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ふりがな文庫
“
死別
(
しにわか
)” の例文
母に
死別
(
しにわか
)
れて間のない、傷みやすい蕗子の心を波立たせたくない。
能
(
でき
)
ることなら何も知らせずに、このまま土地を離れてしまいたい。
流転
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
頼りにしたその養父に
死別
(
しにわか
)
れましたので、他家の食客にもなり、母の弟の助力で医学に志して、明治五年の暮に第一大区医学校へ入学しました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
一たい
恋
(
こい
)
しい
人
(
ひと
)
と
別
(
わか
)
れるのに、
生別
(
いきわか
)
れと
死別
(
しにわか
)
れとではどちらがつらいものでしょうか……。
事
(
こと
)
によると
生別
(
いきわか
)
れの
方
(
ほう
)
がつらくはないでしょうか……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
波斯
(
ペルシヤ
)
で亭主に
死別
(
しにわか
)
れた
許
(
ばか
)
しの、新しい
未亡人
(
ごけ
)
さんを訪ねると、
屹度
(
きつと
)
棚の上に大事さうに瓶が置いてあるのが目につく。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
占
(
し
)
めた……と思いながら何喰わぬ顔で話を聞いてみると、愛子は金兵衛に
死別
(
しにわか
)
れてから、
芸妓
(
げいしゃ
)
を
廃業
(
やめ
)
て、義理の
母親
(
おふくろ
)
と一緒に煙草屋専門で遣ってみた。
近眼芸妓と迷宮事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
あゝいう人がこんなハア殺され様をするというは神も仏もないかと村の者が泣いて騒ぐ、
私
(
わし
)
もハア此の年になって跡目相続をする大事な忰にはア
死別
(
しにわか
)
れ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
市郎は
一人児
(
ひとりこ
)
であった。
小児
(
こども
)
の時に
生
(
うみ
)
の母には
死別
(
しにわか
)
れて、
今日
(
こんにち
)
まで
父
(
おや
)
一人子一人の生涯を送って来たのである。父は
年齢
(
とし
)
よりも若い、元気の
好
(
い
)
い人であった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
人は記憶を失わぬ限り故人を夢に見ることが出来るが生きている相手を夢でのみ見ていた佐助のような場合にはいつ
死別
(
しにわか
)
れたともはっきりした時は
指
(
さ
)
せないかも知れない。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
で、
風流三昧
(
ふうりうざんまい
)
の
蘿月
(
らげつ
)
は
已
(
や
)
むを得ず
俳諧
(
はいかい
)
で世を渡るやうになり、お
豊
(
とよ
)
は
其
(
そ
)
の
後
(
ご
)
亭主
(
ていしゆ
)
に
死別
(
しにわか
)
れた不幸つゞきに
昔
(
むかし
)
名
(
な
)
を取つた
遊芸
(
いうげい
)
を幸ひ
常磐津
(
ときはづ
)
の
師匠
(
ししやう
)
で
生計
(
くらし
)
を立てるやうになつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
これは彼女もとうの昔に、覚悟をきめていた事だった。前の犬には
生別
(
いきわか
)
れをしたが、今度の犬には
死別
(
しにわか
)
れをした。
所詮
(
しょせん
)
犬は飼えないのが、持って生まれた
因縁
(
いんねん
)
かも知れない。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あたし母さまとは小さい時
死別
(
しにわか
)
れたのでお顔を覚えていないけれど、父さまからエルや——って呼ばれる時には、あたしの中に母さまが生きているような気持になったものだわ
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
分てお
貰
(
もら
)
ひ申さにやならぬと
血眼
(
ちまなこ
)
になりて申にぞ安五郎は
當惑
(
たうわく
)
なし我等とても段々の
不仕合
(
ふしあはせ
)
折角
(
せつかく
)
連退
(
つれのい
)
たる白妙には
死別
(
しにわか
)
れ今は
浮世
(
うきよ
)
に
望
(
のぞ
)
みもなければ
信州
(
しんしう
)
の
由縁
(
ゆかり
)
の者を頼み
出家
(
しゆつけ
)
遁世
(
とんせい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僕達は晩餐の
卓子
(
テーブル
)
についたが、食事中僕は心配な顔を見せまいとして一生懸命に努めました。しかし僕は悲しかった。この者達は
直
(
じ
)
きに僕と
死別
(
しにわか
)
れねばならん。後には貧しい家庭が残る。
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
総領の男の
児
(
こ
)
は、
丁度
(
ちやうど
)
今
私
(
わたし
)
が父に
死別
(
しにわか
)
れた時の年齢と同じである。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
長次郎氏は
夙
(
はや
)
くから父に
死別
(
しにわか
)
れたので、本派本願寺の
利井明朗
(
かゞゐめいらう
)
氏の手で色々と薫陶せられた。利井氏は真宗の坊さんだけに、阿弥陀様とも
極
(
ごく
)
懇意だつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
家来の忠平という者を連れてまいる
途
(
みち
)
で長く煩いました上、遂に
死別
(
しにわか
)
れになりまして、心細い身の上で、旅慣れぬ女のこと、どうか御出家様私を助けると
思召
(
おぼしめ
)
し
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
止
(
やめ
)
て
厚
(
あつ
)
く庄兵衞が
跡
(
あと
)
を
吊
(
とむら
)
ふ可し元益は又其母勝こと
年
(
とし
)
寄
(
より
)
て
相續人
(
さうぞくにん
)
の庄兵衞に
死別
(
しにわか
)
れ然こそ
便
(
びん
)
なく思ふ可ければ元益は
醫業
(
いげふ
)
を
廢
(
はい
)
して
更
(
さら
)
に音羽町の町役人となり庄兵衞の
跡
(
あと
)
を相續して
母
(
はゝ
)
勝
(
かつ
)
に
孝養
(
かうやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何しろ、その時分は、あの女もたった一人のおふくろに
死別
(
しにわか
)
れた後で、それこそ
日々
(
にちにち
)
の暮しにも差支えるような身の上でございましたから、そう云う
願
(
がん
)
をかけたのも、
満更
(
まんざら
)
無理はございません。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これも
縡切
(
ことぎ
)
れたか、自業自得とは云いながら
二人
(
ににん
)
の
舟人
(
ふなびと
)
に
死別
(
しにわか
)
れ、
何処
(
どこ
)
とも知れぬ海中に櫓櫂もなく、
一人
(
ひとり
)
にて取残されしは
何
(
なん
)
たる不運ぞ、今この吉藏が
臨終
(
いまわ
)
の
一言
(
いちごん
)
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仕合とは何事ぞや
抑
(
そ
)
も
當歳
(
たうさい
)
にて
産
(
うみ
)
の母に
死別
(
しにわか
)
れ
七歳
(
なゝつ
)
の年には父にさへ
死
(
しな
)
れ師匠の
惠
(
めぐみ
)
に
養育
(
やういく
)
せられ漸く成長はしたるなり
斯
(
かく
)
墓
(
はか
)
なき身を仕合とは又何故にお前は其樣に
歎
(
なげ
)
き給ふぞと
尋
(
たづね
)
けるお三婆は
落
(
おつ
)
る涙を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
死ぬ処を助けられて
宜
(
よ
)
い処へ行ったと思うと其の家が零落を致し養母には間も無く
死別
(
しにわか
)
れ、親父は病気に成って其の看病を致しますが、一体孝心の娘でございますから
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十七や十八で
児
(
こ
)
を
拵
(
こしら
)
える位だから碌なものではありません、其の翌年金五郎は
傷寒
(
しょうかん
)
を
煩
(
わず
)
らって
遂
(
つい
)
に
亡
(
なく
)
なりましたが、
年端
(
としは
)
もゆかぬに亭主には
死別
(
しにわか
)
れ、子持ではどうする事も出来ませんのさ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
死
常用漢字
小3
部首:⽍
6画
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“死”で始まる語句
死
死骸
死人
死屍
死際
死霊
死去
死亡
死様
死刑