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爾来
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じらい
ふりがな文庫
“
爾来
(
じらい
)” の例文
旧字:
爾來
爾来
(
じらい
)
同志を
糾合
(
きうがふ
)
し、相共に此問題を研究し来りしが、時機
稍
(
やうやく
)
到来し、
茲
(
こゝ
)
に一小雑誌を刊行して我が同胞に
見
(
まみ
)
ゆるの栄を得たるを謝す。
「平和」発行之辞
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
(この「光雲翁昔ばなし」は大正十一年十一月十九日(日曜日)の夜から始め出し、
爾来
(
じらい
)
毎日曜の夜ごとに続き、今日に及んでいる。
幕末維新懐古談:80 田村松魚の言葉
(新字新仮名)
/
田村松魚
(著)
彼女は何でも十歳頃から描くことを教わり、
爾来
(
じらい
)
引きつづいて仕事をし、凡そ六、七十年間も土瓶に絵附をしてきたわけであります。
益子の絵土瓶
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
どうやら喧嘩でも吹っかけられそうだ。この前きゃつと一局争い、たたきつけてやったのを根に持って、
爾来
(
じらい
)
俺を憎んでいるらしい。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そしてその怪火の原因は放火と言い失火と称され、諸説
紛々
(
ふんぷん
)
として
爾来
(
じらい
)
二十八年を過ぐる今日に至るまでなお帰一するところを知らぬ。
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
爾来
(
じらい
)
また種々なる相談までも受け「社友」というものになって同志社女学校の世話までも頼まれるなど、関係は今に連続している。
新島先生を憶う:二十回忌に際して
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
曩
(
さき
)
にその忠勇を共にしたる戦死者
負傷者
(
ふしょうしゃ
)
より
爾来
(
じらい
)
の
流浪者
(
るろうしゃ
)
貧窮者
(
ひんきゅうしゃ
)
に至るまで、すべて
同挙
(
どうきょ
)
同行
(
どうこう
)
の人々に対して
聊
(
いささ
)
か
慙愧
(
ざんき
)
の情なきを得ず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
爾来
(
じらい
)
年
毎
(
ごと
)
に著名の難事件を処理して、現在では、名探偵と云えば、
明智小五郎
(
あけちこごろう
)
か宗像隆一郎かというほどに、世に知られていた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
爾来
(
じらい
)
大豆右衛門、色を天下に
漁
(
ぎよ
)
すと雖も、
迷宮
(
めいきゆう
)
に似たる人生は容易に幸福を与ふるものにあらず。たとへば巻一の「
姉
(
あね
)
の異見
耳痛樫木枕
(
みみいたいかたぎまくら
)
」
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いかんとなれば、狂せるお貞は
爾来
(
じらい
)
世の人に良人殺しの面を見られんを恥じて、長くこの暗室内に自らその身を封じたるものなればなり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爾来
(
じらい
)
公判は引き続きて開かれしかど、最初の日の如く六十三名打ち
揃
(
そろ
)
いたる事はなく、大抵一組とこれに添いたる看守とのみ出廷したり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
といい、
真面目
(
まじめ
)
になって
猿嘉
(
さるか
)
という命名書を与えた。
爾来
(
じらい
)
この若者はこの姓を用いしのみならず、その子孫は今なお
猿嘉
(
さるか
)
氏を称している。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その男の子——
兎三夫
(
とみお
)
君は
爾来
(
じらい
)
、母方の
姓
(
せい
)
鴨田を名乗って、途中で亡くなった母の意志を
継
(
つ
)
ぎ、さてこんなことになったのです
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この
事柄
(
ことがら
)
は敢て議論ではない、吾等の大教師にして仏の化身たる親鸞僧正がまのあたり肉食を行い
爾来
(
じらい
)
わが本願寺は代々これを行っている。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
こんなやり方は如何にも勝元らしく、
爾来
(
じらい
)
東軍は
行在所
(
あんざいしょ
)
守護の任に当って、官軍と呼ばれ、西軍は止むを得ず賊軍となった。
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
第一号の広告面に或る人々の連名で、「拙らへ文芸上に関し御用の諸粋兄は
爾来
(
じらい
)
硯友社へ御文通あられましょうッ、オホン」
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
あたかも彼がシベリヤの極東オコツク海岸に達したるの時にして、
爾来
(
じらい
)
満州を
侵
(
おか
)
し、
黒竜江
(
こくりゅうこう
)
の両岸を
擾
(
みだ
)
し、機に臨み変に応じ、
経略
(
けいりゃく
)
止むなく
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
前の
千歳座
(
ちとせざ
)
は二十三年の五月に焼けて、
爾来
(
じらい
)
そのままになっていたのが、今度新しく建て直されて、十一月の一日に開場式を挙げたのである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
頭蓋骨に亀裂がはいって
爾来
(
じらい
)
二ヶ年水薬を飲みつづけたが、当座は廃人になるんじゃないかと悩みつづけて
憂鬱
(
ゆううつ
)
であった。
天才になりそこなった男の話
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
彼はその有名な著作茶経(茶の聖典)において、茶道を組織立てたのである。
爾来
(
じらい
)
彼は、シナの茶をひさぐ者の保護神としてあがめられている。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
バティスティーヌ嬢はその晩司教の家に起こったことを
爾来
(
じらい
)
しばしば繰り返し話したので、その詳細を思い出し得る人は今もなおたくさんある。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
、昨年だけは不慮の禍いのため、遂に不面目ながら差出すことがならず、
爾来
(
じらい
)
今日まで、どれ程心痛いたしたか分りませぬ
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爾来
(
じらい
)
数年の間自分は孤独、
畏懼
(
いく
)
、苦悩、悲哀のかずかずを尽くした、自分は決して幸福な人ではなかった、自分の
生活
(
ライフ
)
は決して
平坦
(
へいたん
)
ではなかった。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
爾来
(
じらい
)
夫の隠し事を密告し、また夫を殺す不貞の婦女をスレイ・カンゴク・メアス(金の孔雀女)と呼ぶと。若い娘と後家が貞なる訳は後に解こう。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼の学びてこれを忍得るの故は、
爾来
(
じらい
)
終天の失望と恨との
一日
(
いちじつ
)
も忘るる
能
(
あた
)
はざるが為に、その
苦悶
(
くもん
)
の余勢を駆りて他の方面に注がしむるに過ぎず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
爾来
(
じらい
)
十四年間正午と夕刻の二回、時を違えずグレゴリーチャント以後今日まで世界の名曲の一部がチャイムとなって虚空遙かに流れわたるのである。
バークレーより
(新字新仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
爾来
(
じらい
)
長井は何時でも、これを自分の居間に掛けて
朝夕
(
ちょうせき
)
眺めている。代助はこの額の由来を何遍聞かされたか知れない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
爾来
(
じらい
)
この月をもってユダヤ暦の正月となし(これをアビブの月という。「麦の穂の出る月」の意味である。バビロン捕囚後はニサンの月と呼ばれた)
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
爾来
(
じらい
)
数年を経過して、その間に主任教授から、地方の大学のよい地位を周旋されたことが二三度ありましたけれど、決して動こうとはしませんでした。
新案探偵法
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
爾来
(
じらい
)
、
邪心
(
じゃしん
)
を抱く者共は彼の住居の十町四方は
避
(
さ
)
けて
廻
(
まわ
)
り道をし、
賢
(
かしこ
)
い渡り鳥共は彼の家の上空を通らなくなった。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
爾来
(
じらい
)
四十年いくら東京弁になろうとしても東京弁になり得ず、鼻にかかるずうずう弁で私の生は終わることになる。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
四十四年帰朝後工科大学教授に任ぜられ、
爾来
(
じらい
)
最後の日まで力学、応用力学、船舶工学等の講座を受持っていた。
工学博士末広恭二君
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その時の印象としては、色の白い、小さな、綺麗な方だということでした。
爾来
(
じらい
)
今日に至るまで、先生の知遇をかたじけなくする動機となったわけです。
泉鏡花先生のこと
(新字新仮名)
/
小村雪岱
(著)
爾来
(
じらい
)
今日
(
こんにち
)
まで、ずるずると女とともに日を送ってまいりました。ひたむきに愛する気にはなれず、そうかといって、一思いにすてさる気にもなれません。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
爾来
(
じらい
)
、この池を天魔ヶ池と呼ぶことになったらしいのは、天下到るところに
人気
(
にんき
)
嘖々
(
さくさく
)
たる古今の英雄秀吉も、この地へ来ては、まさしく天魔に相違ない。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
爾来
(
じらい
)
、狸汁のことについては長い間忘れてゐたのだが、団栗のことから狸の身の上に想ひ及び、無用の興を催してゐたところ、つい最近友人が訪ねてきて
たぬき汁
(新字旧仮名)
/
佐藤垢石
(著)
爾来
(
じらい
)
、それを続けて現在屈指の大茶人として認識されるに至っている、今日、七十七歳で
矍鑠
(
かくしゃく
)
と好者生活を続ける根津さんは通常一片の美的趣味家ではない。
現代能書批評
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
岩野泡鳴本名
美衛
(
よしえ
)
、明治六年一月二十日
淡路国
(
あわじのくに
)
洲本
(
すもと
)
に生る。享年四十八歳、大正九年五月九日病死す。
爾来
(
じらい
)
墓石なきを悲み、友人相寄り此処にこの碑を建つ。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
爾来
(
じらい
)
諸君はこの農場を貫通する川の沿岸に
堀立小屋
(
ほったてごや
)
を営み、あらゆる
艱難
(
かんなん
)
と戦って、この土地を開拓し、ついに今日のような美しい農作地を見るに至りました。
小作人への告別
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
この方法の発案者はイスラエル・ザングウイルであるが、
爾来
(
じらい
)
この着想は様々な形で繰返されて来ている。
J・D・カーの密室犯罪の研究
(新字新仮名)
/
井上良夫
(著)
和尚この一喝の下に始めて大いに感悟するところあり、すなわち改めて滴水と号し、
爾来
(
じらい
)
斯道
(
しどう
)
に刻意すること久しく、いよいよますます一滴水の深味を体得す。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
翌日から穴を出て、
爾来
(
じらい
)
、彼女一流の探りの手腕をもって江戸中を櫛の歯のごとく当たって歩いていると!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
年三十にして家に帰るや、
爾来
(
じらい
)
ここに十有余年、追歓索笑虚日あるなし。
妓
(
ぎ
)
を家に
納
(
い
)
るる事数次。自ら旗亭を営むこと両度。細君を追出してまた迎る事前後三人。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それは私にとりて、精神的再生を遂げしめた教育期間で、
爾来
(
じらい
)
、私はいかに懐疑的空想に
耽
(
ふけ
)
ることがあっても、心からの疑惑に陥るようなことがなくなった……。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
当時の大政党憲友会の暴状に憤慨し、同会総裁、兼、首相であった
白原圭吾
(
しろはらけいご
)
氏を暗殺して終身懲役に処せられ、北海道
樺戸
(
かばと
)
の監獄に送られて間なく脱獄し、
爾来
(
じらい
)
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
更に一歩を進めて言えば、
爾来
(
じらい
)
居士の歿年である明治三十五年までおよそ六年間の両者の間の交遊は寧ろその道灌山の出来事の連続であったともいえるのである。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
早速
(
さっそく
)
これを
許
(
ゆる
)
し宗伯を熱海に
遣
(
つか
)
わすこととなり、
爾来
(
じらい
)
浅田はしばしば熱海に
往復
(
おうふく
)
して公使を
診察
(
しんさつ
)
せり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
爾来
(
じらい
)
三年、清水君と大谷君は僕の親友だ。僕の為めに二人が結びついた形もある。僕は二人の関係から団さんの夫婦にも特別
贔負
(
ひいき
)
になっている。
真
(
まこと
)
に親切な人達だ。
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
(最近神歌及び『由来記』の研究から、沖縄及び那覇の語源を発見したが、それは近著『沖縄考』で発表した。)
爾来
(
じらい
)
泊港は本島及び属島の船舶をつなぐ国港となり
浦添考
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
爾来
(
じらい
)
三年間に、親しく両先生の教えを受け、
殊
(
こと
)
に笠神博士には一層近づいて、家族へも出入したので、今いった噂話が一片の噂でなく、事実に近いものであることは
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
“爾来”の意味
《形容動詞》
爾来(じらい)
その後。それ以来。
(出典:Wiktionary)
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“爾”で始まる語句
爾
爾後
爾時
爾余
爾今
爾々
爾等
爾來
爾雅
爾迦夷