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深窓
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しんそう
ふりがな文庫
“
深窓
(
しんそう
)” の例文
品
(
ひん
)
よしと
喜
(
よろ
)
こぶ
人
(
ひと
)
ありけり十九といへど
深窓
(
しんそう
)
の
育
(
そだ
)
ちは
室咲
(
むろざ
)
きも
同
(
おな
)
じこと
世
(
よ
)
の
風
(
かぜ
)
知
(
し
)
らねど
松風
(
まつ ぜ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは
通
(
かよ
)
ふ
瓜琴
(
つまごと
)
のしらべに
長
(
なが
)
き
春日
(
はるび
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
深窓
(
しんそう
)
な育ちでも、どこか女
伊達
(
だて
)
めいた気風をもって、おそろしく仁義礼智の教えを守って——姿の薄化粧のように、魂も洗おうとした。
旧聞日本橋:22 大門通り界隈一束(続旧聞日本橋・その一)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「良家の令嬢、
深窓
(
しんそう
)
の
佳人
(
かじん
)
なら、そんな心配はない。そういうのを
吟味
(
ぎんみ
)
して、早く貰うんだよ。光子さんだって賛成するだろう」
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そして、
深窓
(
しんそう
)
の
処女
(
おとめ
)
には、あまりに強烈すぎるものへ
対
(
むか
)
ったように、
眩
(
まばゆ
)
げな眼をそらして、ひとにも分かるような
吐息
(
といき
)
をついた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ギイとくぐりをあけて、しきりにためつすかしつ、差しのぞいていたが、菊路ほどの
深窓
(
しんそう
)
珠をあざむく匂やかな風情が物を言わないという筈はない。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
姉
(
あね
)
は
小柄
(
こがら
)
の、
美
(
うつく
)
しい
愛
(
あい
)
らしい
体
(
からだ
)
と
顔
(
かほ
)
の
持主
(
もちぬし
)
であつた。
嫻
(
みやび
)
やかな
落着
(
おちつ
)
いた
態度
(
たいど
)
や
言語
(
げんご
)
が、
地方
(
ちはう
)
の
物持
(
ものもち
)
の
深窓
(
しんそう
)
に
人
(
ひと
)
となつた
処女
(
しよぢよ
)
らしい
感
(
かん
)
じを、
竹村
(
たけむら
)
に
与
(
あた
)
へた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女は実に一箇
巾幗
(
きんくわく
)
の身を以て、
深窓
(
しんそう
)
宮裡
(
きゆうり
)
花陰の夢に
耽
(
ふけ
)
るべき人
乍
(
なが
)
ら、雄健の筆に堂々の議論を上下し、
仏蘭西
(
フランス
)
全国の民を
叱咤
(
しつた
)
する事、
猶
(
なほ
)
猛虎の野に
嘯
(
うそぶ
)
くが如くなりき。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
言葉にも物腰にも
深窓
(
しんそう
)
育ちが
窺
(
うかが
)
われ、いまも
躊躇
(
ためら
)
ったような
初心初心
(
うぶうぶ
)
しい言いかたをする。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
が、それ
等
(
ら
)
は
言
(
い
)
わば
深窓
(
しんそう
)
を
飾
(
かざ
)
る
手活
(
ていけ
)
の
花
(
はな
)
、
命
(
みこと
)
のお
寛
(
くつろ
)
ぎになられた
折
(
おり
)
の
軽
(
かる
)
いお
相手
(
あいて
)
にはなり
得
(
え
)
ても、いざ
生命懸
(
いのちが
)
けの
外
(
そと
)
のお
仕事
(
しごと
)
にかかられる
時
(
とき
)
には、きまり
切
(
き
)
って
橘姫
(
たちばなひめ
)
にお
声
(
こえ
)
がかかる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ある時は葉子は慎み深い
深窓
(
しんそう
)
の婦人らしく上品に、ある時は素養の深い若いディレッタントのように
高尚
(
こうしょう
)
に、またある時は習俗から解放された adventuress とも思われる放胆を示した。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
これは大いに不思議です。
深窓
(
しんそう
)
に育った蠅だといってよろしい
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
深窓
(
しんそう
)
にたれこめている
御守殿女
(
ごしゅでんおんな
)
の初心よりは、お綱のような女の初心が、時には、ばかばかしいほど男に血道をあげるものだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さればとて
香爐峯
(
かうろほう
)
の
雪
(
ゆき
)
に
簾
(
みす
)
をまくの
才女
(
さいぢよ
)
めきたる
行
(
おこな
)
ひはいさゝかも
無
(
な
)
く
深窓
(
しんそう
)
の
春
(
はる
)
深
(
ふか
)
くこもりて
針仕事
(
はりしごと
)
に
女性
(
によしやう
)
の
本分
(
ほんぶん
)
を
盡
(
つく
)
す
心懸
(
こゝろが
)
け
誠
(
まこと
)
に
殊勝
(
しゆしよう
)
なりき、
家
(
いへ
)
に
居
(
ゐ
)
て
孝順
(
かうじゆん
)
なるは
出
(
いで
)
て
必
(
かな
)
らず
貞節
(
ていせつ
)
なりとか
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もうこのごろは、
水仕業
(
みずしごと
)
に馴れているとはいっても、月輪の
前関白家
(
さきのかんぱくけ
)
に生れて、まったく
深窓
(
しんそう
)
にそだった彼女が——と思うと
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この家の
深窓
(
しんそう
)
の
佳人
(
かじん
)
と玄徳とが、いつのまにか、
春宵
(
しゅんしょう
)
の秘語を楽しむ仲になっているのを目撃して、関羽は、非常なおどろきと
狼狽
(
ろうばい
)
をおぼえた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分が生れながら
深窓
(
しんそう
)
の姫そだちや宮仕えの女でなく、幼い頃は深草の田舎で麦を踏み
籾
(
もみ
)
を
搗
(
つ
)
き、十か十一の頃には、
頭
(
かしら
)
に籠を乗せて、野菜や果物を売りに
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
政子に宛てた文を
携
(
たずさ
)
えて、彼はまもなく北条家の館を訪れていた。元より先は
深窓
(
しんそう
)
の息女である。
直
(
じ
)
かに会えるわけもない。家臣の手を通じて返辞を待っていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
清盛が、そこを辞して帰るころには、この姉姫も、どうしてどうして、そう、露おもたげな
深窓
(
しんそう
)
の花の
風情
(
ふぜい
)
だけではなかった。笑いもするし、はきはきと答えもする。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あろうことかあるまいことか。当家の
深窓
(
しんそう
)
に養われている
芙蓉娘
(
ふようじょう
)
とかいう麗人と、逢引きを
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は決して美人ではないが、さすがに
深窓
(
しんそう
)
で
愛
(
いつく
)
しまれた
肌目
(
きめ
)
ではあった。それに初産の後のせいか
透
(
す
)
き
徹
(
とお
)
るような白い顔と指の先をしている。その手をひどく
几帳面
(
きちょうめん
)
に膝へかさねて
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そんな
深窓
(
しんそう
)
のお
女
(
むすめ
)
を、きょうは呂布のために」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“深窓”の意味
《名詞》
家の中の奥にある居間。
上流家庭。
(出典:Wiktionary)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
窓
常用漢字
小6
部首:⽳
11画
“深”で始まる語句
深
深山
深傷
深淵
深更
深切
深川
深夜
深々
深沈