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ふりがな文庫
“
伊太利
(
イタリー
)” の例文
うろ覚えの
伊太利
(
イタリー
)
の小唄を、口笛で吹き乍ら、小砂利を踏んで、ザクザクと歩いて居ると不思議なものが私の眼に入って来たのです。
新奇談クラブ:04 第四夜 恋の不在証明
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ええ、よけいもありませんがまあ日本語と英語と
独乙
(
ドイツ
)
語のなら
大抵
(
たいてい
)
ありますね。
伊太利
(
イタリー
)
のは新らしいんですがまだ来ないんです。」
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それは私に、戦線のにおいをさえ嗅がせた。
伊太利
(
イタリー
)
と
仏蘭西
(
フランス
)
の二つの国家によって、そこの空気は二倍の比重を持っていたからだ。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
公爵は南
伊太利
(
イタリー
)
で有名な社交家だということを知る以上には。彼は若い時にある上流社会の夫ある女と駈落ちしたとの事であった。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
伊太利
(
イタリー
)
の王室費は三・二〇〇・〇〇〇弗といふ事になつてゐるが、五六年このかた、経費多端で不足がちだといふ事を聞いてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
伊太利
(
イタリー
)
乾物屋の店先の棒鱈のように寝そべっているのは、当時
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
を
風靡
(
ふうび
)
している
裸体主義
(
ニュディズム
)
の流行に迎合しているのではない。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
下等船客
(
かとうせんきやく
)
の
一
(
いち
)
支那人
(
シナじん
)
はまだ
伊太利
(
イタリー
)
の
領海
(
りやうかい
)
を
離
(
はなれ
)
ぬ、
頃
(
ころ
)
より
苦
(
くる
)
しき
病
(
やまひ
)
に
犯
(
おか
)
されて
遂
(
つひ
)
にカンデイア
島
(
じま
)
とセリゴ
島
(
じま
)
との
間
(
あひだ
)
で
死亡
(
しぼう
)
した
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼は
伊太利
(
イタリー
)
を愛して己れの墳墓にミランの人
某
(
なにがし
)
と刻せしめた。現實を
重
(
おもん
)
じた彼の孔子すら道行はれずば舟に乘つて去らうと云つたでは無いか。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
川柳久良岐
(
せんりゅうくらき
)
氏は弔した。「緑の朝」は
伊太利
(
イタリー
)
の劇作者ダヌンチオの作で「秋夕夢」と姉妹篇であるのを、
小山内薫
(
おさないかおる
)
氏が訳されたものである。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
後に
欧洲
(
おうしゅう
)
の
彷徨
(
ほうこう
)
の旅で知つたのである。それは
伊太利
(
イタリー
)
フロレンスの美術館の半円周の褐色の
嵌
(
は
)
め壁を背景にして立つてゐた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
かりに己が此のフィルムの製造せられる北部
伊太利
(
イタリー
)
のミラノの近傍、———
或
(
あるい
)
はアルプスの山の
麓
(
ふもと
)
、或いはコモの湖水の
滸
(
ほと
)
りに生れたとする。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
スエズで望んで来た小
亜細亜
(
アジア
)
と
亜弗利加
(
アフリカ
)
の荒原、ポオト・セエドを離れてから初めて眺めた地中海の波、
伊太利
(
イタリー
)
の南端——こう数えて見ると
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
父を乗せた自動車が、出で去つた後の車寄に附けられた自動車は、荘田がつい此間、
伊太利
(
イタリー
)
から求めた華麗なフィヤット型の大自動車であつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
彼等は、
仏蘭西
(
フランス
)
に行き、
伊太利
(
イタリー
)
に行くを常とした。しかし、そこはまた、彼等にとって、永住の地でなかったのである。
彼等流浪す
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
伊太利
(
イタリー
)
辺の音楽師を見るような気持ちもするが、さてどこの人間かを判定しようとなると、チョット見当が付きにくい。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ミニオンの
伊太利
(
イタリー
)
人は、
路傍楽
(
ろぼうがく
)
人にならねばならぬのです。隣室からルーレットの玉の転げる音が、悪魔の囁きのように妾の耳に響いて来ました。
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
僕は近頃になってハイネの「
伊太利
(
イタリー
)
紀行」の一節を再び思い出している。彼はこの古典の地を訪れ、「悲歌的に夢みながら廃墟の上に
坐
(
すわ
)
っている」
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
現に、
伊太利
(
イタリー
)
の十八世紀小説の中にですが、
凸凹
(
でこぼこ
)
の
鏡玉
(
レンズ
)
を透して癩患者を眺めたとき、それが
窈窕
(
ようちょう
)
たる美人に化したという話もあるとおりで……。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ポンペイの街をやうやく見物してしまつて、
午
(
ひる
)
過ぎて入口のところの
食店
(
レストラン
)
で赤
葡萄
(
ぶだう
)
酒を飲み、南
伊太利
(
イタリー
)
むきの料理を食べて疲れた身心を休めてゐる。
ヴエスヴイオ山
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
いろいろな名称に
伊太利
(
イタリー
)
そのまゝの地名や、吾々の知る歴史で有名な英雄が現れてゐるので、
羅馬
(
ローマ
)
にでも程近い駅路の海港場のやうにも思はれたが
山彦の街
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
共にラフアエルの画集をひもどきて我、これらの
画
(
ぐわ
)
にある
背景
(
バツク
)
の人酔はしむる趣こそ北
伊太利
(
イタリー
)
あたりの景色を彼が神筆に写し取りたるものとか聞く。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甲斐は酒が葡萄牙の葡萄酒で、甘味のあるものだから大和守の口に合うだろうこと、それを飲むための洋杯は、
伊太利
(
イタリー
)
のものだということを説明した。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今
私
(
わたくし
)
が申さなくても
夙
(
つと
)
に
御合点
(
ごがてん
)
のことですが、さてその時に、その前から他の一行
即
(
すなわ
)
ち
伊太利
(
イタリー
)
のカレルという人の一群がやはりそこを征服しようとして
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
やがて、味方の
墺太利
(
オーストリー
)
軍は北へ/\と追ひまくられて、
伊太利
(
イタリー
)
兵の銃剣が辻々をいかめしく固めてしまひました。
けむり(ラヂオ物語)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
伊太利
(
イタリー
)
の有名な犯罪学者ロンブロゾーの著書の中に、定型的な犯罪者の顔としてこのとおりの顔が載っているよ。
墓地の殺人
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
帰りは欧州の医療施設の見学かたがた西
独逸
(
ドイツ
)
、
仏蘭西
(
フランス
)
、
伊太利
(
イタリー
)
等を回ることにしましたが、私の言いたいのは西独逸のボンに滞在中のことだったのです。
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
外人サーカスでまず眼を驚かしたのが、
伊太利
(
イタリー
)
チャリネの曲馬団。明治十九年の夏、神田秋葉の原で最初の興行。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
電車の中でも
紙包
(
つつみ
)
を
披
(
ひら
)
いて見た、オリーブ表紙のサイモンヅの「
伊太利
(
イタリー
)
紀行」の三冊は、十幾年来憧れていて、それも此の春漸く手に入ったものであった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
表面は
伊太利
(
イタリー
)
の技師のバルトンと申すものが設計したことになっていましたがね。まあ考えて御覧なさい。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
伊太利
(
イタリー
)
唯一の天才と呼ばれた山岳画家ジョヴァンニ・セガンチーニが、夏の初めアルプス山の雪中で、
莟
(
つぼ
)
める薔薇を発見して「
薔薇の葉
(
エ・ローズ・リーフ
)
」という名画を描いた
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
実に
伊太利
(
イタリー
)
の美学者クローチェが言う如く、認識(観照)に無きものは表現に無く、表現に無きものは認識にないのである。吾人は知らないことを書き得ない。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
マヂニーは
何人
(
なんぴと
)
ぞや。彼は実に
伊太利
(
イタリー
)
新帝国建立の一人なり。彼は実に千八百〇五年、ゼノアに生る。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼の肉体に植物の繁茂し始めた歴史の最初は、彼の雄図を確証した
伊太利
(
イタリー
)
征伐のロジの戦の時である。彼の眼前で彼の率いた一兵卒が、弾丸に撃ち抜かれて
顛倒
(
てんとう
)
した。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
塑造科の先生は長沼守敬先生で、
伊太利
(
イタリー
)
からかえって日本でさかんに銅像の研究を進めておられた。
美術学校時代
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
一ヶ月後には
伊太利
(
イタリー
)
の海岸から新婚旅行の絵ハガキでも送る事になるだろうよ。然し運ってやつは不思議なものさ。煙草屋の店先で君に会おうとは思掛けなかったよ。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
茶リネの西洋曲馬というのは
伊太利
(
イタリー
)
人チャリネのひきゆる二十数名の外人一座、八月に来朝し、秋葉原に興行して、東京中をわかせるような大評判をとっているのである。
明治開化 安吾捕物:03 その二 密室大犯罪
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
明治七、八年の頃だったと思いますが、
尾張町
(
おわりちょう
)
の東側に
伊太利
(
イタリー
)
風景の見世物がありました。
銀座は昔からハイカラな所
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
伊太利
(
イタリー
)
中古フロレンチン式に、装飾されてあるこのギャレリーは、全く立派なものでした。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かくて一九一七年に至り、
伊太利
(
イタリー
)
の数学者で
希臘
(
ギリシア
)
数学史の一方の雄であるローリア博士が、日本の数学史を論じたことがあるが、その中には私の書いたものが引用中の大半を占めて居る。
数学史の研究に就きて
(新字新仮名)
/
三上義夫
(著)
「この季節は夜明けが遅いもんだから、ヴァロルブへ着いてもまだ暗いのに、
彼駅
(
あすこ
)
では税関の手続きがあるので、三十分間の停車です。貴方がたは多分
伊太利
(
イタリー
)
へいらっしゃるんでしょう」
ペルゴレーズ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
伊太利
(
イタリー
)
は自分の国語はラテン語の系統を引いているものであるから、これを使用せよと主張し、
西班牙
(
スペイン
)
もまた同国語は南米十ヶ国に行われ、使用の範囲が広いからこれを採用せよといい
国際聯盟とは如何なものか
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
英語はもとより、
仏蘭西
(
フランス
)
をどうの、
独乙
(
ドイツ
)
をこうの、
伊太利
(
イタリー
)
語、……
希臘
(
ギリシャ
)
拉甸
(
ラテン
)
……
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ことに最近は
独逸
(
ドイツ
)
のナチズムや
伊太利
(
イタリー
)
のファッシズムの大波に上下をあげてもまれている時代であり、その
影響
(
えいきょう
)
にくらべると、まだ一か月にも足りない友愛塾生活の影響など物の数ではなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
短躯で、禿頭で、鼻が小さく
鉤形
(
かぎがた
)
に曲つてゐて、眼の輪郭がはつきりしてゐて、見てゐると彼の日に燒け土と垢で汚れた風貌の中から、何となく
伊太利
(
イタリー
)
の農夫のやうな印象が現はれて來るのである。
南方
(旧字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
そうしてそのお礼にと云って、持っていた
伊太利
(
イタリー
)
革の手提の中から一本のネクタイピンを——とり出すと、私がどんなに断っても、自分の手で私のネクタイにさしてくれると云い張って聞かないのだ。
嘘
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
長くしなしなして、ちょっとの風にも物思わしげに揺れたり屈んだり伸びたりするアカシヤの並木がチェホフの書斎の
伊太利
(
イタリー
)
窓から見える。花壺の中の緑の
仙人掌
(
さぼてん
)
が庭にある。遠くの海に艦隊がきた。
シナーニ書店のベンチ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
すると、シイカがきゅうに、ちょうど食べていたネーブルを指さして、どうしてこれネーブルって言うか知ってて? と
訊
(
き
)
いた。それは
伊太利
(
イタリー
)
のナポリで、……と彼が言いかけると、いいえ違ってよ。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
まず、あなたは、いま、国外に追放されている反ファシストの連中が、続々
伊太利
(
イタリー
)
に潜入しつつある事実を、思わなければなりません。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
我々の聴き馴れたドイツ風の演奏に対する
伊太利
(
イタリー
)
風の演奏の面白さと言うよりは、むしろこの人の音楽的
気稟
(
きひん
)
の影響ではあるまいかと思う。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
父を乗せた自動車が、
出
(
い
)
で去った後の車寄に附けられた自動車は、荘田がつい
此
(
この
)
間、
伊太利
(
イタリー
)
から求めた華麗なフィヤット型の大自動車であった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
“伊太利”の意味
《固有名詞》
伊太利(イタリア)
イタリアの日本語による漢字表記。
(出典:Wiktionary)
伊
漢検準1級
部首:⼈
6画
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“伊太利”で始まる語句
伊太利亜
伊太利人
伊太利珊瑚
伊太利行
伊太利街
伊太利展
伊太利栗
伊太利亜種
伊太利俗談
伊太利俚譚