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煖炉
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だんろ
ふりがな文庫
“
煖炉
(
だんろ
)” の例文
旧字:
煖爐
巨大な
煖炉
(
だんろ
)
、ゆったりした台所、ひろびろした地下の蔵、宴会用の豪華な広間。すべてが過ぎし昔のにぎやかな酒宴を物語っている。
ジョン・ブル
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
貞之助と三人の姉妹とは応接間の
煖炉
(
だんろ
)
にぱちぱちはねる
薪
(
まき
)
の音を聞きながら、久しぶりに顔を
揃
(
そろ
)
えてチーズと白葡萄酒の小卓を囲んだ。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それから彼の寝台その他の必要品を
煖炉
(
だんろ
)
の両側に置いて、そこと他とを仕切るために、印度の織物で二つのスクリーンを張った。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
朝なんぞ、
煖炉
(
だんろ
)
に一度組み立てた薪がなかなか燃えつかず、しまいに私は
焦
(
じ
)
れったくなって、それを荒あらしく引っ掻きまわそうとする。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
やがてまた戻って来ると、
膝
(
ひざ
)
で絞め殺されそうなのもものともせず、無理やり私たちの囲みを押し破って、とうとう
煖炉
(
だんろ
)
の一角に
辿
(
たど
)
り着く。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
歿
(
な
)
くなった父が学者であったことが、ちらりと思い泛べられます。他の子供たちは
煖炉
(
だんろ
)
を取り囲んで大人びた形で
勿体
(
もったい
)
振った討議を致します。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
自然学の趣味もあるという事が分かる。家具は、部屋の隅に
煖炉
(
だんろ
)
が一つ据えてあって、その側に
寝台
(
ねだい
)
があるばかりである。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
最早
煖炉
(
だんろ
)
なしに暮すことも出来た。一雨
毎
(
ごと
)
に彼は春の来るのを感じた。漸くマロニエの芽もふくらんで来るように成った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ただ一つ覚えているのは、待合室の
煖炉
(
だんろ
)
の前に汽車を待っていた時のことである。保吉はその時
欠伸
(
あくび
)
まじりに、教師と云う職業の
退屈
(
たいくつ
)
さを話した。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
棚や
煖炉
(
だんろ
)
の上には粗製の漆器や
九谷焼
(
くたにやき
)
などが並べてある。中にはドイツ製の九谷まがいも交じっているようであった。
異郷
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
帳場の前を横切って食堂に這入ると、丁度客が一人もないので、給仕が二三人
煖炉
(
だんろ
)
の前で話をしていたが、驚いたような様子をして散ってしまった。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それから
煖炉
(
だんろ
)
のそばへ行く。山のように
焚木
(
たきぎ
)
を燃やしても、湿り切った大きな部屋は、ねっから暖くならなかった。
初雪
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
博士は
卓子
(
テーブル
)
の蔭から半身を出して見送ったが……亡霊の姿は
煖炉
(
だんろ
)
の処で、急に
掻消
(
かきけ
)
すように見えなくなって
了
(
しま
)
った。
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
だらしない服装をしたジョウジ・ジョセフ・スミス——その時はかなりの年配で、立流な口
鬚
(
ひげ
)
を貯えていた——が、台所の
煖炉
(
だんろ
)
の前で石炭を割っていた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
それはこの日珍らしく未亡人が気分のいゝ顔付で
母屋
(
おもや
)
に出て来たので、信徳は若夫人に云ひつけて家中で一番居心地のいゝその部屋の
煖炉
(
だんろ
)
に石炭をくべさせ
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
そう言って、魔法の祭壇をどんと蹴飛ばし、
煖炉
(
だんろ
)
にくべて燃やしてしまった。祭壇の諸道具は、それから七日七晩、
蒼
(
あお
)
い火を挙げて燃えつづけていたという。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
きれいに片付いた客間には、大燈架のガスの
焔
(
ほのお
)
と、壁
煖炉
(
だんろ
)
の上の
蝋燭
(
ろうそく
)
とが燃えている。床板には
滑石
(
かっせき
)
がまいてあり、無言の半円をなして、弟子たちが立ち並んでいる。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
隣室の客が帰って来た
気勢
(
けはい
)
に、ふと目がさめると、その時はもう
煖炉
(
だんろ
)
を境とした一方の隣りにあるサルンにも人声が絶えて、ホテルはしんと静まりかえっていたので
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから二三分は
全
(
まつた
)
く静かになつた。部屋は
煖炉
(
だんろ
)
で
温
(
あたゝ
)
めてある。
今日
(
けふ
)
は
外面
(
そと
)
でも、さう寒くはない。
風
(
かぜ
)
は死に尽した。
枯
(
か
)
れた
樹
(
き
)
が
音
(
おと
)
なく冬の
日
(
ひ
)
に
包
(
つゝ
)
まれて立つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
錆のふいた
煖炉
(
だんろ
)
、それからこちこちな寝床。
階下
(
した
)
の部屋には置けないほど使いふるした椅子、テエブル。明りとりの
天窓
(
ひきまど
)
には、物憂い灰色の空がのぞいているばかりです。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
先生は形ばかり西洋模倣の
倶楽部
(
クラブ
)
やカフェーの
煖炉
(
だんろ
)
のほとりに葉巻をくゆらし、新時代の人々と舶来の
火酒
(
ウイスキー
)
を傾けつつ、恐れ多くも天下の御政事を
云々
(
うんぬん
)
したとて何になろう。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
紳士が広間へ入って来ると、鮎子さんが
煖炉
(
だんろ
)
の前の椅子へ案内して森川氏の葉巻をすすめた。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その壁には鉛筆画、チョオク画、油絵
等
(
とう
)
のスケッチを多く掛けあり。枠に入れたると入れざると
交
(
まじ
)
れり。
前手
(
まえて
)
に小さき
円形
(
まるがた
)
の鉄の
煖炉
(
だんろ
)
あり。その上に
鍋
(
なべ
)
類を二つ三つ載せあり。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
「おう、つめたい。
馬鹿
(
ばか
)
めが
煖炉
(
だんろ
)
に火を絶やしやあがったな」なんかんというのよ。
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
私は彼女を見た。彼女は
煖炉
(
だんろ
)
のまえにしゃがんでしきりに石炭の火をくずしている。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
益
(
ますま
)
す寒威の募るに堪へざりければ、
遽
(
にはか
)
に
煖炉
(
だんろ
)
を調ぜしめて、彼は西洋間に
徙
(
うつ
)
りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その食堂の
煖炉
(
だんろ
)
棚の上には、泰造の秘蔵しているギリシアの壺が飾られていた。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
式台は
悪冷
(
わるつめた
)
く外套を脱ぐと
嚏
(
くさめ
)
が出そうなのに
御内証
(
ごないしょう
)
は
煖炉
(
だんろ
)
のぬくもりにエヘンとも言わず、……蒔絵の
名札受
(
なふだうけ
)
が出ているのとは
些
(
ち
)
と勝手が違うようだから——私ども夫婦と、もう一人の若い方
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ほっと息をついて元の部屋へ戻ると、李太郎は竈の下の燃えさしを持って来て、寝床の
煖炉
(
だんろ
)
に入れてくれた。老人も枯れた高粱の枝をかかえて来て、惜し気もなしに炉の中へたくさん押込んだ。
雪女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
応接間の構造は
流石
(
さすが
)
に当市でも一流どころだけあって実に見事なものであった。天井裏から下った銀と
硝子
(
ガラス
)
の森林みたような花電燈。それから黒
虎斑
(
ぶち
)
の這入った石造の大
煖炉
(
だんろ
)
。理髪屋式の大鏡。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
たしかにこれは、
狭苦
(
せまくる
)
しい
管
(
くだ
)
や小さい
煖炉
(
だんろ
)
の中を
這
(
は
)
いずりまわるのとは、いささかわけが
違
(
ちが
)
っていました。そよ風がすがすがしく
吹
(
ふ
)
いていました。町じゅうが緑の森のあたりまで見わたせました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
焚
(
た
)
かねば邪魔になる
煖炉
(
だんろ
)
取除
(
とりの
)
けさせたる次の朝の寒さ
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ハイカラはいきに同じや
煖炉
(
だんろ
)
燃ゆ
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
何処かの
煖炉
(
だんろ
)
に月が放り込まれた
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
彼らはさまざまなことをしていた。順番廻りのカルタ遊びをしているものもあり、
煖炉
(
だんろ
)
のまわりで話をしているものもあった。
クリスマス・イーヴ
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
夜、すっかりもう寝るばかりに支度をして置いてから、私は
煖炉
(
だんろ
)
の傍で、風の音をときどき気にしながら、リルケの「レクヰエム」を読み始めた。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
煖炉
(
だんろ
)
棚の上に載っている、妙子の作った仏蘭西人形を気にしたので、大丈夫でっしゃろ、まさかそんなに
来
(
け
)
えしませんやろ、などと云っていたが
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ええ。あちらの方に
煖炉
(
だんろ
)
が焚いてございます。」こう云って、女中は廊下の行き留まりの戸まで連れて行った。
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
龍助の画室は洋館の
離室
(
はなれ
)
を改造したもので、明りとりも大きく、
贅沢
(
ぜいたく
)
な嵌込み
煖炉
(
だんろ
)
があって窓は全部二重
硝子
(
ガラス
)
になっている十坪ほどのがっちりした部屋だった。
正体
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
縁
(
へり
)
に金を入れた白い
天井
(
てんじょう
)
、赤いモロッコ皮の
椅子
(
いす
)
や長椅子、壁に
懸
(
か
)
かっているナポレオン一世の肖像画、
彫刻
(
ほり
)
のある
黒檀
(
こくたん
)
の大きな書棚、鏡のついた大理石の
煖炉
(
だんろ
)
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
長い
冬籠
(
ふゆごも
)
りの近づいたことを思わせるような日が来ていた。ルュキサンブウルの公園にある噴水池も凍りつめるほどの寒さが来ていた。部屋の
煖炉
(
だんろ
)
には火が
焚
(
た
)
いてあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
靴はどうでもいいが大事の書物がずいぶん厄介だ。これは大変な荷物だなと思って板の間に並べてある本と、
煖炉
(
だんろ
)
の上にある本と、机の上にある本と、書棚にある本を見廻した。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひっそりとして物音無し。娘は
徐
(
しずか
)
に
煖炉
(
だんろ
)
に歩み寄り、その上なる素焼の
瓶
(
びん
)
を取りて絵具入の箪笥の上に据え、それに翁草の花を挿す。その
間
(
あいだ
)
に画家は少し身を動かし、娘を見る。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
そのうちに、ド・ラ・トール・サミュールの老侯爵が
起
(
た
)
ちあがって、
煖炉
(
だんろ
)
の枠によりかかった。侯爵は当年八十二歳の老人である。かれは少し
慄
(
ふる
)
えるような声で、次の話を語り出した。
世界怪談名作集:15 幽霊
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
サンルウムのような広いベランダを東と西に持ったサルンの
煖炉
(
だんろ
)
には、いつも赤々と石炭が燃やされ、部屋にもスチイムが通っていて、朝々の庭に霜柱のきらきらする外の寒さもしらずに
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
後
(
あと
)
から女中が二人の
浴衣
(
ゆかた
)
を持って行き、それから狭い座敷の仕度をして電気
煖炉
(
だんろ
)
の火をつけ、やや
暫
(
しばら
)
くして他の客を案内しようと再び風呂場の戸をあけかけると、今だに二人の話声がしているので
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
焚
(
た
)
かである春の
煖炉
(
だんろ
)
のさうざうし
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
梅花うつぎと巻貝とが
煖炉
(
だんろ
)
の棚をかざり、その上には色さまざまな鳥の卵が紐に通してさげてあって、大きな
駝鳥
(
だちょう
)
の卵が部屋の中央にさがっていた。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
それから私は一人で
煖炉
(
だんろ
)
の傍に大きな卓子を引き寄せて、その上で書きものから食事一切をすることに極めた。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
椅子から
卓子
(
テーブル
)
、書棚、
煖炉
(
だんろ
)
。窓にいたるまで、猫のように這いまわって調べたが、なにも得られなかった。
幽霊屋敷の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“煖炉(
暖炉
)”の解説
暖炉(だんろ、煖炉とも、Fireplace)とは、室内に作りつけられた暖房装置の一種である。暖房としての役割は副次的または無く、主に部屋の装飾として設置される場合もある。
(出典:Wikipedia)
煖
漢検1級
部首:⽕
13画
炉
常用漢字
中学
部首:⽕
8画
“煖炉”で始まる語句
煖炉棚
煖炉前飾
煖炉敷