“あつぶすま”の漢字の書き方と例文
語句割合
厚衾100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二枚がさねの友禅縮緬ちりめん座蒲団ざぶとんに坐っているお神の前で、土地の風習や披露目の手順など聞かされたものだが、夜になると、お神は六畳の奥の簿記台をまくらに、錦紗きんしゃずくめの厚衾あつぶすまに深々とせた体を沈め
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と、まだ寝ないで、そこに、羽二重の厚衾あつぶすま、枕を四つ、頭あわせに、身のうき事を問い、とわれ、睦言むつごとのように語り合う、小春と、雛妓おしゃく、爺さん、小児こどもたちに見せびらかした。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふすま左右に開きたれば、厚衾あつぶすま重ねたる見ゆ。東に向けて臥床ふしど設けし、枕頭まくらもとなる皿のなかに、蜜柑みかんと熟したる葡萄ぶどうりたり。枕をば高くしつ。病める人はかしらうずめて、ちいさやかにぞ臥したりける。
誓之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)