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庭前
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ていぜん
ふりがな文庫
“
庭前
(
ていぜん
)” の例文
言
(
い
)
うより
早
(
はや
)
く
天狗
(
てんぐ
)
さんは
電光
(
いなづま
)
のように
道場
(
どうじょう
)
から
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
したと
思
(
おも
)
う
間
(
ま
)
もなく、
忽
(
たちま
)
ちするすると
庭前
(
ていぜん
)
に
聳
(
そび
)
えている、一
本
(
ぽん
)
の
杉
(
すぎ
)
の
大木
(
たいぼく
)
に
駆
(
か
)
け
上
(
あが
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其
(
そ
)
の一
日前
(
にちまへ
)
の
暮方
(
くれがた
)
に、
千助
(
せんすけ
)
は、
團右衞門方
(
だんゑもんかた
)
の
切戸口
(
きりどぐち
)
から、
庭前
(
ていぜん
)
へ
𢌞
(
まは
)
つた。
座敷
(
ざしき
)
に
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
を、
豫
(
あらかじ
)
め
知
(
し
)
つての
上
(
うへ
)
。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夏の間は水浴を一日も欠かすことができないので、この数年来、夏が来ると
密
(
ひそか
)
にこの別院に隠れて、冷たい清水の
湧
(
わ
)
く
庭前
(
ていぜん
)
の池に水浴するのであった。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ちょうど
夏
(
なつ
)
の
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
に、
庭前
(
ていぜん
)
に
水
(
みづ
)
をまけばにわかに
涼
(
すゞ
)
しさが
感
(
かん
)
ぜられるのと
同
(
おな
)
じりくつです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
しかも澄ましたものだ。いかなるこれ
仏
(
ぶつ
)
と問われて、
庭前
(
ていぜん
)
の
柏樹子
(
はくじゅし
)
と答えた僧があるよしだが、もし同様の問に接した場合には、余は一も二もなく、
月下
(
げっか
)
の
覇王樹
(
はおうじゅ
)
と
応
(
こた
)
えるであろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
○そも/\
我里
(
わがさと
)
の元日は野も山も
田圃
(
たはた
)
も
里
(
さと
)
も
平一面
(
ひらいちめん
)
の雪に
埋
(
うづま
)
り、春を知るべき
庭前
(
ていぜん
)
の梅柳の
類
(
るゐ
)
も、去年雪の
降
(
ふら
)
ざる秋の末に雪を
厭
(
いとひ
)
て丸太など立て
縄縛
(
なはからげ
)
に
遇
(
あひ
)
たるまゝ雪の中にありて元日の春をしらず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
河中へ投込候ものと相見え今以て行方相知れ
不申候
(
もうさずそろ
)
又土蔵へ忍入りしや
私
(
わたくし
)
所持の衣類金銀とも
悉
(
ことごと
)
く盗取り逃去り候跡へ我等
参合
(
まいりあわ
)
せきよと申す
下婢
(
かひ
)
に相尋ね候処驚怖の余り
己
(
おのれ
)
の部屋に匿れ潜み
居
(
おり
)
候えば賊の申候言葉
並
(
ならび
)
に
孰
(
いずれ
)
へ逃去候
哉
(
や
)
慥
(
しか
)
と
不相分
(
あいわからず
)
由
申出候
(
もうしいでそろ
)
然
(
しか
)
るに一応家内取調申候処
庭前
(
ていぜん
)
所々
(
しょ/\
)
に鮮血の点滴
有之
(
これあり
)
殊に駒の
緋絹縮
(
ひぎぬちゞみ
)
下〆帯
(
したじめおび
)
りゅうの
単物
(
ひとえもの
)
血に染み居候まゝ
打棄
(
うちすて
)
有之候間此段御訴申上候
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かの
長生殿裡
(
ちやうせいでんり
)
日月
(
じつげつ
)
のおそき
處
(
ところ
)
、ともに
𢌞風
(
くわいふう
)
の
曲
(
きよく
)
を
唱
(
しやう
)
するに
當
(
あた
)
りてや、
庭前
(
ていぜん
)
颯
(
さつ
)
と
風
(
かぜ
)
興
(
おこ
)
り、
花
(
はな
)
ひら/\と
飜
(
ひるがへ
)
ること、
恰
(
あたか
)
も
霏々
(
ひゝ
)
として
雪
(
ゆき
)
の
散
(
ち
)
るが
如
(
ごと
)
くなりしとぞ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、云って
起
(
た
)
ちながら、そのまま傍へ寄って小さな
拳
(
こぶし
)
を右の
肩端
(
かたさき
)
へ持って往った。と、そのとき
微
(
かすか
)
な物の気配がした。義竜が不思議に思って顔をあげた時、
庭前
(
ていぜん
)
にちらちらと人影が動いた。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
○そも/\
我里
(
わがさと
)
の元日は野も山も
田圃
(
たはた
)
も
里
(
さと
)
も
平一面
(
ひらいちめん
)
の雪に
埋
(
うづま
)
り、春を知るべき
庭前
(
ていぜん
)
の梅柳の
類
(
るゐ
)
も、去年雪の
降
(
ふら
)
ざる秋の末に雪を
厭
(
いとひ
)
て丸太など立て
縄縛
(
なはからげ
)
に
遇
(
あひ
)
たるまゝ雪の中にありて元日の春をしらず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
垢染
(
あかじ
)
みた
布団
(
ふとん
)
を
冷
(
ひや
)
やかに敷いて、
五分刈
(
ごぶが
)
りが七分ほどに延びた頭を薄ぎたない枕の上に
横
(
よこた
)
えていた高柳君はふと眼を
挙
(
あ
)
げて
庭前
(
ていぜん
)
の
梧桐
(
ごとう
)
を見た。高柳君は述作をして眼がつかれると必ずこの梧桐を見る。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
誰
(
たれ
)
にか棄てられけむ、
一頭
(
いつとう
)
流浪
(
るらう
)
の犬の、予が入塾の初より、
数々
(
しば/\
)
庭前
(
ていぜん
)
に
入来
(
いりきた
)
り、そこはかと
餌
(
ゑ
)
を
𩛰
(
あさ
)
るあり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それと同時に室の中に銀色の眼をきろきろと光らした一
疋
(
ぴき
)
の大きな
蟇
(
がま
)
が見えて、それがぴょんぴょんと飛んで縁側から飛びおり、暗い
庭前
(
ていぜん
)
の池の中へどぼんと云う重い音をさして飛び込んだ。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
此
(
これ
)
はさすがに、
井戸端
(
ゐどばた
)
で、
名
(
な
)
のり
懸
(
か
)
けるわけには
行
(
い
)
かない、さりとて
用人
(
ようにん
)
の
若御新造
(
わかごしんぞ
)
、さして
深窓
(
しんさう
)
のと
云
(
い
)
ふではないから、
隨分
(
ずゐぶん
)
臺所
(
だいどころ
)
に、
庭前
(
ていぜん
)
では
朝
(
あさ
)
に、
夕
(
ゆふ
)
に、
其
(
そ
)
の
下
(
した
)
がひの
褄
(
つま
)
の
媚
(
なまめ
)
かしいのさへ
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
庭
常用漢字
小3
部首:⼴
10画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“庭前”で始まる語句
庭前徘徊