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ばかげ
ふりがな文庫
“
馬鹿気
(
ばかげ
)” の例文
旧字:
馬鹿氣
慚愧
(
ざんき
)
の冷汗やら、散々なことでありましたが、それにつけても思うには、男と生まれて、こんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
た
真似
(
まね
)
の出来るものではない。
幕末維新懐古談:20 遊芸には縁のなかったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
余
(
よ
)
は
曾
(
かつ
)
て
如此
(
かくのごと
)
き事を
試
(
こゝろ
)
みし事なし、
否
(
い
)
な
試
(
こゝろ
)
みて
其
(
その
)
甚
(
はなは
)
だ
馬鹿気
(
ばかげ
)
切
(
きつ
)
たる事を
認
(
みと
)
めたれば
全然
(
ぜん/\
)
之を
放棄
(
はうき
)
せり、
道
(
みち
)
を
行
(
おこな
)
ふ
事
(
こと
)
是
(
こ
)
れ
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
く事なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
暗
(
あん
)
に人から
瞞
(
だま
)
されて、働かないでもすんだところを、無理に
馬鹿気
(
ばかげ
)
た働きをした事になっているから、奥さんの実着な勤勉は、精神的にも
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
チト宇宙の真理を見ればよいのサ。政事家は政事家で、自己の議論を実行して世界を画一のものにしようなんという
馬鹿気
(
ばかげ
)
ているのが有るし。
ねじくり博士
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「私の知ってる限りでは、一人の
狂人
(
きちがい
)
からです」スメエル教授は言った。「それは長い物語です。そしてある意味において
馬鹿気
(
ばかげ
)
た事なのです」
金の十字架の呪い
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
▼ もっと見る
世間では男子が生れると大造
目出度
(
めでた
)
がり、女の子でも無病なれば
先
(
ま
)
ず/\
目出度
(
めでた
)
いなんて、
自
(
おのず
)
から軽重があるようだが、コンな
馬鹿気
(
ばかげ
)
た事はない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
第一食事のために働くという
馬鹿気
(
ばかげ
)
た仕事がなくなっていいのだ、恋愛などもすぐ心と心が通じるのだからジメジメとした悩みなどもないのでいい
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
これは
馬鹿気
(
ばかげ
)
た一笑話であるが、実をいえば十七字の短詩形である俳句だけでは満足が出来なかったのである。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「
冗談
(
じょうだん
)
じゃねえ。おいらァいくら
何
(
な
)
んだって、こんな
匂
(
におい
)
をかぎたくッて、
通
(
かよ
)
うような
馬鹿気
(
ばかげ
)
たこたァ。……」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
知らないで、
応
(
うん
)
とさえ云えば、立派な旦那が附いて、三十円
遣
(
や
)
るというのに、まさか
囲者
(
かこいもの
)
には成らないと云うのだよ、何ういう訳だか、本当に
馬鹿気
(
ばかげ
)
ているよ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いや秋山さん、嘘をつくならもっと上手にやらんといかんよ、そんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
た話を、おいそれと私が信用すると思うかね。来たまえ、身体検査をさせていただく‼」
謎の頸飾事件
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「誰もかも手を使って働かなきゃならないなんて、お前の国でももっとも
馬鹿気
(
ばかげ
)
た
律法
(
おきて
)
だ。こんなことを考えるのも言わばお前が馬鹿だからだ。賢い人は何で働くか知っているか?」
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
こんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
た事の
罷
(
や
)
まない内はとても我邦に衛生思想の発達する
気支
(
きづかい
)
がない。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
しかし要らない事に自分の命を棄てる程
馬鹿気
(
ばかげ
)
た事はないじゃないか。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
しかしそれはほとんど問題とするに足りない
些細
(
ささい
)
な事柄です。ことに関係のないあなたにいわせたら、さぞ
馬鹿気
(
ばかげ
)
た意地に見えるでしょう。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
固
(
もと
)
より自分で殿様なんて
馬鹿気
(
ばかげ
)
たことを考える
訳
(
わ
)
けもなければ、家内の者もその通りで、
平生
(
へいぜい
)
と少しも
変
(
かわっ
)
た事はない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その多くの見世物の中で、特に私の興味を
捉
(
とら
)
えたものは
蛸
(
たこ
)
めがねという
馬鹿気
(
ばかげ
)
た奴だった。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「どうもこうもありませんが、あんまり
話
(
はなし
)
が
馬鹿気
(
ばかげ
)
てるんで、とうとう
辛抱
(
しんぼう
)
が
出来
(
でき
)
なくなりやしたのさ。——
師匠
(
ししょう
)
、ひとつあっしに、ちっとばかりしゃべらしておくんなせえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
おまえの髪と
確
(
しっか
)
り結び
合
(
あわ
)
せ
喼喼
(
きゅうきゅう
)
如律令
(
にょりつりょう
)
と
唱
(
とな
)
えて谷川に流し
捨
(
すて
)
るがよいとの事、憎や
老嫗
(
としより
)
の癖に我を
嬲
(
なぶ
)
らるゝとは
知
(
しり
)
ながら、
貴君
(
あなた
)
の
御足
(
おんあし
)
を
止度
(
とめた
)
さ故に
良事
(
よいこと
)
教
(
おし
)
られしよう
覚
(
おぼえ
)
て
馬鹿気
(
ばかげ
)
たる
呪
(
まじない
)
も
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
もっとも惚れると云うと、
馬鹿気
(
ばかげ
)
て見えるものでございますが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし自分の財産を棄てて
吾家
(
わがいえ
)
を出るなんて
馬鹿気
(
ばかげ
)
ている。財産はまあいいとして、——欽吾に出られればあとが困るから藤尾に養子をする。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
約束したからと云て時勢に
依
(
よっ
)
たものだ、この大変な騒動中に屋敷を買うと云うような
馬鹿気
(
ばかげ
)
たことがあるものか。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ふん、
何
(
な
)
んて
馬鹿気
(
ばかげ
)
た
話
(
はなし
)
なんだろう。こっちからお
頼
(
たの
)
み
申
(
もう
)
して
来
(
き
)
てもらった
訳
(
わけ
)
じゃなし。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これを
煮
(
た
)
き直して、小供は学校行きの弁当に入れてもらい、家では今日はお父さんのお手柄で久しぶりの洋食や、という事になるのかも知れない、などと私は
馬鹿気
(
ばかげ
)
た想像をめぐらした。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「甲野が神経衰弱だから、そんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
た事を云うんですよ。間違ってる。よし出るたって——叔母さんが甲野を出して、養子をする気なんですか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「面倒と云いや、面倒ですがね。そう面倒と云うよりむしろ
馬鹿気
(
ばかげ
)
ています。まあいい加減に書いては来ますが」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
禎二
(
ていじ
)
さんが
蒲団
(
ふとん
)
の横へ来て、どうですと尋ねたが、返事をするのが
馬鹿気
(
ばかげ
)
ていて何とも云う
了見
(
りょうけん
)
にならない。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
現に今筆を
執
(
と
)
って人格と書き出したら、何となく
馬鹿気
(
ばかげ
)
ていて、思わず
噴
(
ふ
)
き出しそうになったくらいである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さんざっ
腹
(
ぱら
)
冷
(
ひや
)
かされて、さあ御帰り、用はないからと云う段になって、もう
御免蒙
(
ごめんこうぶ
)
りますと立ち上ったようなものだ。こっちは
馬鹿気
(
ばかげ
)
ている。あっちは得意である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
漢学の先生は
蒟蒻版
(
こんにゃくばん
)
を
畳
(
たた
)
んだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
たものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そりゃ
馬鹿気
(
ばかげ
)
ている。一人で六十円使うのはもったいない。家を持っても楽に暮せる」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そう他の云う事が通じなくっちゃ困るのね。現在自分がちゃんとそこに控えていながら、その自分が解らないで、他に説明して
貰
(
もら
)
うなんてえのは
馬鹿気
(
ばかげ
)
ているじゃありませんか」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
○
御俊
(
おしゅん
)
伝兵衛は大層面白かった。あれは
他
(
ほか
)
のもののように
馬鹿気
(
ばかげ
)
た点がない。芸術と、人情と、頭脳が、平均を保っている。また
渾然融合
(
こんぜんゆうごう
)
している。幕の開いた時の感じもよかった。
明治座の所感を虚子君に問れて
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの時は感心もしたが、こうなって見ると
馬鹿気
(
ばかげ
)
ていらあ。君ありゃ
真面目
(
まじめ
)
かい」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎にも
馬鹿気
(
ばかげ
)
てゐる所が頗る
可笑
(
おか
)
しいんだが、
母
(
はゝ
)
の
言
(
いひ
)
条が、全く事実を離れた作り
話
(
ばなし
)
でないのだから、
其所
(
そこ
)
に気が付いた時には、成程軽卒な事をして
悪
(
わる
)
かつたと少しく後悔した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一応はもっともだが、説明が少し科学的でないようである。第一それほどの所なら穀類野菜ともに、もっとよくできなければならないはずだと思ったが、
馬鹿気
(
ばかげ
)
ているから議論もしなかった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
迷亭も
馬鹿気
(
ばかげ
)
た調子で「僕は知らん、知っていりゃ君だ」とつまらんところで
謙遜
(
けんそん
)
する。「いえ
御両人共
(
おふたりとも
)
御存じの事ですよ」と鼻子だけ大得意である。「へえー」と御両人は一度に感じ入る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな
馬鹿気
(
ばかげ
)
たものはない。
世
(
よ
)
の
好
(
い
)
い時分に
出稼
(
でかせ
)
ぎなどゝ云ふものはなかつた。みんな戦争の御
蔭
(
かげ
)
だ。何しろ
信心
(
しんじん
)
が大切だ。生きて働らいてゐるに
違
(
ちがひ
)
ない。もう少し待つてゐれば
屹度
(
きっと
)
帰つて来る。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬鹿気
(
ばかげ
)
た感じだから
滑稽
(
こっけい
)
のように思われるけれどもその時は正直にこんな馬鹿気た感じが起ったんだから仕方がない。この感じが滑稽に近ければ近いほど、自分は当時の自分を
可愛想
(
かわいそう
)
に思うのである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是ばかりは
馬鹿気
(
ばかげ
)
てゐて、
口
(
くち
)
へ出す勇気がなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
鹿
常用漢字
小4
部首:⿅
11画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“馬鹿”で始まる語句
馬鹿
馬鹿々々
馬鹿囃子
馬鹿野郎
馬鹿者
馬鹿馬鹿
馬鹿囃
馬鹿奴
馬鹿氣
馬鹿握