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粉雪
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こゆき
ふりがな文庫
“
粉雪
(
こゆき
)” の例文
ハッと
呼吸
(
いき
)
を引く。目口に吹込む
粉雪
(
こゆき
)
に、ばッと背を向けて、そのたびに、風と反対の方へ
真俯向
(
まうつむ
)
けになって防ぐのであります。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この時は朝から
粉雪
(
こゆき
)
が降り続いて、夕刻には、三寸ばかり積り、それからカラリと晴れて、大変な美しい月夜になりました。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
風は相変らず
轟々
(
ごうごう
)
と
吼
(
ほ
)
えて、灰とも
烟
(
けむり
)
とも
譬
(
たと
)
えようの無い
粉雪
(
こゆき
)
が、あなたの山の方から
縦横上下
(
じゅうおうじょうげ
)
に乱れて吹き寄せた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
月光を受けている部分は銀のように白く光って、折々、西風が煙のように
粉雪
(
こゆき
)
を吹き
捲
(
ま
)
くっていた。
手品
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
幸
(
さいわい
)
と藤尾がいる。冬を
凌
(
しの
)
ぐ
女竹
(
めだけ
)
の、吹き寄せて
夜
(
よ
)
を積る
粉雪
(
こゆき
)
をぴんと
撥
(
は
)
ねる力もある。
十目
(
じゅうもく
)
を街頭に集むる春の姿に、
蝶
(
ちょう
)
を縫い花を浮かした
派出
(
はで
)
な
衣裳
(
いしょう
)
も着せてある。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
ちらちら
粉雪
(
こゆき
)
の降っているにもかかわらず私は身体中汗になって、
脚
(
あし
)
が棒のようになるまで探ね廻ったが、もとより住所番地姓名を明細に知っているわけでもないので
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
さて、しかるにその足跡たるや、
一刻
(
しばらく
)
もやまない
粉雪
(
こゆき
)
のために、薄く
蔽
(
おお
)
われておりますが、これがきわめて大切な点で、ほかの無数の足跡と比べて蔽われ方が著しゅうござる。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夜
(
よ
)
はまだ
更
(
ふ
)
けねど
降
(
ふり
)
しきる
雪
(
ゆき
)
に
人足
(
ひとあし
)
大方
(
おほかた
)
絶々
(
たえ/″\
)
になりて
戸
(
と
)
を
下
(
おろ
)
す
商家
(
しやうか
)
こゝかしこ
遠
(
とほ
)
く
引
(
ひ
)
く
按摩
(
あんま
)
の
聲
(
こゑ
)
に
近
(
ちか
)
く
交
(
まじ
)
る
犬
(
いぬ
)
の
子
(
こ
)
の
叫
(
さけ
)
びそれすらも
淋
(
さび
)
しきを
路傍
(
みちばた
)
の
柳
(
やなぎ
)
にさつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
になよ/\と
靡
(
なび
)
いて
散
(
ち
)
るは
粉雪
(
こゆき
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
松が
枝
(
え
)
に
粉雪
(
こゆき
)
ちらつく日の
曇
(
くもり
)
何鳥か啼けりあはれ
陵
(
みささぎ
)
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
散りこし
粉雪
(
こゆき
)
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
ハツと
呼吸
(
いき
)
を
引
(
ひ
)
く。
目口
(
めくち
)
に
吹込
(
ふきこ
)
む
粉雪
(
こゆき
)
に、ばツと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、そのたびに、
風
(
かぜ
)
と
反對
(
はんたい
)
の
方
(
はう
)
へ
眞俯向
(
まうつむ
)
けに
成
(
な
)
つて
防
(
ふせ
)
ぐのであります。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一面に
降頻
(
ふりしき
)
る
粉雪
(
こゆき
)
は、戸を明けるのを待って居た
様
(
よう
)
に、庭の方から
忽
(
たちま
)
ち
颯
(
さっ
)
と吹き込んで来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
起
(
お
)
きた
時
(
とき
)
は、
日
(
ひ
)
を
載
(
の
)
せた
空
(
そら
)
が
次第
(
しだい
)
に
遠退
(
とほの
)
いて
行
(
ゆ
)
くかと
思
(
おもは
)
れる
程
(
ほど
)
に、
好
(
よ
)
く
晴
(
は
)
れてゐたが、それが
眞蒼
(
まつさを
)
に
色
(
いろ
)
づく
頃
(
ころ
)
から
急
(
きふ
)
に
雲
(
くも
)
が
出
(
で
)
て、
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
で
粉雪
(
こゆき
)
でも
釀
(
かも
)
してゐる
樣
(
やう
)
に、
日
(
ひ
)
の
目
(
め
)
を
密封
(
みつぷう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこはかと
粉雪
(
こゆき
)
ふり
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
恁
(
か
)
う
言
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
は、
其
(
そ
)
の
粉雪
(
こゆき
)
を、
地
(
ぢ
)
ぐるみ
煽立
(
あふりた
)
てますので、
下
(
した
)
からも
吹上
(
ふきあ
)
げ、
左右
(
さいう
)
からも
吹捲
(
ふきま
)
くつて、よく
言
(
い
)
ふことですけれども、
面
(
おもて
)
の
向
(
む
)
けやうがないのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
起きた時は、日を
載
(
の
)
せた空がしだいに
遠退
(
とおの
)
いて行くかと思われるほどに、好く晴れていたが、それが
真蒼
(
まっさお
)
に色づく頃から急に雲が出て、暗い中で
粉雪
(
こゆき
)
でも
醸
(
かも
)
しているように、日の目を密封した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
くいしばっても、閉じても、目口に
浸
(
し
)
む
粉雪
(
こゆき
)
を、しかし
紫陽花
(
あじさい
)
の青い
花片
(
はなびら
)
を吸うように思いました。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
くひしばつても、
閉
(
と
)
ぢても、
目口
(
めくち
)
に
浸
(
し
)
む
粉雪
(
こゆき
)
を、しかし
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
青
(
あを
)
い
花片
(
はなびら
)
を
吸
(
す
)
ふやうに
思
(
おも
)
ひました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうは言っても、小高い場所に雪が積ったのではありません、
粉雪
(
こゆき
)
の
吹溜
(
ふきだま
)
りがこんもりと積ったのを、
哄
(
どっ
)
と吹く風が根こそぎにその吹く方へ吹飛ばして運ぶのであります。一つ二つの
数
(
すう
)
ではない。
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然
(
さ
)
うは
言
(
い
)
つても、
小高
(
こだか
)
い
場所
(
ばしよ
)
に
雪
(
ゆき
)
が
積
(
つも
)
つたのではありません、
粉雪
(
こゆき
)
の
吹溜
(
ふきだま
)
りがこんもりと
積
(
つも
)
つたのを、
哄
(
どつ
)
と
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
が
根
(
ね
)
こそぎに
其
(
そ
)
の
吹
(
ふ
)
く
方
(
はう
)
へ
吹飛
(
ふきと
)
ばして
運
(
はこ
)
ぶのであります。
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つの
數
(
すう
)
ではない。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
粉
常用漢字
小5
部首:⽶
10画
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
“粉雪”で始まる語句
粉雪混