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ふりがな文庫
“
南京
(
ナンキン
)” の例文
そこで、流星花火だの、
南京
(
ナンキン
)
花火だの、ありとあらゆる花火を買いこんで、それをかばんに入れて、空のうえにとび上がりました。
ひこうかばん
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
これも三つばかりは毀れていましたが、
南京
(
ナンキン
)
で買ったのだとか云うことで、わたしが満洲で見たものとちっとも変りませんでした。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
冷凍船
虎丸
(
タイガーまる
)
には、僕(山路健二)のほかに、もう一人ボーイがいた。それは、
南京
(
ナンキン
)
生れの
陳秀峰
(
チャンチューホー
)
と、自ら名乗る紅顔の美少年だ。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
南京
(
ナンキン
)
では
張学良
(
ちょうがくりょう
)
が空軍総司令になった。彼は毎日毎日米国製のカーチス戦闘機に乗って、
揚子江
(
ようすこう
)
に
碇泊
(
ていはく
)
しているわが駆逐艦の上を飛んだ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
鼻汁をかんだ
爽快
(
そうかい
)
等だ、それからノミや
南京
(
ナンキン
)
虫にかまれた処をかいて快味を
味
(
あじわ
)
って、しばらくこの世の苦労を忘れようとしたのであった。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
▼ もっと見る
風に吹かれた洗い髪の、さわさわとしたのを両手でたくしあげて、無造作な兵庫くずしに束ねた根元を
南京
(
ナンキン
)
渡りの
翡翠
(
ひすい
)
で止めた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奇妙な悲鳴とともに、少尉の背後に組みついて勝ち誇っていた怪ソ連人の身体が、
南京
(
ナンキン
)
花火のように一転して、どさりと前方へ飛んでいった。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
南京
(
ナンキン
)
奇望街
(
きばうがい
)
の或家の一間には、色の
蒼
(
あを
)
ざめた支那の少女が一人、古びた
卓
(
テエブル
)
の上に頬杖をついて、盆に入れた
西瓜
(
すゐくわ
)
の種を退屈さうに噛み破つてゐた。
南京の基督
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
胴衣
(
ジャケット
)
は短く、前方にポケットが二つついていて、淡黄色の
南京
(
ナンキン
)
木綿に似た布で出来ている。肌着は無い。腕には手首から肘にまで達する袖がある。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
さて
暫
(
しばら
)
くまどろんだと思ふ時分に
頸
(
くび
)
の処に焼けるやうな
癢
(
かゆ
)
さを覚えて目を
醒
(
さ
)
ました。私は
維也納
(
ウインナ
)
以来の
屡
(
しばしば
)
の経験で直ぐ
南京
(
ナンキン
)
虫だといふことを知つた。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
部屋の片隅にはアオイ・ホテルから小湊へ事件後返り咲いたお六が、
南京
(
ナンキン
)
刈の男のウィンクに応じて立上るとショートオオダァのために別室に消えた。
スポールティフな娼婦
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
ノスタレ爺もオームのオシッコも眼が釣上っちゃって、今にもポンポンパリパリと破裂しちまいそうな
南京
(
ナンキン
)
花火みてえな気もちになっちまいましてね。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だから
南京
(
ナンキン
)
条約で、この次は日本の番だということはイギリスを先頭とする資本主義列強の常識であったばかりではなく、日本にとっても常識であった。
黒船来航
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
散策、買物の後、
南京
(
ナンキン
)
路で精進料理を試み、自余の時間は、街上に船中に、ひたすら麻雀売りの撃退に専念す。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「わたくし、
南京
(
ナンキン
)
町の支那料理屋へはよく参りますのですが、神戸にこう云う家があるとは存じませんでした」
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
劉
南京
(
ナンキン
)
は、知つての通り気候も悪いし、この際、保養かたがた観光を兼ねて、日本の温泉巡りを思ひ立つたわけだ。そこで思ひ出したのは、君達のことだ。
昨今横浜異聞(一幕)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
南京
(
ナンキン
)
陥落をつげたその十二月であり、暦は廿二日だが——新劇運動の親、小山内
薫
(
かおる
)
氏のなくなったのも、クリスマスの晩で、十年前のこの月廿五日の
宵
(
よい
)
だった。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あの言葉は、忘れ去つてゐた古傷に、さはられたやうな痛さである。赤羽の工兵隊に召集されて、
南京
(
ナンキン
)
攻略に行つた時の、あの
憂欝
(
いううつ
)
な戦争が、
脳裡
(
なうり
)
をかすめた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「どっちだっていいじゃないか、第一その
室
(
へや
)
の中には、何んにもありはしないんだよ、夜っぴて叩いて居たって、鼠の糞と
南京
(
ナンキン
)
虫の卵が出て来るのが精々だろう」
呪の金剛石
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
拡げて見ると、絹糸のあらい網に金銀の
南京
(
ナンキン
)
玉を結びつけた、まるで踊り子の舞台衣裳の様なものだ。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして、十月に
上海
(
シャンハイ
)
が陥ち、日本軍が首都
南京
(
ナンキン
)
に迫るに
到
(
いた
)
って、
漸
(
ようや
)
く世界動乱の
萌
(
きざ
)
しが見えて来た。
原子爆弾雑話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
僕は、この不潔な思想の
死骸
(
しがい
)
からのがれたくて、新しい学問にあこがれ故郷を捨てて
南京
(
ナンキン
)
に出たのです。それから後の事も、全部あの時、松島で話したように思います。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
南京
(
ナンキン
)
の法庁にある者、殊に大きく象皮一枚を張り、大なる棒を高く荒縄で
釣
(
つ
)
るしてこれを打つと。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
またしてもここで、丁半、ちょぼ一、
南京
(
ナンキン
)
ばくちをはじめて、江戸ッ児のお角をいやがらせようというたくらみに相違ないが、その時、またも店の中がざわめき渡って
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は支那ばかりでなく、最初は朝鮮、満洲へ渡って、
仁川
(
じんせん
)
へも行き、
京城
(
けいじょう
)
へも行き、
木浦
(
もっぽ
)
、
威海衛
(
いかいえい
)
、それから
鉄嶺
(
てつれい
)
までも行った。支那の中で、一番気に入ったところは
南京
(
ナンキン
)
だった。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
和蘭
(
オランダ
)
か
南京
(
ナンキン
)
じゃ、そうなると、女なんかそっち除けじゃ、この皿鉢さえ一枚持ち出せば、今晩の散財は浮いてしまう、と云う、悪いことを考えだしたのじゃ、で、大引けまで、ちびり
幽霊の自筆
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
黄浦河を下り
呉淞
(
ウースン
)
へ出、それから西して揚子江を
溯
(
さかのぼ
)
り、
鎮江
(
チンキャン
)
、
南京
(
ナンキン
)
、
蕪湖
(
ウーフー
)
、
九江
(
キューキャン
)
、
漢口
(
ハンカオ
)
、
岳州
(
ヨウチョウ
)
、
沙市
(
シャシ
)
の
辺
(
あたり
)
へまで、旅行をしなければならなかったので、大いに勇気づいていたのでした。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あの、それ、
南京
(
ナンキン
)
出刃打ちという見世物な、あの連中の仕事だというのだがね」
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それをじみちの方へ引戻そうとして、
寅
(
とら
)
の日の一句は附けられたものと思うが、なお興味はそぞろいて次の「
南京
(
ナンキン
)
の
地
(
つち
)
」という句になったのである。
爺
(
じい
)
の
独活苅
(
うどかり
)
なども原因は是とよく似ている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
鶏の中でも極めて小さいもので、
脛
(
あし
)
の高さがわずか一、二寸、それが低いほど、また
体
(
からだ
)
が小さいほど好いものとなっています。小さいのは
南京
(
ナンキン
)
チャボとか
地※
(
じす
)
りとかいって脚も
嘴
(
くちばし
)
も眼も黄色です。
幕末維新懐古談:57 矮鶏のモデルを探したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
縄でしばった
南京
(
ナンキン
)
袋の前だれをあてて、直径五寸もある大きな孟宗竹の根を両足の親指でふんまえて、桶屋がつかうせんという、左右に
把手
(
とって
)
のついた刃物でけずっていた。ガリ、ガリ、ガリッ……。
白い道
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
佐伯氏は
南京
(
ナンキン
)
の戦争で失明した名誉ある
傷痍
(
しょうい
)
軍人である。
キャラコさん:03 蘆と木笛
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「それどころか、
南京
(
ナンキン
)
までたちまち落してしまった」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
鼠は床にこぼれた
南京
(
ナンキン
)
豆を取りに来る。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
砲火そゝぐ
南京
(
ナンキン
)
城は炉の如し
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
わかい
南京
(
ナンキン
)
さんは涙顔。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
生憎
(
あいにく
)
この夫婦の亜米利加人は、
南京
(
ナンキン
)
で船を下りてしまったが、ずっと溯江を続けたとすれば、もっといろいろ面白い波瀾を巻き起していたのに相違ない。
長江游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私は戸に
南京
(
ナンキン
)
錠と
鐉
(
かけがね
)
とを取りつけた。仕事をしていると男、女、娘、きたない顔をした子供達等が立ち並んで、私を凝視しては感嘆これを久しゅうする。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
先人
李石曹
(
リーシーツワン
)
は何故か同志の実戦に参加しないで上海より
広東
(
カントン
)
に身を避けたのであった。それにも
拘
(
かかわ
)
らずいまでは
南京
(
ナンキン
)
と広東の提携説さえつたわるに至った。
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
手に入れたとは、三根クンの一番大きいお手柄だ。ふーン
南京
(
ナンキン
)
ねずみが、そんなに高く売れたとは、おもしろい
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれどそれも
南京
(
ナンキン
)
らしゃめんと云うと何か違った意味をもって聞えた。下級ということがはっきりしていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は父に死なれて以来、いよいよ周囲の生活に懐疑と反感を抱き、
懊悩
(
おうのう
)
焦慮の
揚句
(
あげく
)
、ついに家郷を捨て、
南京
(
ナンキン
)
に出た。何でもかまわぬ、新しい学問をしたかったのである。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
私がはじめて小学校へはいったのは長崎であった。ざっこく屋と云う木賃宿から、その頃流行のモスリンの改良服と云うのをきせられて、
南京
(
ナンキン
)
町近くの小学校へ通って行った。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
オリエンタルや
南京
(
ナンキン
)
町の支那料理屋などへも案内しようと思っていたのに、そんな所へ連れて行ってもらうよりは、
此処
(
ここ
)
で誰に気がねもなくのんびりと手足を伸ばしていたい
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
日本では「かいうさぎ」、また外国から来た故
南瓜
(
とうなす
)
を
南京
(
ナンキン
)
というごとく南京兎と称う。兎の一類はすこぶる多種でオーストラリアとマダガスカルを除き到る処産するが南米には少ない。
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この戦争に、シナで人命を失うもの百万人、シナの港々は言うに及ばず、
南京
(
ナンキン
)
の都まで英国に乗っ取られ、
和睦
(
わぼく
)
を求めるためにシナより英国へ渡した償金は
小判
(
こばん
)
にして五百万枚にも及んだ。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
北京
(
ペキン
)
にも
南京
(
ナンキン
)
にも
上海
(
シャンハイ
)
にも
漢口
(
ハンコオ
)
にも、マア支那の目ぼしい都には悉くいたことがある。方々へ転々として商売をしていたというのですね。嘘か本当か分りません。本人がそう云っているのです。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
高田はそれで売出したのである。水野好美や
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
も加入していた。戦争の場では、実弾に擬した
南京
(
ナンキン
)
花火をぱちぱち飛ばして、しきりに観客を
脅
(
おびや
)
かしたりして、この興行は大成功であった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
見ると出がけに確かに
閂
(
かんのき
)
を入れて
南京
(
ナンキン
)
錠を卸しておいた筈の青ペンキ塗りの門の扉が左右に開いて、そこから見える玄関の向って左の一間四方ばかりの
肘掛
(
ひじかけ
)
窓からは、百燭ぐらいの蒼白い電燈が
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうして、
南京
(
ナンキン
)
バクチと、丁半とをおっぱじめてしまいました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“南京”の意味
《固有名詞》
南 京 (なんきょう, なんきん)
中国江蘇省の省都。
(出典:Wiktionary)
“南京(南京市)”の解説
南京市(ナンキンし、zh: 南京市、Nánjīng ()、en: Nanjing/Nanking、南京官話:Lang
2
jin
1
)は、中華人民共和国江蘇省の省都。
(出典:Wikipedia)
南
常用漢字
小2
部首:⼗
9画
京
常用漢字
小2
部首:⼇
8画
“南京”で始まる語句
南京虫
南京豆
南京玉
南京米
南京路
南京鼠
南京繻子
南京街
南京錠
南京町