栄蔵は賽銭箱さいせんばこの前の冷い畳の上に坐つた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
すると一心いつしんとほりましてか、満願まんぐわんの日に梅喜ばいきは疲れ果てゝ賽銭箱さいせんばこそば打倒ぶつたふれてしまふうち
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ふと気が付いてふところを探り紙包みのまま櫛二枚を賽銭箱さいせんばこの上に置き
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「まさか、賽銭箱さいせんばこの下が、こんなからくりになっていようとは思わない」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たびひとや、まちへゆくひとは、しんたのむねのした椿つばきに、賽銭箱さいせんばこのようなものがるされてあるのをました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
鼠色ねずみいろに洗い出された賽銭箱さいせんばこの上に、大きな鈴のひもがぶら下がって昼間見ると、その鈴のそば八幡宮はちまんぐうと云う額がかかっている。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
賽銭箱さいせんばこわきを通って、格子戸に及腰およびごし
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薬師やくしさまより観音くわんおんさまのはう工面くめんいと見えてお賽銭箱さいせんばこが大きい……南無大慈大悲なむだいじだいひ観世音菩薩くわんぜおんぼさつ
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつの間にか、お賽銭箱さいせんばこが鎧櫃にかわっている。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
役人の見える前に、平次は忙しく四方を探しましたが、賽銭箱さいせんばこの上に下がっている大きな鈴と、その鈴に付いた紅白の鈴の緒が千切り取られているほかには、何の変ったところもありません。
香炉、燈明皿とうみょうざら、燭台、花瓶、木刻金色もっこくこんじきの蓮華をはじめ、須弥壇しゅみだん、経机、賽銭箱さいせんばこなどの金具が、名の知れぬ昆虫のように輝いて、その数々の仏具の間に
死体蝋燭 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
こんなことを言つて、軽々とその棺を持つて、さながら小さな荷物でも運ぶやうにして、本堂の前の木階もくかい——それはひどく壊れた木階を上つて、賽銭箱さいせんばこの向うに置いてある棺台の上に置いた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
……わざとお賽銭箱さいせんばこを置いて、宝珠の玉……違った、それはお稲荷様いなりさま、と思っているうちに、こんな風に傘をさして、ちらちらと、藤の花だか、鷺だかの娘になって、踊ったこともあったっけ。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兄弟子は良寛さんがいつてしまふと、急いで御堂みだうの方へまはり、賽銭箱さいせんばこに手をかけた。あつちへごてん、こつちへごてんと賽銭箱はころがされた。そのたびに、中でぢやらぢやらと銭が声を立てた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
赤い鳥居が十基ばかり、その奥に一間四方ほどの堂があって、格子の前には、元大きな拝殿はいでんの前にあったという、幅三尺に長さ六尺、深さ三尺五寸もあろうという法外に大きな賽銭箱さいせんばこがあります。
扉の方へうしろ向けに、おおき賽銭箱さいせんばこのこなた、薬研やげんのような破目われめの入った丸柱まるばしらながめた時、一枚懐紙かいし切端きれはしに、すらすらとした女文字おんなもじ
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妻恋坂上のささやかな稲荷、見通しの木連格子きつれごうしの前、大きな賽銭箱さいせんばこの蔭に隠れるようになって、あけに染んだ娘が一人、浅ましくも痛ましい姿を、まざまざと三月の朝陽に照らし出されているのでした。
さてこそとこの連中が意気込んで、その抜け穴というのを検分に出かけたあとで、七兵衛はソロソロと天井裏をい出して破風はふを抜け、いつか廊下の下へおり立って見ると、そこへあつらえたように置き据えられた朱塗の賽銭箱さいせんばこ
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「うむ、いいところへ気がついたぞ。すぐ目のまえの南蛮寺なんばんじへ、なんの貢物みつぎもせずにまつりをするとは太い神主かんぬしだ。グズグズぬかしたら拝殿はいでんをけちらかして、あの賽銭箱さいせんばこを引ッかついでゆけ!」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「勝手に爪弾つまはじきしやアがれ、この重右衛門様はナ、奴等うぬらのやうなものに相手にれねえでも……ねつから困らねえだア……べら棒め、根本三之助などと威張りやアがつて元ア、賽銭箱さいせんばこから一文二文盗みやがつたぢやねえだか」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)