)” の例文
新字:
未だ浮世うきよれぬ御身なれば、思ひ煩らひ給ふもことわりなれども、六十路むそぢに近き此の老婆、いかでためしき事を申すべき、聞分け給ひしかや
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
次なる者は、牧者に讓らんとて(その志善かりしかど結べるしかりき)律法おきて及び我とともに己をギリシアのものとなせり 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
平生へいぜいよくつかへくれ、しきこととてさらし、此度このたびとりすゝめしも、おもうての眞心まごころなるを、なにとてあだにおもふべき。じつうれしくおもひしぞよ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
されど風景としては、さしてしゝと言ふにてもなく、見ん人の心々にて、寢覺などよりもすぐれたりと思ふもあるなるべし。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
二親はかくするが好しとおもひ給ふなれば、そは奈何ともし難けれど、總ておん身をしとおもひ給ひてにはあらず。
とゞめられしや又藤三郎は幼少えうせうなるを非道ひだう折檻せつかん致さるゝこと我子すけ五郎の爲に行末ゆくすゑしかりなんと思ひ渠等かれら兄弟を殺さすとの心底しんていなるや然樣さやうの惡心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
地上ちじゃうそんするものたるかぎり、如何いかしいしな何等なにらかのえききょうせざるはく、また如何いかいものも用法ようはふたゞしからざればそのせいもとり、はからざるへいしゃうずるならひ。
なんゆえに一にんえきなきものをころして多人數たにんずえきすることしきことなしといふ立派りつぱなる理論りろんをもちながら流用りうようすること覺束おぼつかなき裝飾品そうしよくひん數個すこうばひしのみにして立去たちさるにいたりしか
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
我は知るゲエテ・プラトンしき世に美しき生命いのち生きにけらずや
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
しきえてちたりおのづから
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
引取嫁にいたしくれ候大恩は勿々なか/\私し一生の中に報じられ間敷まじくと存じ心の及ぶだけは孝行をつくし度心得に候處うんしくしうと暫時しばしの中に失ひ其上借財多く出來やむことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かゝるかたきが、植物界しょくぶつかいにも、人間界にんげんかいにも、つねぢんどって相鬪あひたゝかふ……仁心じんしん害心がいしんとが……しかうしてしいかたつときは、たちま毒蟲どくむし取附とりつかれて、その植物しょくぶつ枯果かれはつる。
眉目まみぞこはさがしく日曇ひなぐも
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
パリス いや、こなたかほいまではわしものぢゃに、それをば其樣そのやうしう被言おしゃるのは讒訴ざんそぢゃ。
願ひける偖又傳吉方にてはかゝることの有りとはゆめにも知らざれども所謂いはゆる物の前兆ぜんてうならんとお專が見たるゆめしければをつと傳吉に此事をかたり其吉凶きつきよう猿島川さるしまがはの向ひなる卜ひ者へ出向はれ身の上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今、またしけく、けく
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)