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私
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わっし
ふりがな文庫
“
私
(
わっし
)” の例文
「いや、
私
(
わっし
)
にはよく判る。気の毒だが番頭さん、子分の者に送らせるから、しばらく八丁堀の笹野様の役宅へでも行っていて下さい」
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
じゃアまア
私
(
わっし
)
と一緒においでなさい、どうせ
彼方
(
あっち
)
へ帰るんですからお連れ申しましょう、其の代りお嬢様に少しお
願
(
ねげ
)
えがあるんでげす
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
汚
(
きたね
)
えな! って
私
(
わっし
)
あ本当にうっかり。それが何です、
山河内
(
やまこうち
)
という華族の奥方だったんですって、華族だって汚えんですもの。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を
彫
(
ほ
)
るのかね。へえそうかね。
私
(
わっし
)
ゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた」
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなわけだからね、この五十銭で二三日のところを君がここで辛抱してりゃ、
私
(
わっし
)
が向地から旅用の足しぐらいは間違いなく送ってあげらあ、ね。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
▼ もっと見る
昨年の暮
比
(
ごろ
)
からでございますよ、元は無邪気で、きびきびして、
始終
(
しょっちゅう
)
旦那に小遣をねだって、旦那が
煩
(
うるさ
)
がると、
私
(
わっし
)
が仲へたってもらってあげるものだから、戦争から帰ってらしても、
私
(
わっし
)
に
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『
首領
(
かしら
)
。見捨てて行くんですかい、こんなになっておる
私
(
わっし
)
を……』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「でも、それで
私
(
わっし
)
が返事をして、用が足りたらいいでしょう」
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「だって……だって聞いてた何もかも表で。わ、笑わしたなあこの
私
(
わっし
)
なんだ。そ、そいつが元で小勇ン畜生め、手前の下手ァ棚に上げやがって、師匠にあんな恥ィかかして。ええ畜生。小勇も小勇なら大師匠もまた……」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
私
(
わっし
)
あ伊豆の大島へ行きましたがね、から、唐人みたようなお百姓でも、刃あたりが違うと見えて、可いなアーッていやあがるんで。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其の人が着物を着替る時に、紺縮緬の胴巻がバタリと落ちたら慌てゝ
匿
(
かく
)
すから、
私
(
わっし
)
ア取りやアしないったら、ニヤリと
笑顔
(
わらいがお
)
をして居たが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こんなわけですよ親分、叔父の孫右衛門が取込んだ
私
(
わっし
)
の親の金は、三千両や四千両じゃありませんが、大負けに負けて二千両で我慢しましょう。
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ねえ君、こうして
私
(
わっし
)
のように、旅から旅と果しなしに流れ渡ってて、これでどこまで行着きゃ落着くんだろう。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
おおかたそんな
事
(
こっ
)
たろうと思ってた。実あ、
私
(
わっし
)
もあの隠居さんを
頼
(
たよっ
)
て来たんですよ。——なにね、あの隠居が東京にいた時分、わっしが近所にいて、——それで知ってるのさ。いい人でさあ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
私
(
わっし
)
はチューブッフ(牛殺の意)」
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「そうかも知れません、
私
(
わっし
)
あ御存じの
土地児
(
とちっこ
)
じゃないんですから、見たり、聞いたり、
透切
(
すきぎれ
)
だらけで。へい、どうして、貴方?」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
音「それはまアお嬉しい事で、
私
(
わっし
)
はそればかり案じて居ましたが、それはまア何よりの事で、それに勇助は達者で居りますか」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
利かして死んなすったにしても、ね、前々からこういうわけだということが、例えば
私
(
わっし
)
の口からでも
露
(
ば
)
れたとしたら、佃の方の親方が黙って承知はしめえでしょう
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「ああ、造兵かね、
私
(
わっし
)
の友達にも四五人居るよ。中の一人は、今夜もお不動様で一所だっけ。そうかい、そいつは
頼母
(
たのも
)
しいや。」
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由「旦那、只何うも
私
(
わっし
)
が今日驚きましたのは、
彼
(
あ
)
のツク乗りで、何うも
倒
(
さか
)
さまに紐へ
吊下
(
ぶらさが
)
って重次郎さんが
下
(
さが
)
って参ります処には驚きました」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わっし
)
もね、これでも十二三のころまでは双親ともにいたもんだが、今は双親はおろか、家も生れ故郷も何にもねえ、ほんの
独法師
(
ひとりぼっち
)
だ、考えてみりゃ寂しいわけなんさね。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
私
(
わっし
)
あ
反
(
そ
)
ったねえ、押入の中で、ぼうとして見えた時は、——それをね、しなしなと引出して、膝へ横抱きにする……とどうです。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
音「心配しなますな、何うか
私
(
わっし
)
が才覚をしようから待って居てくんなまし、
大引
(
おおび
)
け過までには何うかして見ましょう」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お上さん、お寂しゅうがしょうね。
私
(
わっし
)
にもどうかお
線香
(
せんこ
)
を上げさしておくんなさい」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「
私
(
わっし
)
が、私が参りますよ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃない。てッて、飛出すのも余り無遠慮過ぎますかい、へ、」と結んだ口と、同じ手つきで
天窓
(
あたま
)
を掻く。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
怖
(
おっ
)
かねえ、からもう憎まれ
口
(
ぐち
)
を利くから村の者は
誰
(
たれ
)
も
私
(
わっし
)
をかまって呉れません、ヘエ、御免なすって、えゝ此の間
一寸
(
ちょっと
)
嬢
(
ねえ
)
さんを見ましたが、えゝ
彼
(
あれ
)
はあのお
妹御様
(
いもうとごさま
)
で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
私
(
わっし
)
ゃ金さんてえ人のとこへ遊びにおいででしょうって、そう言っときましたぜ」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
横ッちょに曲って
懸
(
かか
)
ってるんですが、
私
(
わっし
)
あ
過日
(
いつか
)
中から気になってならないんで、直すか直すかと思ってるとやっぱり横ッちょだ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勝「何うにも斯うにも、何うあっても
昨夜
(
ゆうべ
)
は
来
(
こ
)
ねえてんです、
彼奴
(
あいつ
)
も
私
(
わっし
)
も昨夜は
些
(
ちっ
)
とも寝ねえんですもの、ガラリ夜が明ける、
家
(
うち
)
へ
帰
(
けえ
)
るとお人だから、
直
(
すぐ
)
に来やしたんで」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わっし
)
もそう言ったんで、島野さんも、
生命
(
いのち
)
にゃあ別条はないっていうけれどね、早く手当をしてくれ、破、破、破傷風になるって騒ぐんで
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由「でも、ピイー/\と川へ響けて大層聞えますね……何だか
私
(
わっし
)
ア気が
急
(
せ
)
きますから、旦那
徐々
(
そろ/\
)
支度をなさいな…大きに姉さんお世話さま、お茶代は此処へ置きましたよ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
馬鹿にしねえ、大親分が居て、それから
私
(
わっし
)
が居た土地だ。
大概
(
てえげい
)
江戸ッ児になってそうなもんだに、またどうして、あんな獣が居るんだろう。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曲「あ痛うごぜえやす、何う云う訳だって、全く覚えが
無
(
ねえ
)
んでごぜえやす、只慌てゝ
私
(
わっし
)
が……」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
口に税を出すくらいなら、
憚
(
はばか
)
んながら
私
(
わっし
)
あ酒も
啖
(
くら
)
わなけりゃ魚も売らねえ。お源ちゃんの
前
(
めえ
)
だけれども。おっとこうした処は、お尻の方だ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
うも御気象な事で、まアどうもお嬢
様
(
さま
)
がお小さい時分、確か
七歳
(
なゝつ
)
のお祝の時、
私
(
わっし
)
がお供を致しまして、鎮守様から浅草の観音様へ
参
(
めえ
)
りましたが、いまだに能く覚えております
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「早いにも、織さん、
私
(
わっし
)
なんざもう御覧の通り
爺
(
じじい
)
になりましたよ。これじゃ途中で
擦違
(
すれちが
)
ったぐらいでは、ちょっとお分りになりますまい。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そりゃア何うも先生の
前
(
めえ
)
でげすが、アヽやってお嬢さんもぶらぶら
塩梅
(
あんべえ
)
が悪くッてお
在
(
いで
)
なさるし、何うかお気の紛れるようにと思って、
私
(
わっし
)
ア
身許
(
みもと
)
から知ってる
堅
(
かて
)
え芸人でげすから
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
火の玉め、鍍金の方が
年紀上
(
としうえ
)
で、
私
(
わっし
)
あ仏の銀次だなんて、はじめッから挨拶が
癪
(
しゃく
)
に障ったもんだから、かねてそのつもりだったと見えまさ。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それからお嬢様を
此方
(
こっち
)
へ呼んでお
母
(
ふくろ
)
はあんな事を云いますが、お
前
(
まえ
)
さんは
何処
(
どこ
)
までも粂之助
様
(
さん
)
と添いたいという了簡があるなれば、
私
(
わっし
)
がまア何うにでもしてお世話を致しましょう
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぬたをの……今、
私
(
わっし
)
が
擂鉢
(
すりばち
)
に
拵
(
こしら
)
えて置いた、あれを、鉢に入れて、小皿を二つ、
可
(
い
)
いか、
手綺麗
(
てぎれい
)
に
装
(
よそ
)
わないと食えぬ奴さね。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ギラ/\するやつを
引
(
ひっ
)
こ抜いて
私
(
わっし
)
の鼻っ先へ突付け云わねえけりゃア五分だめしにしちまう、松蔭の家来だろう、三崎の屋敷に居たろう、顔を知ってるぞ、さア何うだと責められて
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今度八丁堀の
私
(
わっし
)
の内へ遊びに来ておくんなせえ。
一番
(
ひとつ
)
私がね、
嚊々左衛門
(
かかあざえもん
)
に酒を
強請
(
ねだ
)
る呼吸というのをお目にかけまさ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勝「エ、御尤もで、じゃア
私
(
わっし
)
は是から
直
(
すぐ
)
に行って参ります、申訳がありませぬから、あの野郎、本当に何うも
戯
(
ふざ
)
けやアがって、引張って来て横ずっ
頬
(
ぽう
)
を
撲飛
(
はりと
)
ばして、
屹度
(
きっと
)
申訳をいたします」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
や、素敵なものだと、のほうずな大声で、何か立派なのとそこいらの
艶麗
(
あでやか
)
さに
押魂消
(
おったまげ
)
ながら、
男気
(
おとこッけ
)
のない座敷だから、
私
(
わっし
)
だって遠慮をしました。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わっし
)
ア小平という胡麻の
灰
(
へい
)
でございやす、
先刻
(
さっき
)
番頭さんにいう通り、八右衞門という荷主が山口屋へ
為換
(
かわせ
)
を取りに
往
(
ゆ
)
くと云うから、少しでもそう云う事を聞いちゃア
打捨
(
うっちゃ
)
っちゃア置けねいから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わっし
)
は日暮前に、その
天幕張
(
テントばり
)
の郵便局の前を通って来たんでございますよ。……ちょうど狼の温泉へ
入込
(
いりこ
)
みます途中でな。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
暴
(
あら
)
っぽい仕事だが頭で突いて毒を
服
(
の
)
ませ、
生空
(
なまぞら
)
を遣って
此方
(
こっち
)
の店へ来た所が、山出しの多助の畜生に
見顕
(
みあら
)
わされた上からは、
私
(
わっし
)
ア縄にかゝって出るのは承知さ、
私
(
わっち
)
がどじを組んだって外とは違い
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お道さんが手拭を畳んでちょっと帯に挟んだ、
茶汲女
(
ちゃくみおんな
)
という姿で、湯呑を片手に、半身で立って
私
(
わっし
)
の方を
視
(
み
)
ましたがね。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
正「
今度
(
こんだ
)
ア
私
(
わっし
)
の番だ、此ん畜生め親父を殺しやアがって此ん畜生め」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御入用のお客様はどなただか早や知らねえけれど、何でも
私
(
わっし
)
が
研澄
(
とぎすま
)
したのをお持ちなさると見えるて、御念の入った。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“私”の意味
《人称代名詞》
(わたし、わたくし)一人称。
(出典:Wiktionary)
“私”の解説
私(し、わたくし)は、仕事場などの社会的集団の中における人間の属性と対比して、一個人としての属性を示すときに用いられる言葉である。
この意味における反対語は公(こう、おおやけ)である。例えば、「私用」は仕事に関係のない行動や物品を指し、「公用」はもっぱら仕事上の行動や仕事に用いる物品を指す。
(出典:Wikipedia)
私
常用漢字
小6
部首:⽲
7画
“私”を含む語句
私等
私語
私達
私通
私生児
私共
私宅
私室
私娼
私部
私刑
私窩子
歇私的里
私娼窟
私曲
私家
私怨
私事
私淑
私方
...