工事こうじ)” の例文
くわいは——會費くわいひ九圓九十九錢きうゑんきうじふきうせんなるに起因きいんする。震災後しんさいご多年たねん中絶ちうぜつしてたのが、頃日このごろ區劃整理くくわくせいりおよばず、工事こうじなしに復興ふくこうした。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それでかれとほ利根川とねがは工事こうじへもつたのであつた。かれ自分じぶん伎倆うでたのんでる。かれ以前いぜんからもすこしづつ開墾かいこん仕事しごとをした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
京王電鉄調布上高井戸間の線路せんろ工事こうじがはじまって、土方どかた人夫にんぷ大勢おおぜい入り込み、鏡花君の風流線にある様な騒ぎが起ったのは、夏もまだ浅い程の事だった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「いえ、どこかとおくで、工事こうじをしているんです。毎日まいにち、あんなおとがきこえます。」と、勇吉ゆうきちこたえました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此處こゝ秘密ひみつ塲所ばしよ入口いりくちです。』と櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさわたくし顧見かへりみた。此時このときはまだ工事こうじはじまらぬとへ、れいてつひゞききこえず、なかはシーンとして、すごほど物靜ものしづかだ。
いや、当時とうじ、海外から日本にきていて、この工事こうじ見聞みききしたクラセとか、フェローのような、宣教師せんきょうしでも、みなしたいて、その高大こうだいをつぶさに本国ほんごくへ通信していた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからおまえはうんと走って陸地測量部りくちそくりょうぶまで行くんだ。そして二人ともこううんだ。北緯ほくい二十五東経とうけいりんところに、目的もくてきのわからない大きな工事こうじができましたとな。二人とも言ってごらん
ありときのこ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
勘次かんじ工事こうじがどんなことかもらなかつたが一にち手間てまが五十せん以上いじやうにもなるといふので、それがその季節きせつとしては法外はふぐわい値段ねだんなのにんでしまつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『はい、はい、どんなことでも/\。』と、こたへたが、それけても氣遣きづかはしきは海底戰鬪艇かいていせんとうてい工事こうじの、吾等われらかゝ騷動さわぎ引起ひきおこしたために、いたさまたげられたのではあるまいかと
いま、かわ工事こうじをして、った石塊せきかいがたくさんあるのだ。さがせば、いろんないしつかるよ。きんは、紫色むらさきいろをしているだろう。ちか、ちかひか黄銅鉱おうどうこうと、それに、方解石ほうかいせきが、いちばんおおい。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
北緯ほくい二十五東経とうけいりんところ目的もくてきのわからない大きな工事こうじができました」
ありときのこ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
工事こうじ場所ばしよかすみうらちか低地ていちで、洪水こうずゐが一たんきしくさぼつすと湖水こすゐ擴大くわくだいしてかはひとつにたゞ白々しら/″\氾濫はんらんするのを、人工じんこうきづかれた堤防ていばうわづか湖水こすゐかはとを區別くべつするあたりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
西山にしやまは、一どう野中のなか河普請場かわぶしんば案内あんないしました。工事こうじはなかなかの大仕掛おおじかけでした。河水かすいをふさいで、工夫こうふたちは、河底かわぞこをさらっていました。ほそいレールが、きしって、ながく、ながくつづいています。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)