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拜
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おが
嬉しさ
胸の
中におさへがたく、
蔭ながら
拜んで
居ても
宜いほどの
辱さなれど、つく/″\
我が
身の
上を
思ひまするに、
貴郎はこれより
彌ます/\の
御出世を
遊して
と
拜まぬばかりに
手を
合せた。
日の
眼拜まぬ
牢屋の
中で、
厭やと
思へば
日がな
一日ごろ/\として
烟のやうに
暮して
居まする、
貴孃は
相變らずの
美くしさ、
奧樣にお
成りなされたと
聞いた
時から
夫でも一
度は
拜む
事が
出來るか
持病といふのは
夫れかと
切込まれて、まあ
其樣な
處でござんせう、お
醫者樣でも
草津の
湯でもと
薄淋しく
笑つて
居るに、
御本尊を
拜みたいな
俳優で
行つたら
誰れの
處だといへば
ちらり
姿は
夏の
簾ごし
憎くや
誰れゆゑ
惜しみてか
藥師さまの
御縁日にそヾろあるきをするでもなく、
人まち
顏の
立姿かどに
拜みし
事もなけれど
美人と
言ふ
名この
近傍にかくれなしと
聞くは
拜みますと
心から
泣いて、
此ある
甲斐なき
活計を
數へれば、
與四
郎は
我が
身を
罵られし
事と
腹たゝしく、お
爲ごかしの
夜學沙汰は、
我れを
留守にして
身の
樂しみを
思ふ
故ぞと一
圖にくやしく
色の
淺黒い
面長で、
品が
好いといふでは
無いか、お
前は
親方の
代りにお
供を
申すこともある、
拜んだ
事が
有るかと
問へば、
見た
段か
格子戸に
鈴の
音がすると
坊ちやんが
先立で
驅け
出して
來る
孃さまがたは
庭に
出て
追羽子に
餘念なく、
小僧どのはまだお
使ひより
歸らず、お
針は二
階にてしかも
聾なれば
子細なし、
若旦那はと
見ればお
居間の
炬燵に
今ぞ
夢の
眞最中、
拜みまする
神さま
佛さま