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小粒
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こつぶ
ふりがな文庫
“
小粒
(
こつぶ
)” の例文
路用から
湯治
(
たうぢ
)
の雜用を併せて三兩二分ばかり、あとに殘つたのは、煙草入に女房のお靜が入れてくれた、たしなみの
小粒
(
こつぶ
)
が三つだけです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
氣
(
き
)
の
毒樣
(
どくさま
)
なこつたが
獨活
(
うど
)
の
大木
(
たいぼく
)
は
役
(
やく
)
にたゝない、
山椒
(
さんしよ
)
は
小粒
(
こつぶ
)
で
珍重
(
ちんちよう
)
されると
高
(
たか
)
い
事
(
こと
)
をいふに、
此野郎
(
このやらう
)
めと
脊
(
せ
)
を
酷
(
ひど
)
く
打
(
う
)
たれて
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
議場
(
ぎぜう
)
へ
出
(
で
)
る
政治家
(
せいちか
)
でも、
両国
(
れうこく
)
の
土俵
(
とへう
)
で
見
(
み
)
る
力士
(
りきし
)
でも、
伝統的
(
でんとうてき
)
なものが
亡
(
ほろ
)
びて、
段々
(
だん/\
)
小粒
(
こつぶ
)
になつて
来
(
く
)
るのにも
不思議
(
ふしぎ
)
はない。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
雨
(
あめ
)
は
蹂
(
ふ
)
み
固
(
かた
)
めてある
百姓
(
ひやくしやう
)
の
庭
(
には
)
の
土
(
つち
)
にも
蔊菜
(
いぬがしら
)
や
石龍芮
(
たがらし
)
の
黄色
(
きいろ
)
い
小粒
(
こつぶ
)
な
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
たせて、
棟
(
やのむね
)
にさへ
長
(
なが
)
い
短
(
みじか
)
い
草
(
くさ
)
を
生
(
しやう
)
ぜしめる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は
暫
(
しば
)
しの
間
(
あいだ
)
、
唖
(
おし
)
が
筍
(
たけのこ
)
を
掘
(
ほ
)
るような
恰好
(
かっこう
)
をしていたが、やがて
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
の
中
(
なか
)
に、五六
枚
(
まい
)
の
小粒
(
こつぶ
)
を
器用
(
きよう
)
に
握
(
にぎ
)
りしめて、ぱっと
春重
(
はるしげ
)
の
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
で
展
(
ひろ
)
げてみせた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
るに、幸運であつた天気が、忽ちにして雲霧となり、下界をば全く
隠蔽
(
いんぺい
)
してしまつた。
飆々
(
へうへう
)
として流れくる雲霧は
小粒
(
こつぶ
)
の
雨滴
(
うてき
)
となつて車窓の
玻璃
(
はり
)
を
濡
(
ぬ
)
らすやうになつた。
ヴエスヴイオ山
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
附木
(
つけぎ
)
一枚を手形がわりにして持っていったりしたことを、風通しのよい、青い
林檎
(
りんご
)
の実ったのが目のさきにある奥二階の明り窓のきわで、
小粒
(
こつぶ
)
や
二朱金
(
にしゅきん
)
を
金盥
(
かなだらい
)
で洗ったり
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ついに免れ切れなくなって、雌魚は柳のひげ根に美しい
小粒
(
こつぶ
)
の真珠のような産卵を撒き散らして逃げて行く。雄魚等は勝利の腹を閃めかして一つ一つの産卵に電撃を与える。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
最初
(
さいしょ
)
はありのやつめ、
綿
(
わた
)
に
足
(
あし
)
をとられて、
困
(
こま
)
っていたが、そのうちに
平気
(
へいき
)
でそれを
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
下
(
した
)
から
上
(
あ
)
がっていくもの、
上
(
うえ
)
から、
小粒
(
こつぶ
)
な
透
(
す
)
きとおる
蜜液
(
みつえき
)
を
抱
(
だ
)
いて
下
(
お
)
りてくるもの
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
試合場
(
しあいじょう
)
の
城戸
(
きど
)
から、八
町
(
ちょう
)
参道
(
さんどう
)
とよぶ
広
(
ひろ
)
い
平坦
(
へいたん
)
な
坂
(
さか
)
をかけおりてゆくうちに、燕作の
小粒
(
こつぶ
)
なからだはみるみるうちに
追
(
お
)
い
越
(
こ
)
されて、とてもこれは、
比較
(
ひかく
)
にはならないと思われるほど
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たらぬがちの生活にも、朝な朝なのはたきの音、お艶の
女房
(
にょうぼう
)
ぶりはういういしく、泰軒は毎日のように訪ねて来ては、その帰ったあとには必ず
小粒
(
こつぶ
)
がすこし上がりぐちに落ちている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
果実は
小粒
(
こつぶ
)
状の
堅
(
かた
)
い
分果
(
ぶんか
)
で、灰色を
呈
(
てい
)
して
光沢
(
こうたく
)
があり、
蒔
(
ま
)
けば
能
(
よ
)
く
生
(
は
)
えるから、このムラサキを栽培することは、あえて
難事
(
なんじ
)
ではない。ゆえに
往時
(
おうじ
)
は、これを畑に作ったことがあった。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
小粒
(
こつぶ
)
に替え、銭にかえたら幾ら——西暦一九三三年前後、世界各国が、金の偏在と欠乏に苦しんで、それぞれ国家が金の輸出を禁止し、日本の国に於ても、公定相場が持ちきれなくなり
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それを今まで出頭に及ばず、しかも焼打を恐れて今頃になってノコノコと出向いて来るさえあるのに、下妻の戸山ともあろうものが、二百金のものを
小粒
(
こつぶ
)
を混ぜて五十両とは何だ! それへ直れっ!
天狗外伝 斬られの仙太
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
「無理もないな、——ところでもう一つ、これを知つてゐたら、今度は穴のあいたのぢやない、ピカリと
小粒
(
こつぶ
)
をやらう」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小初はやにわに薫の
頸
(
くび
)
と肩を
捉
(
とら
)
えて、うす
紫
(
むらさき
)
の唇に
小粒
(
こつぶ
)
な白い歯をもって行く。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
宿
(
やど
)
なしどもの
一人
(
ひとり
)
は、おじいさんの
気
(
き
)
のつかない
間
(
あいだ
)
に、
袋
(
ふくろ
)
のすみに
小
(
ちい
)
さな
穴
(
あな
)
を
明
(
あ
)
けて、その
中
(
なか
)
のものを
見
(
み
)
ようとしました。すると、
中
(
なか
)
からは
小粒
(
こつぶ
)
の
黒
(
くろ
)
い
種子
(
たね
)
のようなものが、こぼれてきました。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二百金のものを
小粒
(
こつぶ
)
を混ぜて五十両とは何事だ! それへ直れっ!
斬られの仙太
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
お房の口は
漸
(
やうや
)
くほぐれて行きます。尤も平次は、煙草入から
小粒
(
こつぶ
)
を一つ掴み出して、鼻紙に包んで、お房の膝の下に押し込んだ早業も相當
藥味
(
やくみ
)
がきいたことでせう。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
前の日、謎の金箱から出た
小粒
(
こつぶ
)
を三つ四つ、平次は八五郎の手に握らせるのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“小粒”の意味
《名詞》
小さな粒。
(出典:Wiktionary)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
粒
常用漢字
中学
部首:⽶
11画
“小粒”で始まる語句
小粒青豆