本多ほんだ)” の例文
はなしそれからまへうちはなれて、家主やぬしはううつつた。これは、本多ほんだとはまる反對はんたいで、夫婦ふうふからると、此上このうへもないにぎやかさうな家庭かていおもはれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「老臣がたは城へたてこもって防ぎ戦うがよろしいという御意見のようでござります。本多ほんださま酒井さかいさまはおし出して決戦するとおおせです」
死処 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あたまをチャンと本多ほんだにとりあげて、肩に継布つぎが当たってるけれども、黒羽二重くろはぶたえのぞろりとした、袂の紋つきを着ています。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
侍側じそくには、土井、本多ほんだ、酒井などの閣臣や近習衆きんじゅうしゅうをはじめ、僧侶などの姿も見え、秀忠はやや小高い所に床几しょうぎを呼び、そこに一休みしていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはおかしいの、大久保おおくぼさんも本多ほんださんも北小路きたこうじさんもみんな丸髷まるまげってね、変に奥様じみているからおかしいわ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
池の水の振動、いわゆるセイシについては、本多ほんださんたちの調べた結果が、大学紀要の二十八巻の五に出ている。ブリキで作った小さな模型もあったはずである。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
私は本多ほんだ子爵が、今でこそ交際嫌いで通っているが、その頃は洋行帰りの才子さいしとして、官界のみならず民間にも、しばしば声名をうたわれたと云う噂のはしも聞いていた。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ゆうべお旗本のがま本多ほんだ部屋へやで、はんつづけて三ったら、いうてのにわか分限ぶんげんでの、きゅう今朝けさから仕事しごとをするのがいやンなって、天道様てんとうさまがべそをかくまでてえたんだが蝙蝠こうもりと一しょ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
与力本多ほんだや同心山崎弥四郎やまざきやしらうが、坂本に「打ちませうか/\」と催促した。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
岩「姉川あねかわ合戦かっせん本多ほんだが出たというのだ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
本多ほんだ長門守領分りやうぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其晩そのばん宗助そうすけゆめには本多ほんだ植木鉢うゑきばち坂井さかゐのブランコもなかつた。かれは十時半頃じはんごろとこはひつて、萬象ばんしやうつかれたひとやういびきをかいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
右少将うしょうしょうさまにもうしあげます。ただいま、ご家臣の本多ほんださまがお国もとからおこしあそばしました」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風呂の中で歌祭文うたざいもんを唄つてゐるかかあたばね、上り場で手拭をしぼつてゐるちよんまげ本多ほんだ文身ほりものの背中を流させてゐる丸額まるびたひ大銀杏おほいてふ、さつきから顔ばかり洗つてゐる由兵衛奴よしべゑやつこ水槽みづぶねの前に腰を据ゑて
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
本多ほんだ伊豫守殿
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まるまへ本多ほんださんやうね」と御米およねわらつた。まへ本多ほんださんとふのは、矢張やはおな構内かまへうちんで、おな坂井さかゐ貸家かしやりてゐる隱居夫婦いんきよふうふであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
井伊兵部いいひょうぶ、石川数正かずまさ本多ほんだ平八郎、彦八郎などの一族、鳥居とりい、大久保、松平まつだいら奥平おくだいらなどの譜代ふだい、酒井、榊原さかきばらなどの精鋭、水野、近藤、長坂ながさか坂部さかべ、などの旗本たち——。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
始め松平まつだひら左近將監酒井さかゐ讃岐守戸田とだ山城守水野みづの和泉守若年寄わかどしよりには水野みづの壹岐守本多ほんだ伊豫守太田おほた備中守松平左京太夫御側御用人には石川いしかは近江守寺社じしや奉行には黒田くろだ豐前守小出こいで信濃守土岐とき丹後守井上ゐのうへ河内守大目附おほめつけには松平相摸守奧津おきつ能登守上田うへだ周防守有馬ありま出羽守町奉行には大岡越前守諏訪すは美濃守御勘定ごかんぢやう奉行には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
北国路ほっこくじには、上部八風斎かんべはっぷうさいのつかえる柴田権六勝家しばたごんろくかついえが、厳重にさくをかまえていて、めッたな旅人は通しますまい、また、東海道はなおのこと、徳川家康とくがわいえやすの城下あり、井伊いい本多ほんだ榊原さかきばらなどの
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
井伊兵部いいひょうぶ榊原康政さかきばらやすまさ、大久保忠助ただすけ、同じく忠隣ただちか本多ほんだろう、同平八郎忠勝ただかつなどの多感多血の若手を初め——鳥居忠政とりいただまさ戸田十郎右衛門とだじゅうろうえもん、内藤新五郎、松平康次まつだいらやすつぐ、同与一郎広家よいちろうひろいえ、同孫六郎康長まごろくろうやすなが
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おう、本多ほんだ様でいらっしゃいましたか。あなた様こそどちらへ」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
からかしら本多ほんだ平八。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)