“母娘:おやこ” の例文
“母娘:おやこ”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂11
吉川英治5
泉鏡花4
林不忘3
伊藤左千夫2
“母娘:おやこ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 彫刻 > 彫刻史 各国の彫刻2.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.1%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ロシヤ人の母娘おやこ三人、あのおしやべりの母娘三人が、昨夜から姿を消した。宿料が二月分たまつてゐると給仕長の告げ口。
チロルの旅 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
時節柄、外国人の顔はあまり見えず、三階の南側のバルコンのついた部屋に母娘おやこのフランス人がひと組だけ滞在している。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「親分、山谷に三日張り込みましたよ。巳之松はまだ姿を見せませんが、お茂とお信の母娘おやこは、よく巡禮に出かけますよ」
私達がどんなに仲の悪い母娘おやこであるかと云う事をいくら云って聞かせてみてもこの人達にはそんな事は到底信ぜられないだろう。
楡の家 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
口のきけない者だから、秘密のもれる恐れは断じてなかろう……というので、選ばれてこの母娘おやこの世話をすることになったのだが。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
といって、あわれな母娘おやこが人柱などという、荒唐無稽な迷信の犠牲にならんとしているのを、黙視するには忍びない。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
生活費は、困らないようにしてあったとみえて、つましくはあるが、母娘おやこに口紅や白粉おしろいの余裕はあった。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
別荘には、留守番をする母娘おやこの女中がいた。大月氏の慌しい電話を受けて、最初に深い眠りからさまされたのは母の方のキヨだった。
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
奥では何やら母娘おやこの争う声、四方あたりはばかりながらも緊迫した調子の重大さに、綾麿は思わず家の中に飛込んで居りました。
「そんなことはありましねえ、心の中ではなんと思つて居たか知らねえけんど、見かけは仲の良い母娘おやこでね」
多勢の彌次馬は、此時やうやく氣がついたやうに、母娘おやこ二人に手を貸して、死骸をあまり遠くないお樂の茶店にかつぎ込みました。
「松永町へ門跡様の裏から越して来た、中気病みの三次郎と、この町内の、しかも路地の外へ上州から出て来なすった、母娘おやこ者のお通さん」
一体その娘の家は、母娘おやこ二人、どっちの乳母か、ばあさんが一人、と母子おやこだけのしもた屋で、しかし立派な住居すまいでした。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蔵屋のかどの戸がしまつて、山が月ばかり、真蒼まっさおに成つた時、此の鍵屋の母娘おやこが帰つた。例の小女こおんなは其の娘で。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
自分の家へ無理に母娘おやこを連れて来た綾麿は、いやがる二人を、天狗長兵衛きぎむところの観音像の前に並べて、こう口を切るのでした。
ミミ母娘おやこ美容院では、パーマネント・ウェーブの電流が蜘蛛くもの手のように空中にひらいて小柄なスイス公使夫人の黒い髪に巻きついていた。
スポールティフな娼婦 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
隣家は津田という小児科の医者、その隣りが舟大工ふなだいく、その隣りが空屋あきやであったが、近頃其所へ越して来た母娘おやこの人があった。
その頃おい、この母娘おやこのように、武士の家庭のものが生計たずきのために職を求め、いろいろおかしい話、気の毒なはなしなど数々ありました。
と祖父は嗤つた。桑原の一族では、特にみそのの母娘おやこが容貌の点でも評判が悪かつた。新吉は、母と小園を思ひ比べると途方もない憂鬱に襲はれた。
淡雪 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「まあ、よしなよ。舟が揺れるじゃねえか。母娘おやこ喧嘩なら、帰ったあとで、ゆっくりやるさ」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あとに残った子供たちに呼び立てられて、母娘おやこは寂しい影を夜の雨にぼっして去った。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
つて、母娘おやこ二人ふたり相坂あひざかはうへ、ならんでく。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
家ではさうした間こそ老母と彼女とがいろ/\母娘おやこらしい話をするに都合よい時間だつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
平次はフトそんな事に氣がつきました。伊三松が留守だとすると、死骸のあつた場所から一番近くに住んでゐるのは、お米お春の母娘おやこでなければなりません。
「——そのことは、口に出さない方が、てめえたち母娘おやこの身のためだと、俺は思うが」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きのう朱実と後家がひとまとめにしていた荷物がない、衣裳も、履物はきものも失くなっている。第一、その母娘おやこのすがたばかりでなく、又八が見えないのだ。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は六十八番と云う大きな木札を貰って、女中に母娘おやこ連れの横へ連れられて行った。
貸家探し (新字新仮名) / 林芙美子(著)
母娘おやこして笑った。おしょさんのうち軒燈けんとうには山崎やまざきとしてあるが、両国の並び茶屋の名も「山崎」だったと坊さんのおばあさんがいった。
お甲、朱実、清十郎、藤次。——ゆうべから流連いつづけの客二人に母娘おやこ二人。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今上野駅から出て来たらしい東北出と思われる母娘おやこ連れがめいめいに大きなふろしき包みをかかえて、今や車道を横切ろうとしてあたりを見回しているところであった。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
跡に殘つた子供達に呼び立てられて、母娘おやこは淋しい影を夜の雨に沒して去つた。
水害雑録 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
「近頃評判になつてゐる母娘おやこ巡禮といふのは、お前達のことだつたのか」
父親はマリーの幼いときに世を去り、そのときから、この物語の主題となっている殺害事件の十八カ月ほど前まで、母娘おやこはパヴェ・サン・タンドレ街(原注二)に一緒に住んでいた。
手をとり合ってよろこぶ母娘おやこを、月子に見張らせたまま、天魔太郎と虎吉は、つぎの牢格子を開いて、番頭以下、手代、子分衆まで、泉田筑後の屋敷の者を、ぜんぶすくいだしました。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
男気はなく、お墨に、お房、という母娘おやこふたりの女世帯である。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人間の多い町中を歩くうち、伊織は、母娘おやこの連れにも馴れて、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
固く握り合った儘、母娘おやこは、また一町ほど町の方へ歩いた。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
けれど、残つてゐるのは果して自分たち母娘おやこだけだらうか。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
朱実とお甲と、今朝は、この母娘おやこばかりがはしゃいでいた。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次は先づ二軒長屋の右の方、お高つばめ母娘おやこの家を訪ねました。いそ/\と迎へてくれたお高は、娘の怪我にすつかり面喰つたものか、氣も心も轉倒して、唯ウロウロと埒もあきません。
母娘おやこ喧嘩も、「父」のこと以外ではしたためしはない。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母娘おやこは、ひとつの運命に引きずられているのであろうか。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
母娘おやこが、同じ人生をくり返しているのではなかろうか。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と、無礼の詞も慾故には、許す母娘おやこがにこにこ顔。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
あら浪の浮き世に取りのこされた母娘おやこふたり。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
母娘おやこの話は其所で何故なぜかとぎれた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
藻の花や母娘おやこが乗りし沼渡舟ぬまわたし
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
幕府ばくふ時代の遺物のうちに、幕府時代の遺民が舊い夢を見ながら、辛うじて外界の壓迫に耐へて活きてゐるんだ。ま、はい殘の人さな。俺の阿母おふくろも然うだツたが、家の母娘おやこだツて然うよ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あとじさりに、——いま櫛卷くしまきと、島田しまだ母娘おやこ呼留よびとめながら、おきな行者ぎやうじや擦違すれちがひに、しやんとして、ぎやくもどつてた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
母娘おやこは、顔を見合せた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
どうやら母娘おやこらしい。
親ごころ (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
一家は尾久に住まっていて、塗料工場をもち相当手広く商売をしていたが、父親が亡くなると、やがて、親戚の者たちのはからいで、母娘おやこは、池ノ端数寄屋町の、ちょうど、造作が入ったばかりの小店を借り受けて、荒物屋をはじめた。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
深讐の母娘おやこ
悪魔の顔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
母娘おやこふたりは、あさくさ田原町三丁目喜左衛門の家に厄介になっているのだが、同じく大岡様のおことばで、鳥越の大久保藤次郎も、留守中の弟栄三郎に勘当を許し、栄三郎は江戸へ帰りしだい、和田家へ入夫してお艶と正式に夫婦めおととなり
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私の家は、そうした町のかたすみにございまして、別に、これと申すほどの資産もございませんでしたが、それにしても、住んでいる家だけは自分のもの——と、こういった気持ちが、いくらか、私たち母娘おやこの生活を気安くさせていたのでございましょう。
両面競牡丹 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
平次は鸚鵡あふむ返しに言ひましたが、お春、お玉二人の母娘おやこをのぞけば殘るのは、下女のお徳と、お玉の姉のお粂だけ、そのお徳は主人のお玉の命を狙ふ筈もなく、殘るお粂は、少し浮氣つぽくて鐵火でさへありますが、鬼のやうな女とは思はれません。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「娘のお直も昨夜息を引取りました。十三年の長い/\苦勞、母娘おやこ二人の艱難もこれでお仕舞ひになつたわけでございます。もう思ひ殘すこともございません。——錢形の親分樣、お直のとむらひから、孝吉の身の上、御迷惑でも宜しきやうにお指圖願ひます」
及び軍鶏とうまるも、その柳屋の母娘おやこも、そののち行方の知れない事とは、同時に焼けた、大屋の隠居、酒屋の亭主などは、まだ一ツ話にするが、その人々の家も、新築を知らぬ孫が出来て、二度目の扁額が早や古びを持って来たから、さてもしばらくになった。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私の隣りのテエブルの母娘おやこづれらしい方は、ふたりとも昨日と同じの黒い衣服をつけて、若い女の方は相変らず綺麗に化粧をしていたが、もう一方の、私がきのうは十八九の少女だとばかり思い込んでいた金髪の娘の方は、今朝は光線の具合でか、まるで顔がしわだらけで、三十をこしていそうに思えるくらいにけて見えた。
旅の絵 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)