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躰
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たい
ふりがな文庫
“
躰
(
たい
)” の例文
もう一と押しというところでいつも
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
す、あのみごとさはどうだ、と彼は思った。彼はよく考えてみて、それから独りで笑った。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
しかるにその日偶然にも二
躰
(
たい
)
の上人の作が私の目に映ったのです。目に映ったという方が応わしいでしょう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
腰
(
こし
)
をだに
掛
(
か
)
くる所もなく、唯両脚を以て
躰
(
たい
)
を
支
(
ささ
)
へて
蹲踞
(
そんきよ
)
するのみ、躰上に
毛氈
(
もうせん
)
と油紙とを
被
(
かふ
)
れども
何等
(
なんら
)
の
効
(
こう
)
もなし、人夫に
至
(
いた
)
りては
饅頭笠
(
まんじうがさ
)
既
(
すで
)
に初日の
温泉塲
(
をんせんば
)
に於て
破
(
やぶ
)
れ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
師走
(
しはす
)
の
月
(
つき
)
は
世間
(
せけん
)
一
躰
(
たい
)
物
(
もの
)
せわしき
中
(
なか
)
を、こと
更
(
さら
)
に
選
(
ゑ
)
らみて
綾羅
(
きら
)
をかざり、
一昨日
(
おとゝひ
)
出
(
で
)
そろひしと
聞
(
き
)
く
某
(
それ
)
の
芝居
(
しばゐ
)
、
狂言
(
けうげん
)
も
折
(
をり
)
から
面白
(
おもしろ
)
き
新物
(
しんもの
)
の、これを
見
(
み
)
のがしてはと
娘共
(
むすめども
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに、
見物
(
けんぶつ
)
は十五日
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一海賊は猛虎のごとく
跳
(
おど
)
りかかりヤット一声船長を斬りさげたり、船長の
躰
(
たい
)
は真二つに割れ、悲鳴を揚ぐるいとまもあらず、パッタリと倒る、血は
滾々
(
こんこん
)
と流れて、その辺は一面に真紅となれり
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
世には
躰
(
たい
)
健
(
すこや
)
かなるが為に心健かならざるもの多ければ、常に健やかなるものゝ十日二十日病床に臥すは、左まで恨むべき事にあらず、
況
(
ま
)
してこの秋の
物色
(
けしき
)
に対して、命運を学ぶにこよなき
便
(
よすが
)
あるをや。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
片手で払い落とした隙を、ドッとあてた
躰
(
たい
)
にあたり!
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「これだけ長いあいだ逢っていながら、いつもうまく
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
されておあずけばかりだ、このあいだの伊賀正のときだってそうだろう」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
海中
(
かいちう
)
の
魚族
(
ぎよぞく
)
にも、
優勝劣敗
(
ゆうしやうれつぱい
)
の
數
(
すう
)
は
免
(
まぬ
)
かれぬと
見
(
み
)
へ、
今
(
いま
)
小
(
ちいさ
)
い
沙魚
(
ふか
)
の
泳
(
およ
)
いで
居
(
を
)
つた
波
(
なみ
)
の
底
(
そこ
)
には、
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
巨大
(
きよだい
)
の一
尾
(
び
)
が
居
(
を
)
りて、
稻妻
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
躰
(
たい
)
を
跳
(
をど
)
らして、
只
(
たゞ
)
一
口
(
くち
)
に
私
(
わたくし
)
の
釣
(
つり
)
ばりを
呑
(
の
)
んでしまつたのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
興
(
けう
)
に乗じて
横臥
(
わうぐわ
)
すれば、時々
笹蝨
(
ささむし
)
の
躰
(
たい
)
を
刺
(
さ
)
して眼を
覚
(
さ
)
ますあり、
痛痒
(
つうしやう
)
頗る
甚
(
はなはだ
)
し、之れ
笹
(
ささ
)
を臥床となすを以て、之に寄生せる
蝨
(
むし
)
の
這
(
は
)
ひ来れるなり、夜中吉田署長
急
(
きう
)
に病み、
脉搏
(
みやくはく
)
迅速にして
発熱
(
はつねつ
)
甚し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
いまも井上という上位の門人と立ち合っているが、
躰
(
たい
)
の構え足の踏みかたが異様である。慥かになにか法
外
(
はず
)
れな手を案じだしたらしい。
主計は忙しい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
山勢
(
さんせい
)
殆
(
ほと
)
んど直立、
加
(
くわ
)
ふるに
突兀
(
とつこつ
)
たる
危岩
(
きがん
)
路に
横
(
よこた
)
はるに非れば、
佶倔
(
きつくつ
)
たる石南樹の
躰
(
たい
)
を
遮
(
さへぎ
)
るあり、
若
(
も
)
し一たび
足
(
あし
)
を
誤
(
あやま
)
らんか、一
転
(
てん
)
忽ち
深谷
(
しんこく
)
に
落
(
お
)
つるを以て、一行の両眼は
常
(
つね
)
に
注
(
そそ
)
ぎて頭上の
山頂
(
さんてう
)
にあり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
そのときおみのは十九で、そろそろ縁談が断われなくなっていたが、「ぐず」と云われるにしては芯が強く、やんわりと
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
してきた。
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
吹っかけ、そのため老人たちにうまく
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
されてしまった、いや、こっちが左遷されたという結果が、そのまま重職諸公に躰を躱されたことになるのさ
改訂御定法
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
徳利の口から飲むとみえたが、いきなり
肱
(
ひじ
)
を返して徳利を投げつけ、喜兵衛が
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
すところへとびかかった。
霜柱
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「きっと講釈入りで教えようってえこんたんだろうが、あのじじいのぶくぶく肥えたずう
躰
(
たい
)
を見るだけで、おらあ胸がむかついてくるんだ、まっぴら
牛蒡
(
ごぼう
)
のとんぼ返りだ」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして巻いた反故紙を取り出すと、それを両手で持ったまま、
敏捷
(
びんしょう
)
に七十郎へとびかかった。殆んど躯を叩きつけるような勢いで、七十郎は思わず
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
したくらいであった。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「力ではない術だ、そのうえやわらは
躰
(
たい
)
さばきが
敏捷
(
びんしょう
)
で、刀法とはまったく進退動作が違う、確言はできないが、おれの眼で見たとこだと、彼はたぶん柿崎に勝つだろう、十中八九まで勝つだろうと思う」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
してはいけない、本心と本心でぶっつかるときだ。
竹柏記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
又四郎は辛うじて
躰
(
たい
)
を
躱
(
かわ
)
すのであった。
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“躰(
体
)”の解説
体(體、躰、躯、身体、からだ)、身体(しんたい)は、生物学的かつ文化的に規定された、有機体としての人間や動物の構造を指す。人間は身体を通じて世界を経験し、世界を構成する。
(出典:Wikipedia)
躰
部首:⾝
12画
“躰”を含む語句
身躰
一躰
勿躰
躰躯
五躰
容躰
正躰
大躰
魚躰
死躰
肉躰
躰力
躰臭
躰質
全躰
同躰
躰当
船躰
躰温
躰格
...