家々いえいえ)” の例文
伯父おじさんのんでいるまちは、都会とかい片端かたはしであって、たてこんでいるちいさな家々いえいえうえに、くものないそらからりつけていました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
海老之丞えびのじょうこたえました。これは昨日きのうまで錠前屋じょうまえやで、家々いえいえくら長持ながもちなどのじょうをつくっていたのでありました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
処々ところどころたてぬしの伝記、家々いえいえの盛衰、昔よりこのごうおこなわれし歌の数々を始めとして、深山の伝説またはその奥に住める人々の物語など、この老人最もよく知れり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
武田の士卒しそつは、呂宋兵衛るそんべえらのために森にいましめられていた善良の民を第一に解放し、きぬなき者にはきぬをあたえ、財は家々いえいえへかえしてやり、宝物は寺にはこび返し、老人には慰安いあん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あきすえのころで、まちなかは、いたってしずかでした。そのは、かぜもなく、あおそらから、太陽たいようが、あたたかに、家々いえいえ屋根やねらしていました。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
き勝手なことをいって、財宝をうばい、衣類食い物を取りあげ、部落の男どもを一人のこらずしばりあげて、その家々いえいえへ、えたおおかみのごとき野武士が、わがもの顔して、なだれこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とまだ少年しょうねん角兵ヱかくべえこたえました。これは越後えちごから角兵ヱ獅子かくべえじしで、昨日きのうまでは、家々いえいえしきいそとで、逆立さかだちしたり、とんぼがえりをうったりして、一もんもんぜにもらっていたのでありました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
れると、このごろは毎晩まいばんのように、いいつきました。つきまち家々いえいえらして、のすきまからのぞきこみました。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこからともなく、口笛くちぶえこえこりますとたちまちのあいだに、くろとりが、たくさんつきをかすめて、四ほうからんできて、まち家々いえいえ屋根やねまりました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かさなりうように、なら家々いえいえ屋根やねは、さながら波濤はとうのごとくでした。うえですむことのできないものは、ここがゆい一の場所ばしょであったかしれません。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
まことに、いい天気てんきで、のら仕事しごといそがしかったときでありました。家々いえいえのものは、みんなそとはたけていて、うちにいるものはほとんどありませんでした。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんたちとちがった人間にんげんがそばの家々いえいえからかおしてのぞいたり、またそのなかうごいたりしているようすなどをると、あちらのうつくしい建物たてものなかには、もっとちからつよ
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
町裏まちうらちいさなかわながれていました。かわというよりは、みぞといったほうがあたっているかもしれません。家々いえいえながしたみずあつまって、一筋ひとすじながれをなしているのでありました。
ねずみとバケツの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのかねは、まちからあおがれるやまうえに、鐘楼しょうろうて、そこにつるされることとなりました。あさばん、そのかねをつくときに、かねひびきは、もりえ、まち家々いえいえそらに、りわたるだろう。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちに、としれがきまして、そこ、ここの家々いえいえではもちをつきはじめました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて、そのひづめのおとが、こえなくなると、あとには、夜風よかぜそらわたおとがかすかにしました。しかしこうして、ひづめのおとは、夜中よなか家々いえいえまえをいくたびも往来おうらいしたのであります。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)