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てあら
ふりがな文庫
“
手荒
(
てあら
)” の例文
「
賢
(
けん
)
ちゃん、うまくすれば、つくかもしれないよ。」と、
清次
(
せいじ
)
は、
自分
(
じぶん
)
が、
手荒
(
てあら
)
にしたのをべつに
後悔
(
こうかい
)
するふうもなかったのです。
僕のかきの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
金三はそこへしゃがんだまま、前よりも
手荒
(
てあら
)
に百合の芽をいじった。しかし三寸に足りない芽は動きそうな
気色
(
けしき
)
も見せなかった。
百合
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今では私は確かにこの
手荒
(
てあら
)
な愛情の方がどんな優しいものよりもいゝのであつた。フェアファックス夫人も私のことを是認したことが私に分つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
どこまでも
手荒
(
てあら
)
い賊どものやり方だ。最新式の乗り物や殺人の器械を自由に使いこなして、必ず目的を達しないではやまないというすごい賊どもだ。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それとも、ほかに目的があつて、こんな
手荒
(
てあら
)
なことをしたのか? さうだ、
愚図愚図
(
ぐづぐづ
)
してないで、とにかく警察へ届けよう……いや、
慌
(
あわ
)
てちやいかんぞ。
クロニック・モノロゲ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
願ひ奉ると
聲
(
こゑ
)
震
(
ふる
)
はせ引ども押ども動かねば同心大勢立掛り
強情
(
しぶとき
)
女
(
をんな
)
め
下
(
さが
)
らぬかと
無體
(
むたい
)
に
引立
(
ひきたて
)
行
(
ゆか
)
んとするを大岡殿は
此體
(
このてい
)
を見られコレ/\
手荒
(
てあら
)
き事をして
怪我
(
けが
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
びっくりして夢の覚めたようになった武士は、
己
(
じぶん
)
の体が暗い地の上に立っていることを知った。彼は
手荒
(
てあら
)
な籠舁の
所業
(
しわざ
)
を
怒
(
おこ
)
ることも忘れて
四方
(
あたり
)
を見まわした。
山寺の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
夢心地に
曳摺
(
ひきず
)
っていって、ひょいと
突離
(
つきはな
)
す。突はなされた魂が痛まぬほどの、コツのある
手荒
(
てあら
)
さである。
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
主人の
足裏
(
あしうら
)
も
鯊
(
さめ
)
の
顋
(
あご
)
の様に
幾重
(
いくえ
)
も
襞
(
ひだ
)
をなして口をあいた。あまり
手荒
(
てあら
)
い攻撃に、虎伏す野辺までもと
跟
(
つ
)
いて来た
糟糠
(
そうこう
)
の
御台所
(
みだいどころ
)
も、ぽろ/\涙をこぼす日があった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
妻にすべてを打ち明ける事のできないくらいな私ですから、自分の運命の
犠牲
(
ぎせい
)
として、妻の
天寿
(
てんじゅ
)
を奪うなどという
手荒
(
てあら
)
な
所作
(
しょさ
)
は、考えてさえ恐ろしかったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ベンヺ やれ/\、
柔和
(
やさ
)
しらしう
見
(
み
)
ゆる
彼
(
あ
)
の
戀
(
こひ
)
めが、そんな
酷
(
むご
)
いことや
手荒
(
てあら
)
いことをしますか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
その
季節
(
きせつ
)
にはよくあることなので、自分は、さけどろぼうが
貨車
(
かしゃ
)
の中まであらしたのかと思うと、思わず、むッとして、
手荒
(
てあら
)
く
仕切
(
しき
)
りの
車戸
(
くるまど
)
をひきあけて、足をふみこんだ。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
「ふびんではござらんか、かような
巡礼道
(
じゅんれいどう
)
の人の
持物
(
もちもの
)
を
巻
(
ま
)
きあげて、それがどれほどおまえたちの
幸福
(
こうふく
)
になるものじゃない。どうか、そんな
手荒
(
てあら
)
なことをせずに返してあげておくれ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手荒
(
てあら
)
く
突
(
つ
)
き
退
(
の
)
けられた
一人
(
ひとり
)
の
侍女
(
じじょ
)
は、
転
(
ころ
)
びながらも、お
蓮
(
れん
)
の
裾
(
すそ
)
を
確
(
しか
)
と
押
(
おさ
)
えた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「お
手荒
(
てあら
)
なことをなさることはございますまいか」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
余りに事の
手荒
(
てあら
)
なれば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それからというもの、
私
(
わたし
)
は、なにかにつけて
手荒
(
てあら
)
く
取
(
と
)
り
扱
(
あつか
)
われましたが、しまいに、
大
(
おお
)
きくなった
坊
(
ぼっ
)
ちゃんのために、またこんなに
面
(
かお
)
にまで
傷
(
きず
)
をつけられてしまいました。
春さきの古物店
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
下人は、すばやく、老婆の
着物
(
きもの
)
を剥ぎとつた。それから、
足
(
あし
)
にしがみつかうとする老婆を、
手荒
(
てあら
)
く屍骸の上へ
蹴倒
(
けたほ
)
した。梯子の口までは、
僅
(
わづか
)
に五歩を數へるばかりである。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
後藤は
先々
(
まづ/\
)
待
(
また
)
れよ某存じ
寄
(
より
)
あれば決して
手荒
(
てあら
)
き事はならずと申付未だ夜明までには間も
有
(
ある
)
べし今一
寢入
(
ねいり
)
するにより太儀ながら貴樣達は
此奴
(
こやつ
)
の番を頼むなりとて半四郎は盜人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼は実社界を至極
手荒
(
てあら
)
いものに考へた。仁義博愛は
口
(
くち
)
に云ふべくして政治上に行ふべきものでないと信じた。
斯
(
か
)
くして彼はあらゆる人道的及び自由主義の運動に反対したのである。……
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まて民部、
手荒
(
てあら
)
なことをいたすまい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お浪は
引止
(
ひきとめ
)
否々
(
いや/\
)
那
(
あの
)
重四郎樣は兄樣のお
師匠
(
ししやう
)
なれば此事父上の耳に入る時は
元來
(
もとより
)
物固
(
ものがた
)
き父上ゆゑ
若
(
もし
)
や
手荒
(
てあら
)
きことのありもせば兄樣に對し云ひ
譯
(
わけ
)
なし又重四郎樣へも
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なり外に思案を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女
(
おんな
)
は、
邪慳
(
じゃけん
)
にいって、
手
(
て
)
に
取
(
と
)
りあげていたいちばん
大
(
おお
)
きなすいかを
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
すように、かごの
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
としました。あまり、
手荒
(
てあら
)
であったため、
大
(
おお
)
きなすいかは、
下
(
した
)
のすいかにぶつかって
傷
(
きず
)
がつきました。
初夏の不思議
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「罪悪とは何です。そんな
手荒
(
てあら
)
な事をしろと私がいつ云いました」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あまり、おまえが、
手荒
(
てあら
)
く
使
(
つか
)
うからだよ。」
人間と湯沸かし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
手荒
(
てあら
)
に一
方
(
ぽう
)
の
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れてしまいました。
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭