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鎮守
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ちんじゅ
ふりがな文庫
“
鎮守
(
ちんじゅ
)” の例文
旧字:
鎭守
さて少年たちは、午後二時に、学校がひけると、一度家へかえったあとで、そっと家をぬけ出して、集合所の
鎮守
(
ちんじゅ
)
さまの
境内
(
けいだい
)
へ急いだ。
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鎮守
(
ちんじゅ
)
の森の中をやたらに歩き廻っていた、という者もありますし、川の
土手
(
どて
)
をよろよろ歩いていた、という者もありました。
ひでり狐
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そしてそのなきがらを
埋
(
う
)
めたお
墓
(
はか
)
を
将軍塚
(
しょうぐんづか
)
といって、千
何年
(
なんねん
)
という
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
京都
(
きょうと
)
の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
神様
(
かみさま
)
のように
崇
(
あが
)
められて、
何
(
なに
)
か
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
災
(
わざわ
)
いの
起
(
お
)
こる
時
(
とき
)
には
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その時分に、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の社から下げて来たらしい太鼓が届くと、それを打鳴らし、やがて、この群集がおどり出しました。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
足を
圧
(
おさ
)
えた片手を
後
(
うしろ
)
へ、腰の
両提
(
ふたつさげ
)
の中をちゃらちゃらさせて、
爺様
(
じさま
)
頼んます、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
祭礼
(
まつり
)
を見に、頼まれた
和郎
(
わろ
)
じゃ、と言うと、船を寄せた
老人
(
としより
)
の腰は
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
芋
(
いも
)
、
味噌
(
みそ
)
、
醤油
(
しょうゆ
)
を与えると、それらの窮民らは得るに従って
雑炊
(
ぞうすい
)
となし、所々の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
社
(
やしろ
)
の
空地
(
あきち
)
などに
屯集
(
とんしゅう
)
して野宿するさまは物すごいとさえ言わるる。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
村の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
草相撲
(
くさずもう
)
や
盆
(
ぼん
)
の
踊
(
おどり
)
などもみなそれで、だから児童はこれを自分たちの遊びと思い、のちにはそのために、いよいよ成人が後へ退いてしまうのである。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
田舎の農夫等が年中大人しく真面目に働いているのが、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の祭とか、虫送りとか、盆踊りとか、そういう機会に平生の
箍
(
たが
)
をはずして、はしゃいだり怠け遊んだりした。
雑記(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ようやく歌川家の近く、
鎮守
(
ちんじゅ
)
様の下へさしかかったとき、木蔭から二人の女が私たちの方へ歩いてきた。あやかさんと宇津木秋子であった。私たちを迎えに来た様子であった。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
岩見
(
いわみ
)
武勇伝に出て来る
鎮守
(
ちんじゅ
)
の神——その正体は
狒々
(
ひひ
)
である——の
生贄
(
いけにえ
)
として、
白羽
(
しらは
)
の矢を立てられはせぬかと、戦々
兢々
(
きょうきょう
)
たる娘、及び娘を持てる親たちのような恐れと、哀れとを
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
又璿[#「璿」は底本では「※」]の弟
瓛
(
けん
)
、
遼東
(
りょうとう
)
の
鎮守
(
ちんじゅ
)
呉高
(
ごこう
)
、
都指揮使
(
としきし
)
楊文
(
ようぶん
)
と
与
(
とも
)
に兵を率いて
永平
(
えいへい
)
を囲み、東より北平を動かさんとしたりという。二子の護国の意の誠なるも知るべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
どこの家の軒にも
鎮守
(
ちんじゅ
)
の提灯が並んでつけてあって、国旗が闇にもそれと見える。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「おまえ達は、わしに
尾
(
つ
)
いて来ればよい。わしがいう通りになっておれ、炎と賊の中から、親や子や良人を救いに行くのだ。皆の上には、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の神様が加勢についている。怖れることはない」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
休日には郊外電車の駅で待合わせて、よく緑の
武蔵野
(
むさしの
)
を散歩した。こう目をつむると、小川が見えて来る。
土橋
(
どばし
)
が見えて来る。
鎮守
(
ちんじゅ
)
の森とでも云う様な、高い老樹の
樹立
(
こだち
)
や、石垣が見えて来る。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこで彼は、父が帰る時間まで、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
杜
(
もり
)
にかくれていることにした。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
鎮守
(
ちんじゅ
)
八幡でも、乞食の火が
険呑
(
けんのん
)
と云うので、つい去年拝殿に厳重な戸締りを設けて了うた。安さんの為に
寝所
(
しんじょ
)
が一つ無くなったのである。それかあらぬか、近頃一向安さんの影を見かけなくなった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そして、すぐその足で、女良の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
社
(
やしろ
)
におまいりをした。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
そして農場の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の社の傍の小作人集会所で女と会った。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一同はまず、狐の出そうな、そして徳兵衛の姿が見えたという、川の
土手
(
どて
)
の方へやってゆき、それから次に、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の森の方へやってゆきました。
ひでり狐
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
うんにゃ、それよりも
鎮守
(
ちんじゅ
)
さまのうしろに住んでいる
巫女
(
みこ
)
の
大多羅尊
(
だいだらそん
)
さまに頼んで、博士さまについている神様をよびだして、その神様に“早う、おできを
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あのはやしの音は、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の夜宮か、或いは若い衆連の稽古。その
音
(
ね
)
をたよりに里へ出ようとして、かえって里へ遠くなることを気づかないのはぜひもありません。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これによって思い合せることは、西の方の諸県では現在は村共同に、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の社において行う烏祭を、東北や越後は今も家々で、個々に営んでいるのが多いことである。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、此は
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
神巫
(
みこ
)
に似て、
然
(
しか
)
もなんば、と言ふ足どりで、少なからず威厳を損じた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
甲山
(
こうざん
)
に
鎮守
(
ちんじゅ
)
して二十七
世
(
せい
)
の
名家
(
めいか
)
、
武田菱
(
たけだびし
)
の
名聞
(
みょうもん
)
をなくし、あまたの一
族
(
ぞく
)
郎党
(
ろうどう
)
を討死させた責任をご一
身
(
しん
)
におい、
沙門遁世
(
しゃもんとんせい
)
のご
発心
(
ほっしん
)
! アア、それはよくわかっておりまする! お父上のご心中
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ると行手に一寸した森があって、中に何かの
社
(
やしろ
)
が祭ってある、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の森とでもいうのでしょうね、そこへ男はドンドン入って行くではありませんか。私はどうやら薄気味が悪くなって来ました。
盗難
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鎮守
(
ちんじゅ
)
の八幡宮の
茅葺
(
かやぶき
)
の古い社殿は街道から見えるところにあった。
華表
(
とりい
)
のかたわらには社殿修繕の寄付金の姓名と
額
(
たか
)
とが古く新しく並べて書いてある。
周囲
(
しゅうい
)
の
欅
(
けやき
)
の大木にはもう新芽がきざし始めた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
峠の上の国境に立つ
一里塚
(
いちりづか
)
の
榎
(
えのき
)
を左右に見て、新茶屋から
荒町
(
あらまち
)
へ出た。旅するものはそこにこんもりと茂った
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
杜
(
もり
)
と、涼しい
樹陰
(
こかげ
)
に荷をおろして
往来
(
ゆきき
)
のものを待つ
枇杷葉湯
(
びわようとう
)
売りなぞを見いだす。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこで、方々の村では、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
社
(
やしろ
)
に集まって
雨乞
(
あまご
)
いをしました。
御幣
(
ごへい
)
をたくさん立て、いろんなものを
供
(
そな
)
えて、雨が降るようにと鎮守の神に祈りました。
ひでり狐
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
久し振りの散歩につい興に乗って、思わずも歩を搬びすぎ、いつの間にか隣村の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
杜
(
もり
)
の傍に出た。
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
田舎
(
いなか
)
の広い
鎮守
(
ちんじゅ
)
の森にでもわけ入ったような心持で、番人などはいないのか知らと思われる。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこに祭っている
鎮守
(
ちんじゅ
)
の神の祭りに、住民が参加することになったなどはそれであり、また
外
(
ほか
)
からきた人に勧められて、とおくの尊とい
大神
(
おおかみ
)
をお迎え申したのもそれであった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二天記に、武蔵が二刀流は、幼少の時、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の舞殿で、
太鼓
(
たいこ
)
を打つ
撥
(
ばち
)
のつかいようを見て、それから悟ったと逸話的に伝えているが、その神社というのは、この川一すじ隣の讃甘神社のことであろう。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに、
鎮守
(
ちんじゅ
)
さまの秋祭の日がきました。いろいろの
見世物
(
みせもの
)
やおもちゃの店がでて、たいへんなにぎわいです。高一は、ミドリをさそっておまいりにゆきました。
電気鳩
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それよりももっとひろいのは、北陸では
能登
(
のと
)
の
七浦
(
しつら
)
村などでいうネンガラウチで、ここでは村の
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
御祭
(
おまつり
)
の日の遊びだが、西の方に行くとそれが子どものただの遊びとなっている。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ところへ、白帝城の
鎮守
(
ちんじゅ
)
李厳
(
りげん
)
の一子
李豊
(
りほう
)
が、唐突にやって来た。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おりからそこの
鎮守
(
ちんじゅ
)
にお
祭礼
(
まつり
)
がありました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
雪沢
(
ゆきさわ
)
村の
枝郷
(
えだむら
)
の黒沢という部落では、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
雷神様
(
らいじんさま
)
がお嫌いだからと謂って、一村の者すべて煙草をのまず、甚だしくこれを
忌
(
い
)
み
避
(
さ
)
けたということだが、現在はどうなっているかを知らぬ。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「おれは、良民の土を護る、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の神のおつかいだ!」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村の名の鬼沢と
産土
(
うぶすな
)
の社の名の鬼ノ宮とは果して今の口碑の結果であるか、はた原因であるかを決しかねるが後々までも村に怪力の人が輩出したといい、或いはまた大人が
鎮守
(
ちんじゅ
)
を約諾して
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“鎮守”の意味
《名詞》
辺境に兵士を派遣、駐在させ、外敵や現地の反乱などからその地を守ること。
国や村落などの地域やある施設を守護する神。
(出典:Wiktionary)
“鎮守(鎮守神)”の解説
鎮守神(ちんじゅがみ)は、特定の建造物や一定区域の土地を守護するために祀られた神である。現在では、氏神、産土神と同一視されることも多い。鎮守神を祀る社を鎮守社という。
(出典:Wikipedia)
鎮
常用漢字
中学
部首:⾦
18画
守
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
“鎮守”で始まる語句
鎮守府
鎮守様
鎮守府将軍
鎮守地
鎮守八幡
鎮守祭礼
鎮守稲荷
鎮守府将軍義家