破損はそん)” の例文
なにかはつたことでもおこりましたか、しや、昨夜さくや海嘯つなみのために、海底戰鬪艇かいていせんとうてい破損はそんでもせうじたのではありませんか。』
また石器時代せつきじだいひと一度いちど石器せつき破損はそんした場合ばあひには、たいていてゝしまひ、これを改造かいぞうするようなことはなかつた。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ふたりは前檣ぜんしょうの下へきて、その破損はそん個所かしょをあらためてみると、帆は上方のなわがれているが、下のほうだけがさいわいに、帆桁ほげたにむすびついてあった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
蜘蛛くものようにその肩から六本の手を出したこの異様な偶像は、あたりの静寂を一層強めるばかりでなく、その破損はそん磨滅まめつの彫刻が、荒廃の跡に対してれもが感ずる
曇天 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そのほか道路どうろ破損はそんはしながれおちたものなどくはへて、總損失そうそんしつ一億一千三百餘萬圓いちおくいつせんさんびやくよまんえん、その復舊費ふつきゆうひ二千四百餘萬圓にせんしひやくよまんえんれると合計ごうけい一億三千七百餘萬圓いちおくさんぜんしちひやくよまんえんといふ計算けいさんでした。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
入れ則ち借主は常樂院請人は紅屋庄藏として調印てういん宿老しゆくらうへも相屆け萬端ばんたん事も相濟たれば常樂院はなほも紅屋方に逗留とうりうし翌日より大工泥工さくわん諸職人しよしよくにんを雇ひ破損はそんの處は修復しゆふく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
普通ふつう出來できてゐる水道鐵管すいどうてつかんは、地震ぢしんによつて破損はそんやすい。たゞ大地震だいぢしんのみならず、一寸ちよつとしたつよ地震ぢしんにもさうである。とく地盤ぢばんよわ市街地しがいちおいてはそれが著明ちよめいである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
だう書附かきつけには故将堂こしやうだうとあり、おほきわづか二間四方許にけんしはうばかり小堂せうだうなり、本尊ほんぞんだにみぎごとくなれば、此小堂このせうだう破損はそんはいふまでもなし、やう/\にえんにあがりるに、うちほとけとてもなく
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やれやれ! 何も知らないお客さんが、十銭玉せんだま加平かへいの手ににぎらせて、自転車にのっていってしまうと、ふたりはポンプの破損はそんという大きなかべのようなつみに面と向かわねばならなかった。
空気ポンプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
其都度そのつど紛失物ふんしつもの出來できますやら品物しなもの破損はそんなどはおびたゞしいことで、うすれば此樣こんなに不人情ふにんじやうものばかり寄合よりあふのか、世間一體せけんいつたい此樣このやう不人情ふにんじやうなものか、それともわたし一人ひとりなげかせやうといふので
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この土器どき石器せつきおなじように、あるひは石器せつきよりもより以上いじように、一度いちど破損はそんした場合ばあひはとうてい修繕しゆうぜん出來できない。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
十、 餘震よしん其最大そのさいだいなるものも最初さいしよ大地震だいぢしん十分じゆうぶんいち以下いか勢力せいりよくである。最初さいしよ大地震だいぢしんしの木造家屋もくぞうかおくは、たとひ多少たしよう破損はそんをなしても、餘震よしんたいしては安全あんぜんであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ゆきなだれとは、傾斜地けいしやちつもつたゆきが、はるあたゝかくなつたために、下側したがは地面じめん氷結ひようけつした部分ぶぶんきゆうけるのでもつて、きゆうすべちるもので、そのために山麓さんろく人畜じんちく農地のうち道路等どうろなど破損はそんし、土砂どしや
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
貝塚かひづかなかからは貝殼かひがらほねのようなものゝほかに、その時分じぶん人間にんげん使用しようしてゐた石器せつきだとか骨器こつきだとか、また土器どきだとかの破損はそんしてすてられたものや、あるひは遺失いしつしたものなどが發見はつけんせられます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)