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錫
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すゞ
ふりがな文庫
“
錫
(
すゞ
)” の例文
眞正面に据ゑてある
八足臺
(
やつあしだい
)
の上に注がれて、木の間を漏るゝ星明りに映し出された
錫
(
すゞ
)
の
神酒
(
みき
)
瓶手
(
へいし
)
が一
對
(
つゐ
)
、母を引き寄せるやうにして立つてゐた。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ところがたゞの
銅
(
どう
)
では
柔
(
やはら
)
かすぎ、
鑄造
(
ちゆうぞう
)
もむつかしいので、
銅
(
どう
)
に
錫
(
すゞ
)
をまぜて
青銅
(
せいどう
)
といふ
金屬
(
きんぞく
)
を
作
(
つく
)
り、これを
器物
(
きぶつ
)
の
材料
(
ざいりよう
)
としてゐた
時代
(
じだい
)
がありました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
組込
(
くみこみ
)
の三
脚
(
きやく
)
に
乗
(
の
)
る
錫
(
すゞ
)
の
鑵
(
くわん
)
に、
結晶
(
けつしやう
)
した
酒精
(
アルコール
)
の
詰
(
つ
)
まつたのが
添
(
そ
)
つて、
此
(
これ
)
は
普通
(
ふつう
)
汽車中
(
きしやちう
)
で
湯
(
ゆ
)
を
沸
(
わ
)
かす
器
(
うつわ
)
である。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「小判と見せかけた
錫
(
すゞ
)
の破片の財布。これは曲者のぢやねえ、此方の品だ。外に
拔刄
(
ぬきみ
)
が一本、あまり長くはない。脇差だが、相州物で、なか/\のワザ物らしいよ」
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
されど鑛山の出すものは黄金のみにあらず。白銀いだす脈もあり。
錫
(
すゞ
)
その外
卑
(
いやし
)
き金屬を出す脈もあり。その卑きも世に益あるものにしあれば、
只管
(
ひたすら
)
に言ひ
腐
(
くた
)
すべきにもあらず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
古渡
(
こわたり
)
の
錫
(
すゞ
)
の
真鍮象眼
(
しんちゅうぞうがん
)
の
茶托
(
ちゃたく
)
に、
古染付
(
ふるそめつけ
)
の結構な茶碗が五人前ありまして、
朱泥
(
しゅでい
)
の
急須
(
きゅうす
)
に今茶を入れて呑もうと云うので、南部の
万筋
(
まんすじ
)
の
小袖
(
こそで
)
に
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
兵子帯
(
へこおび
)
を締め、
本八反
(
ほんはったん
)
の
書生羽織
(
しょせいばおり
)
で
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
朝
(
あさ
)
には
患者等
(
くわんじやら
)
は、
中風患者
(
ちゆうぶくわんじや
)
と、
油切
(
あぶらぎ
)
つた
農夫
(
のうふ
)
との
外
(
ほか
)
は
皆
(
みんな
)
玄關
(
げんくわん
)
に
行
(
い
)
つて、一つ
大盥
(
おほだらひ
)
で
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ひ、
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
裾
(
すそ
)
で
拭
(
ふ
)
き、ニキタが
本院
(
ほんゐん
)
から
運
(
はこ
)
んで
來
(
く
)
る、一
杯
(
ぱい
)
に
定
(
さだ
)
められたる
茶
(
ちや
)
を
錫
(
すゞ
)
の
器
(
うつは
)
で
啜
(
すゝ
)
るのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
今
(
いま
)
すぐ
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
て
上
(
あ
)
げる」と云ひながら、折角
空
(
あ
)
けた
洋盃
(
コツプ
)
を其儘
洋卓
(
テーブル
)
の上に
置
(
お
)
いたなり、勝手の方へ
出
(
で
)
て行つた。
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
を通ると、
門野
(
かどの
)
は無細工な手をして
錫
(
すゞ
)
の
茶壺
(
ちやつぼ
)
から玉露を
撮
(
つま
)
み
出
(
だ
)
してゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「金魚の尾鰭に、
錫
(
すゞ
)
の
鐶
(
くわん
)
。走れよ、走れと申されし」(類諺集)
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
うら寒く
錫
(
すゞ
)
のやうなる雨降りぬイザルの川の秋の
切崖
(
きりぎし
)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
實際
(
じつさい
)
のところ
今日
(
こんにち
)
遺
(
のこ
)
つてゐる
種々
(
しゆ/″\
)
な
器物
(
きぶつ
)
から
考
(
かんが
)
へますと、
銅
(
どう
)
と
錫
(
すゞ
)
との
合金
(
ごうきん
)
である
青銅
(
せいどう
)
が、
一番
(
いちばん
)
早
(
はや
)
く
石
(
いし
)
に
代
(
かは
)
つて
廣
(
ひろ
)
く
使用
(
しよう
)
されることになつたといふべきでありませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
愛想
(
あいそ
)
も
盡
(
つ
)
かさず、こいつを
病人
(
びやうにん
)
あつかひに、
邸
(
やしき
)
へ
引取
(
ひきと
)
つて、
柔
(
やはら
)
かい
布團
(
ふとん
)
に
寢
(
ね
)
かして、
寒
(
さむ
)
くはないの、と
袖
(
そで
)
をたゝいて、
清心丹
(
せいしんたん
)
の
錫
(
すゞ
)
を
白
(
しろ
)
い
指
(
ゆび
)
でパチリ……に
至
(
いた
)
つては、
分
(
ぶん
)
に
過
(
す
)
ぎたお
厚情
(
こゝろざし
)
。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また
銅
(
どう
)
に
錫
(
すゞ
)
をまぜると
鑄
(
ゐ
)
るのに
容易
(
ようい
)
で、しかも
堅
(
かた
)
くつて
丈夫
(
じようぶ
)
であるといふことも、
最初
(
さいしよ
)
は
偶然
(
ぐうぜん
)
に
知
(
し
)
つたらしいのでありますが、
幾度
(
いくど
)
かの
經驗
(
けいけん
)
で
銅
(
どう
)
九分
(
くぶ
)
に
錫
(
すゞ
)
一分
(
いちぶ
)
をまぜあはすと
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
“錫”の意味
《名詞》
(すず) 金属元素の一つ。
(出典:Wiktionary)
“錫(スズ)”の解説
スズ(錫、en: Tin、de: Zinn)とは、典型元素の中の炭素族元素に分類される金属で、原子番号50の元素である。元素記号は Sn。
(出典:Wikipedia)
錫
漢検準1級
部首:⾦
16画
“錫”を含む語句
錫杖
錫蘭
錫箔
留錫
崔禹錫
巡錫
錫張
掛錫
錫崙
劉禹錫
天錫
無錫
鈴錫
九錫
錫紙
錫蘭博物志
錫筒
錫秋
錫細工
錫蘭山
...