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十歳
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とお
ふりがな文庫
“
十歳
(
とお
)” の例文
司祭さん、これは貧しい人たちに施して下さい。——司祭さん、
十歳
(
とお
)
ばかりの小さい子供です。たしか一匹のモルモットと
絞絃琴
(
ヴイエル
)
とを
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
だが俺は、いくら貴様が、入壇したからといっても、まだ乳くさい
十歳
(
とお
)
やそこらの
洟
(
はな
)
ッ
垂
(
た
)
れを、一人前の
沙門
(
しゃもん
)
とは、認めないのだ。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「昨日逢った時あんなに元気だったが、死顔を見ると——もっとも死顔は相好の変るものだが、——
十歳
(
とお
)
ぐらいは老けていたよ」
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは片商売に荒物を売っている店で、
十歳
(
とお
)
ばかりの男の児が店の前に立っていたが、半七らを見ると慌てて内へ逃げ込んだ。
半七捕物帳:58 菊人形の昔
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「おお、おおそんな事もござんした。その時私は
六歳
(
むっつ
)
か
七歳
(
ななつ
)
。そうしてお前は
十歳
(
とお
)
か十一……ああ、あの頃は罪がなかった」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
いひかけて傍に寐させし子の、
十歳
(
とお
)
には小さきが寒さうに、母親の古袷一ツに包まれたる寝姿を見て、急にホロリとなり
磯馴松
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
年のわりに小柄で(彼はもう
十歳
(
とお
)
になっていた)、まるまると肥って、きれいな空色の目をして、両の頬には
靨
(
えくぼ
)
があった。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
現在
(
げんざい
)
の
母
(
はは
)
の
様子
(
ようす
)
は、
臨終
(
りんじゅう
)
の
時
(
とき
)
の
様子
(
ようす
)
とはびっくりするほど
変
(
かわ
)
って
了
(
しま
)
い、
顔
(
かお
)
もすっかり
朗
(
ほがら
)
かになり、
年齢
(
とし
)
もたしかに
十歳
(
とお
)
ばかり
若返
(
わかがえ
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
梅ちゃんは
十歳
(
とお
)
の年から世話になったが、卒業しないで
退校
(
ひい
)
ても先生別に止めもしなかった、今は弟の時坊が尋常二年で、先生の厄介になっている
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「捕るなら腕で来い」といったスゴイ調子で南鮮沿海を荒しまわる事五年間……
忰
(
せがれ
)
の友太郎も
十歳
(
とお
)
の年から
櫓柄
(
ろづか
)
に掴まって玄海の荒浪を押し切った。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
そうだったかしら。なんでもそいつを流れに取られて、君は岸に立ってしくしく泣いていたっけ。あの時、君は
十歳
(
とお
)
ぐらいだったかしら。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
十歳
(
とお
)
ばかりの頃なりけん、加賀国石川
郡
(
ごおり
)
、
松任
(
まっとう
)
の駅より、
畦路
(
あぜみち
)
を半町ばかり
小村
(
こむら
)
に
入込
(
いりこ
)
みたる
片辺
(
かたほとり
)
に、里寺あり、寺号は覚えず、摩耶夫人おわします。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先
(
せん
)
のお母さんは、わたしが
十歳
(
とお
)
の時に病気で亡くなりました、わたしはその亡くなった時のことをようく存じております、世間では、今のお母さんが
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お前さんはもう
十歳
(
とお
)
にもなるんだからちっとは稼ぐ事も覚えなくちゃいけないじゃないかね。お前さんのためには私達どんなに苦労してるか知れないよ。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
『あたし、右の人さし指で何でも金にする力があって、』と
十歳
(
とお
)
になる女の子のペリウィンクルが言い出した
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
十歳
(
とお
)
ばかりの男の子に手を引かれながら、よぼ/\して遣ってまいり、ぼろ/\した
荒布
(
あらめ
)
のような
衣服
(
きもの
)
を着、肩は裂け袖は
断切
(
ちぎ
)
れ、恐しい
形
(
なり
)
をして居ります。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今から十年も前というと、お蔦がようやく九つか
十歳
(
とお
)
の頃。……先生、こりゃ妙なことになりました」
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ここで、わたしという、あんぽんたん女史
十歳
(
とお
)
か十一歳の、ぼんやりした映像をお目にかける。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今日は
網曳
(
あびき
)
する者もなく、運動する
客
(
ひと
)
の影も見えず。
孩
(
こ
)
を負える
十歳
(
とお
)
あまりの女の子の歌いながら貝拾えるが、浪子を見てほほえみつつ
頭
(
かしら
)
を下げぬ。浪子は惨として
笑
(
え
)
みつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
それでも宅にさえいれば、よくうさん臭いものに
吠
(
ほ
)
えついて見せた。そのうちで最も猛烈に彼の攻撃を受けたのは、本所辺から来る
十歳
(
とお
)
ばかりになる
角兵衛獅子
(
かくべえじし
)
の子であった。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その中に
十歳
(
とお
)
ぐらいに見えて、白の上に
淡黄
(
うすき
)
の柔らかい着物を重ねて向こうから走って来た子は、さっきから何人も見た子供とはいっしょに言うことのできない麗質を備えていた。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「此のむきじゃ、
十歳
(
とお
)
になっても、
二十歳
(
はたち
)
になっても、ややと云ったかも判らない」
薬指の曲り
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「わたくしが、ベルグラードの
中学校
(
ギムナジューム
)
へ入った年、スパセニアが
十歳
(
とお
)
の春でしたわ」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
お嬢さまがまだ
十歳
(
とお
)
の時からでした。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
すると、そのお安が
十歳
(
とお
)
になった時に、今まで子種がねえと諦めていたおかみさんの腹が大きくなって、女の子が生まれた。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
評判の悪い山崎屋勘兵衛だけならともかく、何にも知らぬ、
十歳
(
とお
)
の少年を殺したのは、どんな動機があったにしても許しておけない気持だったのです。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おぼろ/\と霞むまで、暑き日の静さは夜半にも増して、眼もあてられざる野の細道を、
十歳
(
とお
)
ばかりの美少年の、尻を
端折
(
はしよ
)
り、竹の子笠被りたるが、
跣足
(
はだし
)
にて
紫陽花
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
年齢
(
とし
)
から云っても精々のところ、俺は青年より
十歳
(
とお
)
より以上、年上であろうとは思われないのだからな。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ハハハと笑って口をあいて見せた
歯並
(
はなみ
)
が、ばかに細かくて白い。
歳
(
とし
)
は、そうさ、七兵衛よりも
十歳
(
とお
)
も若いか、笠を取って見たら、もっとずっと若いかも知れない。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
年齢
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
はやっと
十歳
(
とお
)
ばかりの
美
(
うつく
)
しい
少女
(
しょうじょ
)
が、七十
歳
(
さい
)
位
(
くらい
)
と
見
(
み
)
ゆる
白髪
(
しらが
)
の
老人
(
ろうじん
)
に
伴
(
ともな
)
われて
佇
(
た
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
七歳
(
ななつ
)
の日吉と、
十歳
(
とお
)
になる姉と、わずか二人に過ぎなかったが、どっちもまだ何の働きに出せる年でもないし——
良人
(
おっと
)
の
弥右衛門
(
やえもん
)
は、夏でも炉ばたに坐ったきりで
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十歳
(
とお
)
で、小柄で、ませている、清元の
巧者
(
じょうず
)
な、町の小娘お金坊は、蝶々
髷
(
まげ
)
にさした花
簪
(
かんざし
)
で頭を
掻
(
か
)
きながら、ええといった。あんぽんたんのことは話しずみの友達だったのだろう。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
三度の飯さえ碌に喰わない程でしたから、子供心に早く母親の手助けを仕ようと思って、
十歳
(
とお
)
の時清兵衛親方の弟子になったのですが、母親も私が十七の時死んでしまったのです
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
少弐は死ぬまぎわにも、もう
十歳
(
とお
)
ぐらいになっていて、非常に美しい姫君を見て
源氏物語:22 玉鬘
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
私まだ
十歳
(
とお
)
ばかりだったから、よく
負
(
おぶ
)
さったりしてあげたわ。今でもどうかすると、僕の背中に乗っかったことがある癖に生意気だなんて、人を馬鹿にしてしまいなさることがあってよ。
変な男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
十歳
(
とお
)
の時から
船渠
(
ドック
)
で船腹の海草焼きだ。それから
汽鑵
(
かま
)
掃除からペンキ塗りと仕上げて、今じゃツーロン潜水夫組の小頭で小鮫のポンちゃんといやア、チッたア人に知られた兄さんなんだヨ。
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
厚樫
(
あつがし
)
の
心
(
しん
)
も
透
(
とお
)
れと深く刻みつけたる
葡萄
(
ぶどう
)
と、葡萄の
蔓
(
つる
)
と葡萄の葉が手足の
触
(
ふ
)
るる場所だけ光りを射返す。この
寝台
(
ねだい
)
の
端
(
はじ
)
に
二人
(
ふたり
)
の
小児
(
しょうに
)
が見えて来た。一人は十三四、一人は
十歳
(
とお
)
くらいと思われる。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
草原の出外れに見える二三軒の藁屋根のある方から
十歳
(
とお
)
位に見える色の白い小供が来ている。と、此方から一人の小供が往って往きあうなり何か云っていたが、直ぐ二人で伴れ立って此方へ来た。
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
或日の事、
十歳
(
とお
)
ばかりの児が来て
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
去年七十七歳で死んだわたしの母は、
十歳
(
とお
)
の年に日本橋で
安政
(
あんせい
)
の
大
(
おお
)
地震に出逢ったそうで、子供の時からたびたびそのおそろしい昔話を聴かされた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
持っておりましたが、
十歳
(
とお
)
にもなって、迷子札でもあるまいと、近頃は巾着ごと
用箪笥
(
ようだんす
)
へ入れてあるはずで——
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それよりか、お前さん、この浜で
十歳
(
とお
)
ぐらいになる男の子を一人見なくって、清澄の茂太郎といって、可愛らしい子なのよ、そうして歌をうたうのが上手な子供」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
民也は
九
(
ここの
)
ツ……
十歳
(
とお
)
ばかりの時に、はじめて知って、三十を越すまでに、
四度
(
よたび
)
か
五度
(
いつたび
)
は
確
(
たしか
)
に逢った。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まだ、
十歳
(
とお
)
や十一の小童を、山へ連れ登られたことさえ、奇怪であるのに、ものものしい入壇授戒を、あの
洟
(
はな
)
っ
垂
(
た
)
れの稚僧に、ゆるすとあれば、すこし、狂気の沙汰である」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして猪太郎は
十歳
(
とお
)
となったがその体の大きさは十八、九歳の少年よりももっと大きくもあり
逞
(
たくま
)
しくもあり、その行動の敏活とその腕力の強さとは真に
眼覚
(
めざ
)
ましいものであった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
十歳
(
とお
)
より上の人はお雛様遊びをしてはよくないと世間では申しますのよ。あなた様はもう
良人
(
おっと
)
がいらっしゃる方なんですから、奥様らしく静かにしていらっしゃらなくてはなりません。
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
其の暮に
父
(
とっ
)
さんが死んだから、お
母
(
ふくろ
)
が貧乏の中で丹誠して、己が
十歳
(
とお
)
になるまで育ってくれたから、職を覚えてお母に安心させようと思って、清兵衞親方という指物師の弟子になったのだ
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かたすみに、立派な長
椅子
(
いす
)
の上に、
十歳
(
とお
)
ばかりの女の子が座っていました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いくら浜村屋が
酔興
(
すいきょう
)
でも、九つ
十歳
(
とお
)
の娘などに
色文
(
いろぶみ
)
をつけるわけはない
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その次に呼出したのは和助の女房のお咲、これは和助より三つ四つ年上なのと、すっかり世帯崩れの女房振りで、亭主とは
十歳
(
とお
)
ぐらい違いそうに見えます。
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“十歳”の意味
《名詞》
十歳(とお、ジ(ュ)ッサイ)
生後10年目又は10年を経過した年齢の称。
(出典:Wiktionary)
十
常用漢字
小1
部首:⼗
2画
歳
常用漢字
中学
部首:⽌
13画
“十歳”で始まる語句
十歳下
十歳位