あまりに鷹揚で軽率で金銭のことなんか気にかけないジョルジュでさえ、母親が利用されてることに気づいた。そして不快を感じた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
五階の窓:01 合作の一(発端) (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この奇怪にしてしかも鷹揚なお嬢様は、今後必要に応じて、いくらでも兵馬のために、支出することを辞せない様子を見せている。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鴨料理の店「ツール・ダルジャン」のように堂々とした造りで、正装のボーイが鷹揚に構えているようなお店では、声も出ないのだろう。
すき焼きと鴨料理――洋食雑感―― (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
表面だけ鷹揚に構えてはいるが、どうして、どうして、清盛の鋭く光る目は、院の御所に向ってひときわ、きびしい光を見せるのであった。
現代語訳 平家物語:03 第三巻 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
襟に西田屋と染めぬいた隣りの客引きを鷹揚にさし招くと、これもまた一興というように打ち笑みながら呼びかけました。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
大山はそののんびりした性格どおり、太刀筋に極めて鷹揚なところがあった。しかし決して下手ではなかった。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
幕末維新懐古談:54 好き狆のモデルを得たはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
かもめ:――喜劇 四幕―― (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
玉村という男は事務机に向かって何か忙しそうに書き物をしていたが、私が上がってゆくと、急に、私の方へ向き直って、さあどうぞと鷹揚に椅子をすすめた。
私はかうして死んだ! (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)