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祈祷
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きたう
ふりがな文庫
“
祈祷
(
きたう
)” の例文
翌朝
(
よくてう
)
セルゲイ、セルゲヰチは
此
(
こゝ
)
に
來
(
き
)
て、
熱心
(
ねつしん
)
に十
字架
(
じか
)
に
向
(
むか
)
つて
祈祷
(
きたう
)
を
捧
(
さゝ
)
げ、
自分等
(
じぶんら
)
が
前
(
さき
)
の
院長
(
ゐんちやう
)
たりし
人
(
ひと
)
の
眼
(
め
)
を
合
(
あ
)
はしたので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
山茶が部屋を去つた後、金花は独り壁に懸けた十字架の前に
跪
(
ひざまづ
)
いて、受難の基督を仰ぎ見ながら、熱心にかう云ふ
祈祷
(
きたう
)
を捧げた。
南京の基督
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「本人は
山伏
(
やまぶし
)
崩れだと言つてはゐますがね。野伏せり見たいな野郎で、八
卦
(
け
)
も
祈祷
(
きたう
)
も
禁呪
(
まじなひ
)
も心得てゐる上に
法螺
(
ほら
)
と武術の達人で」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日
(
こんにち
)
、
之
(
これ
)
を
復興
(
ふくこう
)
するを
得
(
う
)
べし、而して
其
(
その
)
復興
(
ふくこう
)
の
方
(
はう
)
たるや、
安楽椅子
(
あんらくいす
)
に
倚
(
よ
)
り
罹
(
かゝ
)
り、或は
柔軟
(
じうなん
)
なる
膝褥
(
しつぢよく
)
の
上
(
うへ
)
に
跪
(
ひざまづ
)
き
如何程
(
いかほど
)
祈祷
(
きたう
)
叫号
(
きうごう
)
するも
無益
(
むえき
)
なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
待居
(
まちゐ
)
たり半兵衞は
頓
(
やが
)
て歸り來り
偖々
(
さて/\
)
御太儀なりしお小僧にも
臺所
(
だいどこ
)
へ行て食事仕玉へと云ひければ寶澤は
嬉
(
うれ
)
し
氣
(
げ
)
に
下行
(
おりゆき
)
食事も
畢
(
をはり
)
ける頃感應院も
祈祷
(
きたう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
祈祷
(
きたう
)
を思ひ出して、ゆき子は、明日の日は、伊庭に捕へられても、今日の迷ひを迷つた方が、はるかに
愉
(
たの
)
しいのだと、捨てばちな気持ちであつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
多くの人の見る前で、砂を盛つた植木鉢へコスモスの
種子
(
たね
)
などを
蒔
(
ま
)
いて、じつと
祈祷
(
きたう
)
を
凝
(
こら
)
す。すると
種子
(
たね
)
が
弾
(
はじ
)
けて芽はぐん/\砂を持上げて頭を出して来る。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
家族
(
かぞく
)
は
一統
(
いつとう
)
、
加持
(
かぢ
)
よ
祈祷
(
きたう
)
よ、と
青
(
あを
)
くなつて
騷
(
さわ
)
いだが、
私
(
わたし
)
に
似
(
に
)
ない
其主人
(
そのしゆじん
)
、
膽
(
たん
)
が
据
(
すわ
)
つて
聊
(
いさゝ
)
かも
騷
(
さわ
)
がない。
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼の奇妙な
祈祷
(
きたう
)
はこんな風にして行はれた。それはこの時のみならず常にかうして行はれてあつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
篠田は
起
(
た
)
つて聖書を読み、
祈祷
(
きたう
)
を捧げ、
扨
(
さ
)
て
今宵
(
こよひ
)
の珍客なる少年少女に
向
(
むかつ
)
て勧話の口を開けり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
孔孟
(
こうまう
)
の道は尊ばれたやうでも、実は文章詩賦が
流行
(
はや
)
つたのみで、仏教は尊崇されたやうでも、実は現世
祈祷
(
きたう
)
のみ盛んで、事実に於て
神祠巫覡
(
しんしふげき
)
の徒と
妥協
(
だけふ
)
を遂げ、貴族に
迎合
(
げいがふ
)
し
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
これがほんたうの
祈祷
(
きたう
)
の手。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
霙は
祈祷
(
きたう
)
の胸を打つ景色
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
一兩だつて大膳坊の身へはつけません、——私は二分の
祈祷
(
きたう
)
料を頂くから、それで結構——と言つた、サバサバした坊主ですよ
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから家へ帰つて来ると、寝床の前に
跪
(
ひざまづ
)
き、「神様、どうかあの
蟇
(
ひき
)
がへるをお助け下さい」と十分ほど熱心に
祈祷
(
きたう
)
をした。
素描三題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は
微笑
(
びせう
)
を
以
(
もつ
)
て
苦
(
くるしみ
)
に
對
(
むか
)
はなかつた、
死
(
し
)
を
輕蔑
(
けいべつ
)
しませんでした、
却
(
かへ
)
つて「
此
(
こ
)
の
杯
(
さかづき
)
を
我
(
われ
)
より
去
(
さ
)
らしめよ」と
云
(
い
)
ふて、ゲフシマニヤの
園
(
その
)
で
祈祷
(
きたう
)
しました。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
始め彼三五郎鴻の巣なる鎌倉屋金兵衞其
外
(
ほか
)
野州
(
やしう
)
浪人八田掃部三加尻茂助練馬藤兵衞などの
菩提
(
ぼだい
)
を
弔
(
とぶら
)
ひ又元栗橋の
隱亡
(
をんばう
)
彌十などの
安穩
(
あんをん
)
に歸島致す樣
祈祷
(
きたう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
既に文書
認
(
したゝ
)
め
了
(
おは
)
りし篠田は、今や聖書
繙
(
ひもと
)
きて、就寝前の
祈祷
(
きたう
)
を捧げんとしつゝありしなり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
大日向さまが、世間の
山師
(
やまし
)
のやうに、即座によくなるといふやうな、そんな教へは絶対にしませんので、その人々の
祈祷
(
きたう
)
の根気を、御覧になり次第で、病悪を去つていたゞきます
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
現に将門を滅ぼす
祈祷
(
きたう
)
をした
叡山
(
えいざん
)
の
明達
(
めいたつ
)
阿闍梨
(
あじやり
)
の如きも、松尾明神の託宣に、明達は阿倍仲丸の生れがはりであるとあつたといふことが
扶桑略記
(
ふさうりやくき
)
に見えてゐるが、これなぞは随分
変挺
(
へんてこ
)
な御託宣だ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
顏が見えました。それから門前町の文七、伜の文太郎は七日七夜の
祈祷
(
きたう
)
で百兩もかけたのに助からなかつたと、先達樣の惡口を
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
秀林院様も「はらいそ」へはお昇り遊ばさるることかなふまじく候、但し「みさ」と申す
祈祷
(
きたう
)
を奉られ候はば、その
功徳
(
くどく
)
広大にして、悪趣を免れさせ候べし。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
アンドレイ、エヒミチは
體裁惡
(
きまりわる
)
く
思
(
おも
)
ひながら、
聖像
(
せいざう
)
に
接吻
(
せつぷん
)
した。ミハイル、アウエリヤヌヰチは
唇
(
くちびる
)
を
突出
(
つきだ
)
して、
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
りながら、
又
(
また
)
も
小聲
(
こゞゑ
)
で
祈祷
(
きたう
)
して
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
してゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
遠い山の中で、獣の
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
を聴いてゐるやうな
祈祷
(
きたう
)
の声がなかつたら、此の玄関は、
田舎
(
ゐなか
)
の病院にでもゐるやうな錯覚をおこす。大津しもが、ゆき子を眼にとめると、すつと立つて来て
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
やい、岡つ引奴、俺が向うの部屋で、下手人調伏の
祈祷
(
きたう
)
をしてゐる間に、俺の部屋へ入つて、手當り次第に掻き廻すとは何んといふことだ。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
祈祷
(
きたう
)
を頼むとき、道尊坊さんには、置床の柱に見せた竹筒に九百九十兩入つたのを盜まれた——と話しましたが、それは盜まれてから後の事で」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東海坊の法力で、一番江戸の町人を驚かしたのは、如何なる難病も癒らぬことはないと言はれた
祈祷
(
きたう
)
でした。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の常識と、長い間の經驗から見ると、地下埋藏金といふものは、實際あるかも知れませんが、
祈祷
(
きたう
)
や
禁呪
(
まじなひ
)
でそれが發見されるなどといふことは、考へられないことです。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二、三度頼んで見ましたが、あべこべに脅かされるだけでした。——お前さんは若い女の生き
靈
(
りやう
)
に
憑
(
つ
)
かれてゐる。加持も
祈祷
(
きたう
)
も力及ばない、いづれはその憑きものの爲めに命を
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父の半狂亂に氣を揉み
乍
(
なが
)
らも、母の目論見の底を割り兼ねて、默つてしばらく樣子を見てゐるうちに、多の市は
似非
(
えせ
)
修驗者の道尊坊を頼んで來て、
大袈裟
(
おほげさ
)
な
祈祷
(
きたう
)
を始めました。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それより、大膳坊に逢はせて下さい。一の倉で
祈祷
(
きたう
)
をして居ると聽きました」
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
呆
(
あき
)
れた野郎だ、山伏の
祈祷
(
きたう
)
をめりやすと間違えてやがる」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“祈祷(祈り)”の解説
祈り(いのり)とは、宗教によって意味が異なるが、世界の安寧や、他者への想いを願い込めること。利他の精神。自分の中の神と繋がること。神など神格化されたものに対して、何かの実現を願うこと。神の定理は各宗教による。祈祷(祈禱、きとう)、祈願(きがん)ともいう。儀式を通して行う場合は礼拝(れいはい)ともいう。
(出典:Wikipedia)
祈
常用漢字
中学
部首:⽰
8画
祷
漢検準1級
部首:⽰
11画
“祈祷”で始まる語句
祈祷書
祈祷所
祈祷会
祈祷料
祈祷式
祈祷者
祈祷師
祈祷文
祈祷台
祈祷場