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ちしき
ふりがな文庫
“
智識
(
ちしき
)” の例文
一體
皆
(
きれ
)
の長い、パツチリした眼で、
表情
(
へうじやう
)
にも
富
(
と
)
むでゐた。雖然
智識
(
ちしき
)
のある者と智識のない者とは眼で區別することが出來る。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
私
(
わたし
)
たちが、
子供
(
こども
)
のころから、
親
(
した
)
しみなれてきた
一休
(
いっきゅう
)
さんは、
紫野大徳寺
(
むらさきのだいとくじ
)
、四十七
代目
(
だいめ
)
の
住職
(
じゅうしょく
)
として、
天下
(
てんか
)
にその
智識
(
ちしき
)
高徳
(
こうとく
)
をうたわれた
人
(
ひと
)
でした。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
この良心の基礎から響くような子供らしく意味深げな調を聞けば、今まで己の
項
(
うなじ
)
を
押屈
(
おしかが
)
めていた古臭い錯雑した
智識
(
ちしき
)
の重荷が卸されてしまうような。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
もち
前
(
まへ
)
の
疳癪
(
かんしやく
)
したる
堪
(
た
)
えがたく、
智識
(
ちしき
)
の
坊
(
ぼう
)
さまが
目
(
め
)
に
御覽
(
ごらん
)
じたらば、
炎
(
ほのほ
)
につゝまれて
身
(
み
)
は
黒烟
(
くろけふ
)
りに
心
(
こゝろ
)
は
狂亂
(
きやうらん
)
の
折
(
をり
)
ふし、
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
もいふ
事
(
こと
)
、
金
(
かね
)
は
敵藥
(
てきやく
)
ぞかし
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
学問
(
がくもん
)
智識
(
ちしき
)
は
富士
(
ふじ
)
の
山
(
やま
)
ほど
有
(
あ
)
ツても
麺包屋
(
ぱんや
)
が
眼
(
め
)
には
唖銭
(
びた
)
一文
(
いちもん
)
の
価値
(
ねうち
)
もなければ取ツけヱべヱは
中々
(
なか/\
)
以
(
もつ
)
ての
外
(
ほか
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
▼ もっと見る
因襲なんぞから
得
(
え
)
来
(
きた
)
った
智識
(
ちしき
)
を自分に応用せずに、初めて人間として生れて来たもののように振舞うのですね。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
「泰安さんは、その
後
(
のち
)
発憤して、
陸前
(
りくぜん
)
の
大梅寺
(
だいばいじ
)
へ行って、
修業三昧
(
しゅぎょうざんまい
)
じゃ。今に
智識
(
ちしき
)
になられよう。結構な事よ」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此等
(
これら
)
の事を考へなければ本当の
智識
(
ちしき
)
とは言へんと
云
(
い
)
ふ事ださうでございます。
随分
(
ずゐぶん
)
彼
(
あ
)
の
悟道
(
さとり
)
の
方
(
はう
)
には
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしもう大分それを見せられた時よりは
智識
(
ちしき
)
が加わっているのだから、その時よりは
熟
(
よ
)
く分った。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お父さんの
以南
(
いなん
)
は栄蔵に学問をさせ
智識
(
ちしき
)
をつけて、名主の職をつがせねばならないと考へた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
国銅を尽して象を
鎔
(
とか
)
し、大山を削りて以て堂を構へ、広く
法界
(
ほつかい
)
に及ぼして朕が
智識
(
ちしき
)
となす、
遂
(
つひ
)
に同じく
利益
(
りやく
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて共に
菩提
(
ぼだい
)
を致さしめん、
夫
(
そ
)
れ天下の富を
有
(
も
)
つ者は朕なり
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
軍事施設について
智識
(
ちしき
)
のない僕でも、次に何事が計画されているか、実行されるかという事を
朧気
(
おぼろげ
)
ながら推察することが出来ました。これこそわが
大日本帝国
(
だいにほんていこく
)
の一大事である。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人にしても、
辞令
(
じれい
)
に
巧
(
たくみ
)
な
智識
(
ちしき
)
階級の
狡猾
(
ずる
)
さはとりませんが、
小供
(
こども
)
や、
無智
(
むち
)
な者などに
露骨
(
ろこつ
)
なワイルドな
強欲
(
ごうよく
)
や
姦計
(
かんけい
)
を
見出
(
みいだ
)
す時、それこそ氏の、漫画的興味は
活躍
(
かつやく
)
する様に見えます。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
弓矢
(
ゆみや
)
の
使用
(
しよう
)
は、諸人種に
普通
(
ふつう
)
なるものに
非
(
あら
)
ず。
未開人民中
(
みかいじんみんちう
)
には
今尚
(
いまな
)
ほ之を知らざる者有り。
此點
(
このてん
)
のみに
就
(
つ
)
いて云ふも、コロボックル、の
智識
(
ちしき
)
は
决
(
けつ
)
して
甚
(
はなは
)
だ
低
(
ひく
)
きものには非ざるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
どうして、
貴下
(
あなた
)
、さように悟りの開けました
智識
(
ちしき
)
ではございません。一軒屋の
一人住居
(
ひとりずまい
)
心寂しゅうござってな。
唯今
(
ただいま
)
も御参詣のお姿を、あれからお見受け申して、あとを慕って来ましたほどで。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そしてこれが
自分
(
じぶん
)
の
智識
(
ちしき
)
を
示
(
しめ
)
すに
甚
(
はなは
)
だ
好
(
い
)
い
機會
(
きくわい
)
ではなかつたが
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
格別の新しがらなくとも
新
(
あた
)
らしい
智識
(
ちしき
)
の洗礼を受けたのちの彼女
等
(
ら
)
の素直さと女らしい愛らしさと
皓潔
(
こうけつ
)
な
放胆
(
ほうたん
)
がぎすぎすした
理窟
(
りくつ
)
や
気障
(
きざ
)
な特別な新らしがりより新らしいのでしょう。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
いやなかなか
機鋒
(
きほう
)
の
鋭
(
する
)
どい女で——わしの所へ修業に来ていた
泰安
(
たいあん
)
と云う
若僧
(
にゃくそう
)
も、あの女のために、ふとした事から
大事
(
だいじ
)
を
窮明
(
きゅうめい
)
せんならん
因縁
(
いんねん
)
に
逢着
(
ほうちゃく
)
して——今によい
智識
(
ちしき
)
になるようじゃ
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だからここに禅味
抔
(
など
)
という問題を出すのは自分が禅を心得て居るから云うのではない。
智識
(
ちしき
)
のかいたものに悟とはこんなものであるとあるから
果
(
はた
)
してそんなものなら、こう云う人生観が出来るだろう。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“智識”の意味
《名詞》
智識(ちしき)
知っていること。理解していること。知識。
(仏教)
(出典:Wiktionary)
智
漢検準1級
部首:⽇
12画
識
常用漢字
小5
部首:⾔
19画
“智”で始まる語句
智慧
智
智恵
智嚢
智者
智慧者
智利
智謀
智恩院
智惠