斷崖だんがい)” の例文
新字:断崖
大佐たいさいへは、海面かいめんより數百尺すひやくしやくたか斷崖だんがいうへたてられ、まへはてしなき印度洋インドやうめんし、うしろ美麗びれいなる椰子やしはやしおほはれてる。
聖堂せいだうの前をダラダラ登つて、お茶の水の方へ、その頃は橋はありませんが、眺めの良いところで、數丈の斷崖だんがいの上へお茶屋が二三軒建ち並んで居ります。
炎天えんてんうみなまりかして、とろ/\とひとみる。かぜは、そよともかない。斷崖だんがいいはしほけづつてしたす。やまにはかげもない。くさいきれはまぼろしけむりく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あかけたすぎひかへてからりとしたにはは、赤土あかつち斷崖だんがいそこしづんだやうにえる。あをそらかぎつてつた喬木けうぼくこずゑさらたかかんぜられた。勘次かんじおそろしい異常いじやうかんじにあつせられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ことに臺地だいちはしだとか、斷崖だんがい場所ばしよ十數尺じゆうすうしやくあつさにおよんでゐるものさへあります。また貝塚かひづか東京附近とうきようふきんから東海道とうかいどう山陽道さんようどう九州きゆうしゆうそのうみちか地方ちほうには、日本國中につぽんこくじゆういたところ發見はつけんせられます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
幸福さひはひにも吾等われらいへは、斷崖だんがい絶頂ぜつてうてられてつたので、このおそ惡魔あくま犧牲ぎせいとなることけはまぬかれた。
斷崖だんがいうへ欄干らんかんもたれていこつたをりから、夕颪ゆふおろしさつとして、千仭せんじん谷底たにそこから、たき空状そらざまに、もみぢ吹上ふきあげたのが周圍しうゐはやしさそつて、滿山まんざんくれなゐの、大紅玉だいこうぎよく夕陽ゆふひえいじて
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
汽車きしややま狹間はざま左右さいうせまる、くら斷崖だんがい穿うがつてぎるのであつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
斷崖だんがい尖端せんたんち、こゑかぎりにさけびつゝ火光くわくわう縱横じゆうわう振廻ふりまわした。