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況
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いわ
ふりがな文庫
“
況
(
いわ
)” の例文
然るを、
況
(
いわ
)
んや今隈公は余のこれに与かるを許し、諸君は
甚
(
はなは
)
だこれを擯斥せず、
余
(
わ
)
れ
豈
(
あ
)
に微力をこの間に尽さざるを得んや(喝采)。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
まして
況
(
いわ
)
んや今度の「脳髄論」の内容と来たら、前の解放治療の話に何層倍輪をかけた物騒なテーマを吹き立てているんだから……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いずれにしても、毛利先生は、先生自身でもどうにもならぬ、
況
(
いわ
)
んや僕等の何とも仕ようもない憂鬱に陥ってしまわれたのである。
闘争
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「余はあのように多額の
報酬金
(
ほうしゅうきん
)
を老師に支払ったのも、当館の始末機関に絶対信頼を置いたればこそです。
然
(
しか
)
るに
況
(
いわ
)
んやそれ……」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
又茶酒など多く飲む可らずと言う。茶も過度に飲めば衛生に害あり、
況
(
いわ
)
んや酒量を過すに於てをや、男女共に慎しむ可きことなり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
一つの状態がさけ難いなら、そこの必然を最も純粋に経験すること、それが、人間、作家としての何よりの価値である。まして
況
(
いわ
)
んや。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
況
(
いわ
)
んやこの男をオトリにして、あとから与力同心だの、足軽小者だのいう者が
覘
(
ねら
)
い寄るというような形勢は更にありませんでした。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
況
(
いわ
)
んや、生物学者としてさのみではないが、天皇の素人芸としては、というような意味の過大評価は、哀れ、まずしい話である。
天皇陛下にさゝぐる言葉
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
況
(
いわ
)
んや、内に良妻綾子夫人あって、伊藤、井上のごとく鹿鳴館に長夜の宴を張ったり、新橋柳橋に痴人の夢をむさぼるということもない。
早稲田大学
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
その丞相ですらなお
中夏
(
ちゅうか
)
を定め得なかったことを思うと、
況
(
いわ
)
んや、われら如きにおいてをやと、痛感しないわけにはいかない。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
況
(
いわ
)
んや二週間かせいぜい一カ月のためにあとの一年の大部分を犠牲にする必要のないことは、今更申し上ぐるまでもなかろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
況
(
いわ
)
んやその文明の程度に於て遥かに低い四億万からの大民族を有する支那に於ては、これは到底不可能な事ではあるまいか。
日支親善策如何:――我輩の日支親善論
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
況
(
いわ
)
んや会津へ来た初より其政宗に近づくべく運命を賦与されて居るのであり、今は
正
(
まさ
)
に其男に手を差出して触れるべき機会に立ったのである。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
況
(
いわ
)
んや一時の醉興で、これにまじらるべきものではない。前途は險難だ。光明の此方に闇黒と
茨
(
いばら
)
と鐵條網がある。しかもあまり榮えない運動だ。
文芸運動と労働運動
(旧字旧仮名)
/
平林初之輔
(著)
況
(
いわ
)
んや息女たちの身の上については、たま/\一二の書物に断片的な記事が散見するのみであって、詳細なことは何も知られていないのである。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「天主の教を奉じての
事故
(
ことゆえ
)
日本全土を敵とするも
懼
(
おそ
)
るるに当らない。
況
(
いわ
)
んや九州の辺土をや。事成らばよし、成らずば一族天に昇るまでの事だ」
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お婆さんは魚の餌にするつもりではなく、
況
(
いわ
)
んやサシを買ひに来る人があるなどゝは予想もせず鶏の餌にするためにサシを造つて居たのである。
釣十二ヶ月
(新字旧仮名)
/
正木不如丘
(著)
況
(
いわ
)
んや其が秩父の山で、今迄其存在すら認められていなかった者であったなら、一層の興味が湧くと共に、頗る意を強うするに足るものがあろう。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
私はあの『
歎異抄
(
たんにしょう
)
』に書かれた
親鸞上人
(
しんらんしょうにん
)
の言葉を感慨深く想い起す。「善人なおもて往来をとぐ、
況
(
いわ
)
んや悪人をや」と。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
況
(
いわ
)
んや向後の作物が旧来の傾向を
繰返
(
くりかえ
)
して満足せぬ限り、時と、場合と、作家の性癖と、発展の希望とによって生面を開きつつ推移する限り、何派
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
況
(
いわ
)
んや、東京で三年、苦学して法律をおさめた(しかし、それは、通信講義録でも、おさめることが出来るようだが)
如是我聞
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
題して酒中日記という既に
悲惨
(
ひさん
)
なり、
況
(
いわ
)
んや実際彼の筆を採る必ず酔後に於てせるをや。この日記を読むに
当
(
あたっ
)
て特に記憶すべきは実に又この事実なり。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
況
(
いわ
)
んや文明の花であり、国語の精華であるべき詩が、日本に現在すべき道理がない。我々はその道を造って行こう。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
況
(
いわ
)
んや、名誉に関する言議に、覆面の偽人は戒心を要する。さり
乍
(
なが
)
ら、英人と
雖
(
いえど
)
も、ハイド
公園
(
パアク
)
の散策に
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
アウグスチヌスも「神の意志は不変であって時に欲し時に欲せず、
況
(
いわ
)
んや前の決断を後に
翻
(
ひるが
)
えす如きものにあらず」といっている(Conf. XII. 15)。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
況
(
いわ
)
んや皆寄って
群
(
たか
)
って助けようと努力するんですもの、死ぬ筈があるもんですか? それではお
大切
(
だいじ
)
に
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
況
(
いわ
)
んや、今日の生活は、目的への手段でもなければ、未来への段階と解すべき筈のものでもない。
単純化は唯一の武器だ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
況
(
いわ
)
んや当時の友だちは一面には
相容
(
あいい
)
れぬ死敵だった。彼は彼の頭脳を武器に、絶えず彼等と格闘した。ホイットマン、自由詩、創造的進化、——戦場は
殆
(
ほとん
)
ど
到
(
いた
)
る所にあった。
大導寺信輔の半生:――或精神的風景画――
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
況
(
いわ
)
んや金蓮の怪
誕
(
たん
)
なる、
明器
(
めいき
)
を仮りて以て
矯誣
(
きょうぶ
)
し、世を
惑
(
まど
)
わし
民
(
たみ
)
を
誣
(
し
)
い、条に
違
(
たが
)
い法を犯す。
狐
(
きつね
)
綏綏
(
すいすい
)
として
蕩
(
とう
)
たることあり。
鶉
(
うずら
)
奔奔
(
ほんぽん
)
として良なし、
悪貫
(
あくかん
)
已
(
すで
)
に
盈
(
み
)
つ。罪名
宥
(
ゆる
)
さず。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
況
(
いわ
)
んや年の暮の、こんな片山里の朝の七時八時頃には殆んど往き来の人もありません。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
お勢がそうさえ云ッてくれれば、モウ文三天下に
懼
(
おそ
)
るる者はない。火にも
這入
(
はい
)
れる、水にも飛込める。
況
(
いわ
)
んや叔母の意見に負く位の事は朝飯前の仕事、お茶の子さいさいとも思わない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
例えば、蟹だか蛸だか
鮟鱇
(
あんこう
)
だか
正体
(
えたい
)
の判らぬ魚を
眼前
(
めさき
)
へ突き付けて、「さあ、
之
(
これ
)
を
旨
(
うま
)
く食わして
呉
(
く
)
れ」と云われては、大抵の料理番も
聊
(
いささ
)
か
逡巡
(
たじろ
)
ぐであろう。
況
(
いわ
)
んや素人の小生に於てをや。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また
百姓
(
ひゃくしょう
)
の
輩
(
はい
)
は
地租改正
(
ちそかいせい
)
のために
竹槍
(
ちくそう
)
席旗
(
せきき
)
の
暴動
(
ぼうどう
)
を
醸
(
かも
)
したるその
余炎
(
よえん
)
未
(
いま
)
だ
収
(
おさ
)
まらず、
況
(
いわ
)
んや現に政府の
顕官
(
けんかん
)
中にも
竊
(
ひそか
)
に不平士族と
気脈
(
きみゃく
)
を通じて、
蕭牆
(
しょうしょう
)
の
辺
(
へん
)
に
乱
(
らん
)
を
企
(
くわだ
)
てたる者さえなきに非ず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
吾々は彼等の思想が天下の壇場に於て討議されたことを知らない。
況
(
いわ
)
んや吾々は彼等に比して〔敗〕北したことの記憶を持たない。然るに何の理由を以て、彼等は独り自説を強行するのであるか。
二・二六事件に就て
(新字新仮名)
/
河合栄治郎
(著)
況
(
いわ
)
んや、色彩の Juxtaposition に基づいたテクニックに至っては、印刷所の職工の手に画かれたセガンティニは見られるかも知れないが、それをもって原画を想像していた無礼は
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
況
(
いわ
)
んや隣り近所や東京市民や日本人民や
乃至
(
ないし
)
世界全体の人の意思に背いても自分には立派に義理が立つ訳であります。これではちと気焔が高過ぎましたね。少々ひまになったから余計な事を書きます。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
況
(
いわ
)
んや国の
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
況
(
いわ
)
んや、こちらにも同じような欠点があるのを、潔く貰ってやると
仰
(
おっ
)
しゃる御心には、涙を流して感謝致して居るので御座います。
秘密の相似
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
況
(
いわ
)
んや、彼等の手に、一本の剣も握られていないことは、この写真の上に、明瞭に証明されている。理由なき抗議は、迷惑千万である”
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
況
(
いわ
)
んや姉と妻は、セグリ出て来る涙を隠すべく、慌てて洗面所へ逃げ込んだと言うのだから、
滑稽
(
こっけい
)
を通り越して何の事だかわからない。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
況
(
いわ
)
んや、その他親族、家人らに至っては
慴伏
(
しょうふく
)
あるのみで、誰ひとり、お銀様に当面に立とうという者があろうはずがありません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一に私意を以て
邪詖
(
じゃひ
)
の
辞
(
ことば
)
を出して、
枉抑
(
おうよく
)
太
(
はなは
)
だ過ぎたり、世の人も心
亦
(
また
)
多く平らかならず、
況
(
いわ
)
んや
其
(
その
)
学を
宗
(
そう
)
する者をやと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
況
(
いわ
)
んやあの確実な迅速さから与えられる雅致が、少量の作に現れ得るであろうか。少量の作は技巧の作であろうとも、技術の作であることはできぬ。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
況
(
いわ
)
んや道を作ることを禁じてあった大峰縦走の蹈跡などは、二、三年の間に榛莽の掩う所となるのは当然である。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
況
(
いわ
)
んや我国の土地は他の事業に比して利益のもっとも少なきものなるをや。世界中にて日本の土地よりも利益多き地面は日本に幾百倍するの広き面積あり。
風蕭々
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
然るに今新に書を著わし、盗賊又は乱暴者あらば之を取押えたる上にて、打つなり斬るなり思う存分にして懲らしめよ。
況
(
いわ
)
んや親の
敵
(
かたき
)
は不倶戴天の
讐
(
あだ
)
なり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
況
(
いわ
)
んや生活の語を狭義に解して、日常茶飯の身辺的記録の類を、没主観の平面描写によって書く文学が、何等「生活のための芸術」でないことは明らかだ。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
況
(
いわ
)
んや我が国の如き幼稚なる富は果して
能
(
よ
)
くこれに堪え得るや否やということは、これは大なる疑問である。
〔憲政本党〕総理退任の辞
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
況
(
いわ
)
んや我がシューベルトをけなしつけるにおいては、彼実に救うべからざる
外道
(
げどう
)
に堕するものと言っていい。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
況
(
いわ
)
んや、
秦蔵六
(
はたぞうろく
)
だの竹源斎師など名前すら聞いたことがなく、第一、めったに旅行することがないので、祖国のあの町この村も、風俗も、山河も知らないのだ。
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
況
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“況”を含む語句
状況
景況
近況
盛況
実況
戰時好況時代
被害状況
犯罪状況
況又大勢由人事
況倉卒吐言
概況
暗殺状況
旅況
不況
戦況
情況
市況
實況
場況見
場況
...