えら)” の例文
新字:
姉なる新婦にひよめも亦二人の間に坐せり。我目に映じたる此一幅の圖はラフアエロの筆に成りたる聖母と二天使との圖とえらむことなかりき。
それにんずるに其人をえらめば黜陟ちつちよくあきらかにして刑罰けいばつあたらざるなくまことに百姓をして鼓腹こふく歡呼くわんこせしむことわざに曰其人を知らんと欲すれば其の使つかふ者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
思へば戀てふ惡魔に骨髓深く魅入みいられし身は、戀と共に浮世に斃れんか、た戀と共に世を捨てんか、えらぶべきみち只〻此の二つありしのみ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
もつと便たよりよきはとしこそつたれ、大根だいこんく、屋根やねく、みづめばこめく、達者たつしやなればと、この老僕おやぢえらんだのが、おほいなる過失くわしつになつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第十 常居ゐま濕氣しめりけすくな日當ひあたりよくしてかぜとほやうこゝろもちし。一ヶねん一兩度いちりやうどかなら天井てんじやうまたえんしたちりはらひ、寢所ねどころたかかわきたるはうえらぶべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
うだツたかな。」とそらとぼけるやうに、ちらと空をあほぎながら、「とすりや、そりやおれがお前をえらんだのぢやない、俺の若い血がお前にれたんだらう。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
眺望がいからと言つてこの梅の坊をえらんで住居すまひにした道臣も、此頃では、景色なぞはどうでも可い、といつた風で、毎日お駒やお時を相手にして酒ばかり飮んでゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あるひえらんでこれみ、ときにしてしかのちこといだし、くに(五六)こみちらず、(五七)公正こうせいあらざればいきどほりはつせず、しか禍災くわさいものげてかぞからざるなりはなはまどふ。
つとにわが名を知り給ふ如く、同じよはひの者のなかより特にわれをえらび給ふ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
とくに其所そこえらんだのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
めでたき飾紐リボンあまた買はるべし、その黒き髮にうつりきものをえらみ試みんは、いかに樂かるべきぞなど、繰返して説き勸めつ。
第九 食物しよくもつ衣服いふくごと分限ぶんげんによるは勿論もちろんなれど、肉食にくしよくあざらけくあたらしきしな野菜やさいわかやわらかなるしなえらぶべし。よく烹熟にたきして、五穀ごこくまじくらふをよしとすること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
んなら何故なぜ、お前はおれのやうな所天をつとえらんだんだ。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その行販して郷を離るゝもの婦を一友に托す。これを侍奉紳士といふ。初め僧に托するを常とせしが、後又俗士をえらむ。
第八 衣服いふく精粗美惡よしあしひと分限ぶんげんるといへども、肌着はだぎ木綿もめんフラン子ルをよしとす。蒲團ふとん中心なかわたあたらしくかはきたるものをたつとゆゑに、綿花わたかぎらずかま穗苗藁ほわら其外そのほかやわらかかはきたるものをえらぶべし。
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)