“厚衾”の読み方と例文
読み方割合
あつぶすま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上からおさえ押えんとする雲の厚衾あつぶすまと爭つて、はね除け突き破り、再び自在な自己の天地を見出さんとするやうに、風は次第に吹きつのつて來る。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
寝る時には、厚衾あつぶすまに、このくまの皮が上へかぶさって、そでを包み、おおい、すそを包んだのも面白い。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火元の笹家が燃え尽くして、この時横倒しに倒れたのでもあろうか、ゴーッというすさまじい物音がしたが、見る見る瞬間に露路の上から煙りと火の粉との厚衾あつぶすまが、紋也とお粂とを圧して来た。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)