“厚樫”の読み方と例文
読み方割合
あつがし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
口をけていわしを吸うくじらの待ち構えている所まで来るやいなやキーときしる音と共に厚樫あつがしの扉は彼らと浮世の光りとをとこしえにへだてる。彼らはかくしてついに宿命の鬼の餌食えじきとなる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
厚樫あつがししんとおれと深く刻みつけたる葡萄ぶどうと、葡萄のつると葡萄の葉が手足のるる場所だけ光りを射返す。この寝台ねだいはじ二人ふたり小児しょうにが見えて来た。一人は十三四、一人は十歳とおくらいと思われる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)