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宜
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え
ふりがな文庫
“
宜
(
え
)” の例文
老夫人と差向いの時に「お
日和
(
ひより
)
がこう続いては麦の
肥料
(
こえ
)
が利くまいのう」とか、「悪い時に風が出たなあ。
非道
(
ひど
)
うならにゃ
宜
(
え
)
えが」
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
番「
打
(
ぶ
)
たいでも
宜
(
え
)
え、
私
(
あたい
)
は理の当然をいうのや、お嬢
様
(
さま
)
を殺して
金子
(
かね
)
を取ったという訳じゃないが、
然
(
そ
)
う思われても是非がないと云うのや」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「百姓もこれ、やって見れば、
別
(
べっ
)
して
宜
(
え
)
いもんでもがいんね。朝から晩まで、真黒になって
稼
(
かせ
)
いで!」
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「うちうちなら
宜
(
え
)
えが、札差しを痛めつけられるようでは、栄三郎さまの行く末が思われる。ぶるるッ! これはどうあっても殿様へ申し上げねばならぬ……殿様へ申しあげねばならぬ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
然し晩になると大概校長さんが来ますからその時だけは
幾干
(
いくら
)
か
気嫌
(
きげん
)
が
宜
(
え
)
えだが校長さんも感心に
如何
(
いくら
)
なんと言われても逆からわないで
温和
(
おとなしゅ
)
うしているもんだから
何時
(
いつ
)
か老先生も少しは機嫌が可くなるだ……
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
それあ話しても
宜
(
え
)
え。吾輩としては
俯仰
(
ふぎょう
)
天地に
愧
(
は
)
じない事件で首を飛ばされたんだから、イクラ話しても構わんには構わんが、しかしだ。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
丹「負ってくれたって、ちょっくら四五丁の処なれば負って行っても
宜
(
え
)
いが……よし/\
宜
(
よ
)
うごぜえます、
私
(
わし
)
も一生懸命だ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
番「何じゃ、
汝
(
おのれ
)
が出る幕じゃアない、汝は
飯炊
(
めしたき
)
だから台所に
引込
(
ひっこ
)
んで、飯の
焦
(
こげ
)
ぬように気を附けて
居
(
お
)
れ、
此様
(
こない
)
な事に口出しをせぬでも
宜
(
え
)
いわ」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どこへ出したら
宜
(
え
)
えかチョット見当が附かんで困っておったところだが……まさかソコを探知して受取りに来たんじゃあるまいな……君は……。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
檀家の機嫌気づまとるは
容易
(
ようえ
)
なものじゃアないじゃて、だから折々は気晴しも無ければ成らん、気を晴さんでは毒じゃ、泊っても
宜
(
え
)
えがじゃ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
下
(
おろ
)
さなければあの小僧をたたき殺すが
宜
(
え
)
えかチウてな。胸の処の
生首
(
なまくび
)
の
刺青
(
いれずみ
)
をまくって見せよった。ムフムフ」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
眞「そんな事を云うても来てえるのは知っているからえけません、宵にお目に懸って
此方
(
こっちゃ
)
に泊っても
宜
(
え
)
いと云うたのだから」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
、物理、化学で固めた船で走るんじゃろ。それが信じられん奴は……君や僕が運用する数理計算が当てにならんナンテいう奴は、
最初
(
はな
)
から船に乗らんが
宜
(
え
)
え
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
林「
心配
(
しんぺい
)
しねえでも
宜
(
え
)
え、大丈夫だよ、少し
理由
(
わけ
)
があるだ、お
菊
(
けく
)
さん、ま
一盃
(
えっぺい
)
飲めなせえ、お
前
(
まえ
)
今日は
平日
(
いつも
)
より別段に
美
(
おつこ
)
しいように思われるだね」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それは当り前の話じゃ。襟半の内輪を知り抜いとる私が証人に立っても
宜
(
え
)
え。昔から
腕前
(
うで
)
のない、手柄望みの役人は、すぐに弱い正直者を罪に落そうとするものじゃてや」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
清「
大丈夫
(
でえじょうぶ
)
だ、あゝゝ魂消た
余
(
あんま
)
り小言を云わねえが
宜
(
え
)
えよ、義理立をして見す/\子を殺すようなことが出来る、もう
其様
(
そんな
)
に心配しねえが宜えよ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「イヤ。これは恐縮でした。……実は玄関に妙な患者が来たという話でな。あんた方は今日は、そげな者を相手にされん方が
宜
(
え
)
えと思うたけに、私が立って来ましたのじゃが」
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
重「はい大きに有難う、誠に
遠
(
とお
)
ッ
処
(
とこ
)
に御苦労さま、婆アさま腹ア
空
(
へ
)
ったろう、何もないがお
飯
(
まんま
)
ア喰って
往
(
い
)
くが
宜
(
え
)
い」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
萎縮腎
(
いしゅくじん
)
も一所に来ているようじゃ。漢法に
書痙
(
しょけい
)
という奴があるがアンタのは酒痙じゃろう。今に杯が持たれぬようになるよ。ハハハハ。とにかく暫く書くのを止めた方が
宜
(
え
)
え。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母「別れエ
辛
(
つれ
)
えたッておっ
死
(
ち
)
ぬじゃアなし、関取がに逢って敵い
討
(
ぶ
)
って目出度く
帰
(
けえ
)
って来たら
宜
(
え
)
えじゃアねえか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鍛練に鍛練を重ねても十分につとまるかどうか判らぬとがお能の
常習
(
つね
)
じゃ。そげな卑屈な心掛で舞台に出ても
宜
(
え
)
えものと思うて
居
(
お
)
んなさるとな。私の眼の黒いうちは
其様
(
そげ
)
な事は許さん。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
今日は
最
(
も
)
う仕事は出来はすまい、ムヽ仕事と云えば
私
(
わし
)
も一つ煙草盆を
拵
(
こさ
)
えてもらいたいが、何ういうのが
宜
(
え
)
いかな……これは
前住
(
せんじゅう
)
が持って居ったのじゃが
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
博多児
(
はかたっこ
)
の資格チウても別段に
困難
(
むずか
)
しい資格は要りません。懲役に行かずに飯喰いよれあ、それで
宜
(
え
)
え訳で……もっともこれが又、博多児の資格の中でも一番困難しい資格で御座います。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
五八「なに身い投るって、止しなせえ、止すが
宜
(
え
)
えよ、此んな
小
(
ちっ
)
けえ
所
(
とこ
)
へ
這入
(
へえ
)
って死ねるもんじゃアねえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「婆さん。留めるな留めるな。もう
良
(
え
)
えもう良え。立たしとけ立たしとけ。こげな式の時には見送りに立たぬものと昔からなっとるが、今の若い者は流儀が違うでのう。心配せんでも
宜
(
え
)
えわい」
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
百「はア細田へ行ったゞかえ、それじゃアちょっくら帰らないなア、婆さま、まア何時も達者で
宜
(
え
)
いのう」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「笑いなんな。あたし達の行末が、どうなる事かと思うとなあ。タッタ一度で
宜
(
え
)
えけに、あげな可愛い若殿をばシッカリと抱いて寝てみたいと思うわいな。そう思うと
妾
(
わたし
)
ゃ胸騒ぎがするわいな」
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
殊に又邪淫の一戒というて此れを破れば魔界へ落るというくらいの大事なものじゃ、それに酒を飲むことが
出来
(
でけ
)
ん、
飲酒
(
おんじゅ
)
の戒は文珠経にも出てあるじゃ、
宜
(
え
)
えか
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「アハアハアハ。何でも
宜
(
え
)
え。これから仲よくしてくれい」
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母「そんなに小言云わねえが
宜
(
え
)
えってに、
其処
(
そこ
)
が
病
(
やめ
)
えだからハア手におえねえだよ、
兄
(
あにき
)
どんの側に居ると小言を云われるから
己
(
おれ
)
が側へ来い、さア
此方
(
こっち
)
へ来い、/\」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そんなら……
宜
(
え
)
えじゃろ。中学生にでもわかる話じゃろ。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そんなに謝らなくっても
宜
(
え
)
えよ、先達はお
前
(
めえ
)
さんにえれえ事を云いましたが、若草は
私
(
わし
)
のためには一人の
姪
(
めい
)
で、実は私の
兄
(
あにき
)
は鋏鍛冶をして江戸の湯島に居やしたが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
作「姉御麁朶を取って出さねえと
己
(
おら
)
を撲るから、放すが
宜
(
え
)
え、見込まれたら蚊帳は助からねえからよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しの「エヽ馬鹿な奴のいう事を取上げて余計なことを云わねえが
宜
(
え
)
え、恭太もまた何もいうな……此んな
愚
(
おろか
)
な者のいう事だから、何も
汝
(
われ
)
が小言をいうにゃア及ばねえ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
へえ
頂戴
(
ちやうだい
)
を……
何
(
ど
)
うも
流石
(
さすが
)
は
御商売柄
(
ごしやうばいがら
)
だけあつて
御主人
(
ごしゆじん
)
は
愛嬌
(
あいけう
)
があつてにこやかなお
容貌
(
かほつき
)
、
番頭
(
ばんとう
)
さんから
若衆
(
わかいしう
)
小僧
(
こぞう
)
さんまで
皆
(
みな
)
お
子柄
(
こがら
)
が
宜
(
え
)
いなモシ、
実
(
じつ
)
に
惜
(
を
)
しいやうですな
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
油断をしねえが
宜
(
よ
)
うがすとちょっと知らせればそれで
宜
(
え
)
えだ、然うすれば
直
(
す
)
ぐにお嬢様を
他家
(
わき
)
へ預けるとか、
左
(
さ
)
もなければお内儀様が気イ附けて奉公人も皆起きて
居
(
お
)
らば
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
久留島さまと少々
御縁引
(
ごえんびき
)
であるから、
己
(
おら
)
ア
方
(
ほう
)
へ来るが
宜
(
え
)
えと引取られてるんだそうだが、御亭主も妹も去年お
死去
(
なくな
)
りなすって、久留島さまが引取って、小せえ
家
(
うち
)
へ
這入
(
へい
)
り
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文吉
(
ぶんきち
)
、
藤治郎
(
とうじろう
)
、
多藏
(
たぞう
)
、
彌五右衞門
(
やごえもん
)
の七人に買って来て呉れてえ頼まれて、御守が七つ
御供物
(
おくもつ
)
が七つある、それは
宜
(
え
)
えが金が二十両脇から預かって、小さい風呂敷に包んで金がある
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此の児はお
前
(
めえ
)
の勝手にしたが
宜
(
え
)
えと孩児を男の方へ
打投
(
ぶんな
)
げたと見えて、孩児が
啼
(
な
)
くだアね、其の声で何を云ってるか聞えなかったが、何でも男の方も腹ア立って、また孩児を女の方へ投返すと
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
田舎客「左様でがんすとも死のうと云うは
甚
(
はなは
)
だ心得違い、若い身そらと云うは差迫りますと川などへ飛込んでおっ
死
(
ち
)
んで仕舞うが、そんな駄目な事はがんせん、能く心を落付けてお頼み申すが
宜
(
え
)
い」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
海禪は小さい声で「
宜
(
え
)
いから
此方
(
こっち
)
へ
這入
(
へえ
)
れよ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あんたは殺さねえふりをするが
宜
(
え
)
いよ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
気遣
(
きづけ
)
えしねいが
宜
(
え
)
い
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“宜”の意味
《名詞》
(むべ)納得がいく様子。理に適っている様子。
(出典:Wiktionary)
宜
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“宜”を含む語句
便宜
宜敷
時宜
適宜
便宜上
禰宜
機宜
仲宜
本宜
便宜的
土宜
宜加減
宜道
神禰宜
御便宜
宜山
宜々
宜樣
御時宜
老禰宜
...