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ぜんだて
ふりがな文庫
“
膳立
(
ぜんだて
)” の例文
そして皆の
膳立
(
ぜんだて
)
をすっかり整えてから自分だけ先に食事を済まし、みんなのまだ寝ているうちに学校に行っておひるすぎに帰って来る。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
又市は疵口の膏薬を貼替えまして、白布で巻いては居りますが、疵も大方
癒
(
いえ
)
たから
酒好
(
さけずき
)
と云う事を知り、
膳立
(
ぜんだて
)
をして種々の肴を
拵
(
こしら
)
えまして
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この計画を実行するには
纏
(
まとま
)
った金が必要でしたが、それは国もとへそう云ってやり、すっかりお
膳立
(
ぜんだて
)
が整うまではナオミに知らせない決心を以て
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
新しい
能代
(
のしろ
)
の
膳立
(
ぜんだて
)
をして、ちゃんと待っていた、さしみに、茶碗、
煮肴
(
にざかな
)
に、酢のもの、——愛吉は、ぐぐぐと咽喉を鳴らしたが、はてな、この辺で。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして客の
膳立
(
ぜんだて
)
などをする場所に当ててある薄暗い部屋で、妹達と一緒に朝飯をすますと、自分独りの思いに耽るために、急いで湯殿へ入っていった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
隣座敷
(
となりざしき
)
では、
母
(
はは
)
が
燈芯
(
とうしん
)
をかき
立
(
た
)
てたのであろう。
障子
(
しょうじ
)
が
急
(
きゅう
)
に
明
(
あか
)
るくなって、
膳立
(
ぜんだて
)
をする
音
(
おと
)
が
耳
(
みみ
)
に
近
(
ちか
)
かった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
伯爵家の台所はかなり
贅沢
(
ぜいたく
)
なものだが、それとは打つて変つて伯自身のお
膳立
(
ぜんだて
)
は伯爵夫人のお
心添
(
こゝろぞへ
)
で滋養本位の
柔
(
やはらか
)
い物づくめなので
頓
(
とん
)
と腕の見せどころが無いさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「正に君は幽霊使いだとみとめる。君のお
膳立
(
ぜんだて
)
にしたがって、あのとおりちゃんと現われた幽霊だからね。なぜ君は幽霊を使って役所の大切な大金庫を盗ませたのか」
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
火鉢
(
ひばち
)
には
小
(
ちひ
)
さな
鍋
(
なべ
)
が
掛
(
か
)
けてあつて、
其
(
その
)
葢
(
ふた
)
の
隙間
(
すきま
)
から
湯氣
(
ゆげ
)
が
立
(
た
)
つてゐた。
火鉢
(
ひばち
)
の
傍
(
わき
)
には
彼
(
かれ
)
の
常
(
つね
)
に
坐
(
すわ
)
る
所
(
ところ
)
に、
何時
(
いつ
)
もの
坐蒲團
(
ざぶとん
)
を
敷
(
し
)
いて、
其前
(
そのまへ
)
にちやんと
膳立
(
ぜんだて
)
がしてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
卓にお
膳立
(
ぜんだて
)
が出来ていて、空席になっているところがわたしのために設けられた場所であった。貞奴は鏡台をうしろにして中央にいた。すぐそのとなりに福沢さんがいた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
小
(
ちひ
)
さな
葬式
(
さうしき
)
ながら
柩
(
ひつぎ
)
が
出
(
で
)
た
後
(
あと
)
は
旋風
(
つむじかぜ
)
が
埃
(
ほこり
)
を
吹
(
ふ
)
つ
拂
(
ぱら
)
つた
樣
(
やう
)
にからりとして
居
(
ゐ
)
た。
手傳
(
てつだひ
)
に
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
た
女房等
(
にようばうら
)
はそれでなくても
膳立
(
ぜんだて
)
をする
客
(
きやく
)
が
少
(
すくな
)
くて
暇
(
ひま
)
であつたから
滅切
(
めつきり
)
手持
(
てもち
)
がなくなつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お妾のお化粧がすむ頃には、丁度下女がお
釜
(
かま
)
の火を引いて、
膳立
(
ぜんだて
)
の準備をはじめる。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もともと
神霊界
(
しんれいかい
)
ありての
人間界
(
にんげんかい
)
なのでございますから、
今更
(
いまさら
)
人間
(
にんげん
)
が
旋毛
(
つむじ
)
を
曲
(
ま
)
げて
神様
(
かみさま
)
を
無視
(
むし
)
するにも
及
(
およ
)
びますまい。
神様
(
かみさま
)
の
方
(
ほう
)
ではいつもチャーンとお
膳立
(
ぜんだて
)
をして
待
(
ま
)
って
居
(
い
)
て
下
(
くだ
)
さるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
だって、仮にあの娘に二十万ルーブリも持参金がついてみろ、それこそとても素晴らしいお
膳立
(
ぜんだて
)
じゃないか。どうして、それだけあれば、いわゆる相当な人間の幸福がでっちあげられるというもんだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
新吉は仕方がないから足を
摩
(
さす
)
って居りますと、すや/\疲れて寝た様子だから、いゝ塩梅だ、此の間に御飯でも
喫
(
た
)
べようと
膳立
(
ぜんだて
)
をしていると這出して
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そちこちする
中
(
うち
)
、昼も過ぎたので、年寄はまめまめしく
形
(
かた
)
ばかりの
膳立
(
ぜんだて
)
をした、お
菜
(
かず
)
がその時目刺に
油揚
(
あぶらげ
)
。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
火鉢
(
ひばち
)
には小さな
鍋
(
なべ
)
が掛けてあって、その
葢
(
ふた
)
の
隙間
(
すきま
)
から湯気が立っていた。火鉢の
傍
(
わき
)
には彼の常に坐る所に、いつもの
座蒲団
(
ざぶとん
)
を敷いて、その前にちゃんと
膳立
(
ぜんだて
)
がしてあった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
梅「あのお前私がお
膳立
(
ぜんだて
)
するから、お前仏様へお線香を上げなよ、お父様へ、いえなにお先祖様へ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清
(
きよ
)
にいひ
付
(
つ
)
けて
膳立
(
ぜんだて
)
をさせて、それを
小六
(
ころく
)
に
薦
(
すゝ
)
めさした
儘
(
まゝ
)
、
自分
(
じぶん
)
は
矢張
(
やは
)
り
床
(
とこ
)
を
離
(
はな
)
れずにゐた。さうして、
平生
(
へいぜい
)
夫
(
をつと
)
のする
柔
(
やはら
)
かい
括枕
(
くゝりまくら
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
貰
(
もら
)
つて、
堅
(
かた
)
いのと
取
(
と
)
り
替
(
か
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と勝手を存じていますから、
嗜
(
たしな
)
みの物を並べて
膳立
(
ぜんだて
)
をいたし、大藏の前へ
盃盤
(
はいばん
)
が出ました。お菊は側へまいりまして酌をいたす。大藏は
盃
(
さかずき
)
を
執
(
と
)
って飲んでお菊に差す。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清
(
きよ
)
にいいつけて
膳立
(
ぜんだて
)
をさせて、それを小六に
薦
(
すす
)
めさしたまま、自分はやはり床を離れずにいた。そうして、平生夫のする
柔
(
やわら
)
かい
括枕
(
くくりまくら
)
を持って来て貰って、堅いのと取り替えた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お前の手拵えとは
辱
(
かたじけ
)
ない、
日々
(
にち/\
)
の事で誠に気の毒だ、今日は丁度森松を
使
(
つかい
)
にやったから、今自分で
膳立
(
ぜんだて
)
をして酒をつけようと思っていた処で、丁度いゝから膳を拵えて
燗
(
かん
)
を
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
膳
常用漢字
中学
部首:⾁
16画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“膳”で始まる語句
膳
膳部
膳所
膳椀
膳拵
膳夫
膳箱
膳棚
膳所藩
膳飯